赤ちゃんが笑顔になる!離乳食インストラクターが作る「おいしい離乳食日記 番外編」はじめてのたまご

掲載日:2019.11.25
赤ちゃんが笑顔になる!離乳食インストラクターが作る「おいしい離乳食日記 番外編」はじめてのたまご

離乳食インストラクター神田ひかりです。離乳食インストラクターとして安心で安全な最新の情報とともに、赤ちゃんが笑顔になる「おいしい離乳食メニュー」を日記形式でお届けします!

NEWS

2019年3月31日に厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」が約10年ぶりに改訂されました!

このガイドは、わたくしの記事において文献とする離乳食インストラクター協会・母子栄養協会をはじめ、妊産婦・子どもに関わっている指導者や支援者が認識を統一するためガイドです。

市町村での離乳食講座や市販される離乳食本なども、このガイドを基準に作成される場合が少なくありません。つまり「日本の離乳食の基準」が改訂されたと言って過言ではありません。

昔と今では離乳食の大まかな流れは変わりませんが、科学的研究を重ねて集積され、育児・就労状況の変化や母子保健施設の充実なども含めて「今の時代に寄り添って更新された」という点で、できるだけ「最新」で「確かな」情報が皆さんに届いて欲しいと願いながら、わたくしも新ガイドを元に情報を更新して参ります。

私の連載でご紹介している離乳食メニューは(2018年4月1日〜2019年3月31日頃)までの記録で、新ガイドが発表される直前・直後のものですが、(新)「授乳・離乳の支援ガイド」2019で新たに改訂されたポイントなどを折り込みながら「最新の情報で安全に離乳食を進められるように導く」事をモットーにし、引き続き連載させていただきます。

番外編
ーはじめてのたまごー

乳幼児の食物アレルギーの中で症例の多い卵をはじめて食べさせるとき、私は手に汗を握る想いでした。特に一人目の離乳食では「心配だから」という気持ちが芽生えて、卵を与えはじめる時期が遅れがちになっていました。

2019年3月に厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」が約10年ぶりに改定され、以前のガイド(2007年版)で、卵(卵黄)のスタートは離乳中期(生後7〜8ケ月頃)からとされていましたが、新ガイドでは離乳初期(生後6ケ月頃)に繰り上がりました。

「心配して与えるのを遅らせてもアレルギー予防効果があるという根拠はありませんよ」という事が見出されたので「必要以上に除去食を行わず、月齢にあった食材を少量より与える事が望ましい」とされ繰り上がった経緯となります。

卵は優秀なタンパク質源ですからしっかり与えてあげて欲しいです。ですが、その前に保護者自身に卵を与えることへの不安や心配があると前向きに進めませんよね。新ガイドに基づき離乳食におけるたまごの進め方の詳細を今回お伝えしていきます。

離乳食で初めてたまごを食べさせるのはいつから?

離乳初期(生後6ケ月頃)
お粥・お野菜・豆腐や白身魚に慣れた頃

離乳食で初めてたまごを食べさせるときはどんなものがいい?

①固茹でのゆで卵の卵黄(沸騰してから20分茹でる)
②茹で上がったら放置せずにできるだけ早く卵黄だけを取り出す
(卵白のアレルゲンが卵黄に移行すると言われているため)
③卵黄を裏ごしし、白湯などで溶いたり、お粥に混ぜてあげる
 (食べない分はラップして冷凍できます)

離乳食で初めてたまごを食べさせるときの量は?

はじめて与える際は耳かき1さじ程度(ごく少量)からで、その後気になる症状がなければ卵黄1個分になるまでは倍量ずつ増やしてどんどん進めていきましょう。

その先の進め方

①与えはじめてから固茹でゆで卵の卵黄1個分が食べられるようなったら、卵黄のみの錦糸卵

・生卵の段階で卵黄/卵白に分け、卵黄のみフライパンで両面薄くじっくり焼く
・細く千切りのように切り、それを1本→5本と徐々に増やしていく
 ・多い分は冷凍できるので「一週間で少しずつ進めて食べ切る」というような目安

②①が慣れたら全卵の錦糸卵
 ・全卵をよくかき混ぜ1/3をフライパンで両面薄くじっくり焼く
 ・千切りにして少しづつ与えます

各時期のたまごの目安量

※厚生労働省「授乳・離乳支援ガイド」抜粋

離乳食で始めてたまごを与える時の注意点

①赤ちゃんに皮膚疾患やすでにアレルギー症状が出ていて治療中の場合、両親やご家族がアレルギーをお持ちの場合など、心配な場合は医師に相談してくてからはじめましょう。

②初めて与える時は平日の午前中(休診日を避ける)
 何かあったらすぐに病院にかけつける事ができる時間に。

③食べた後は身体観察
食べた後は、蕁麻疹・皮膚の赤み・目の腫れ・咳・嘔吐などがないか赤ちゃんの様子を意識してチェックしてくださいね。少しでも心配な事がある場合はかかりつけのお医者さんに相談してくださいね。

※上記3つは卵に限らず「初めての食材を食べさせる時」に意識しておくといいです

④体調が悪いときは「卵はお休み」しましょう
 普段はなんでもない事が、体調が悪いと症状が出てしまう事があります。

まとめ

卵は乳幼児の食物アレルギーの症例が多い食材ですが、同時に乳幼児にとって成長に必要なタンパク質に優れた食材でもあります。食べられるようになってくれたほうが嬉しいですよね!

初めて食べさせる時の調理法や量、その先の進め方がなんとなく理解していただけただけでも少しは前向きに取り組めるのではないでしょうか?

離乳食におけるたまごの進め方は不必要な除去や、逆に無理して毎日続けて与えるのではなく、卵も肉も魚も豆腐もバランスよく、大人が食べる頻度に合わせて「家族が食べる日に食べる」という感覚で、タンパク質をいろいろな種類で補えるようになれる事が大切ですよね。無理なく進めていきましょうね!

この記事は以下を参考にしています。

厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」
・一般社団法人母子栄養協会「離乳食アドバイザーテキスト」
一般社団法人母子栄養協会「たまごをいつからどうやってたべさせる?」

そのほか
・「たまごの進め方の参考となった研究について」や「一般の赤ちゃんと皮膚炎のある赤ちゃんでは進め方が異なる」ことについて書かれた記事

一般社団法人母子栄養協会「卵はいつから?離乳食の進め方」

こちらは研究から得られたエビデンス(根拠)が書かれているので、へぇ〜そうなんだぁと勉強になる記事です。卵のアレルゲンの性質などを知りたい方はぜひ読んでみてくださいね。

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愛知県西尾市在住 2児の母。19歳で調理師免許取得所得後、8年間名古屋国際ホテル他レストランキッチンにて修業後、さかな屋の旦那と出会い結婚。長男が離乳食を食べてくれず悩んだ事をきっかけに、離乳食インストラクター資格を取得し離乳食講座を定期的に開催中(累積受講者数700名以上)。

おさかな離乳食セット「ととBaby」開発や離乳食インストラクター協会やクックパッド、自身のブログでおさかな離乳食記事執筆やレシピ提供、魚のさばき方、包丁の研ぎ方講座を定期的に開催するなど、魚食普及、魚離れに歯止めをかけるべく活動中!

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