離乳食インストラクター・離乳食アドバイザー神田ひかりからの「離乳食最新NEWS!」

掲載日:2019.07.10
離乳食インストラクター・離乳食アドバイザー神田ひかりからの「離乳食最新NEWS!」

一般社団法人離乳食インストラクター協会認定講師・1,2級講師の神田ひかりが、この度、更なる離乳食の学びを深めるために一般社団法人母子栄養協会「離乳食アドバイザー」資格を取得しました!

離乳食の専門家として安心で安全な情報とともに、赤ちゃんが笑顔になる「おいしい離乳食メニュー」を日記形式で連載しています!

これまでの連載記事

①離乳初期(Day1〜7)おいしい10倍粥の作り方
②離乳初期(Day8〜14)離乳食スプーンについて
③離乳初期(Day15〜21)一人で食べる?みんなで食べる?
④離乳初期(Day22〜30)赤ちゃんって水分補給は必要なの?
⑤離乳初期(Day31〜37)初めてのお出汁とタンパク質
⑥離乳初期(Day38〜44)初めての果物
⑦離乳初期(Day45〜51)初めてのおさかなと2回食にする目安
⑧離乳初期(Day52〜58)中期への移行期・体調が悪い時の離乳食
⑨離乳中期(Day59〜65)フリージング離乳食と初めての鮭

今回は番外編!離乳食最新NEWS
日本の離乳食の基準「授乳・離乳の支援ガイド」の改訂!

2019年3月31日に厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」が約10年ぶりに改訂されました!

このガイドは、わたくしの記事において文献とする離乳食インストラクター協会・母子栄養協会をはじめ、妊産婦・子どもに関わっている指導者や支援者が認識を統一するためガイドです。

市町村での離乳食講座や市販される離乳食本なども、このガイドを基準に作成される場合が少なくありません。つまり「日本の離乳食の基準」が改訂されたと言って過言ではありません。

昔と今では離乳食の大まかな流れは変わりませんが、科学的研究を重ねて集積され、育児・就労状況の変化や母子保健施設の充実なども含めて「今の時代に寄り添って更新された」という点で、できるだけ「最新」で「確かな」情報が皆さんに届いて欲しいと願いながら、わたくしも新ガイドを元に情報を更新して参ります。

私の連載でご紹介している離乳食メニューは(2018年4月1日〜2019年3月31日頃)までの記録で、新ガイドが発表される直前・直後のものですが、(新)「授乳・離乳の支援ガイド」2019で新たに改訂されたポイントなどを折り込みながら「最新の情報で安全に離乳食を進められるように導く」事をモットーにし、引き続き連載させていただきます。

(新)授乳・離乳の支援ガイド2019対応
離乳各期ごとの与える目安量と、オススメ食材例一覧表

赤ちゃんの体調や食べ具合を見ながら徐々に量を増やしていきます。

参照
※「授乳・離乳の支援ガイド」2019
一般社団法人離乳食インストラクター協会2級講座テキスト
一般社団法人母子栄養協会「離乳食アドバイザー講座」テキスト

(新)「授乳・離乳の支援ガイド」で
改訂されたポイントを一部ご紹介

卵(卵黄)を離乳初期(生後6ケ月頃)からスタート!

以前のガイド(2007年版)では、卵(卵黄)のスタートは離乳中期(生後7〜8ケ月頃)からとされていましたが、新ガイドでは離乳初期(生後6ケ月頃)に繰り上がりました。

えええッ!卵を初期から与えてもいいの?!

アレルゲンとなりやすい食品の代表ともいえる卵を、はじめて食べさせる時の保護者の緊張感ったら、もう手に汗を握る想いですよね。その気持ちはとても良くわかります!私自身、特に一人目の離乳食では「心配だから」という気持ちが芽生えて、卵を与え始める時期が遅れがちになっていました。

じゃあ初期から卵を与えなくては!と無理に急ぐ必要はないですが「心配して与えるのを遅らせてもアレルギー予防効果があるという根拠はありませんよ」ということですので、離乳食が始まり(豆腐や白身魚が慣れた頃)(だいたい生後6ケ月頃)を目安に(卵黄)も与えていこうかなって感覚でいいのかなぁと思います。

はじめての卵は、ゆで卵(固茹で20分)の卵黄を耳かき1さじから与えはじめてくださいね。「卵の与え方」については、また別の記事でご紹介する予定です。

赤ちゃんと保護者を取り巻く環境の充実化を目指す!

「子育て世代包括支援センター」の存在を知っていますか?

愛知県西尾市の子育て世代包括支援センターのリーフレット

授乳や離乳に限らず、妊娠のときから産後も、乳児が幼児に成長するまで切れ目のない支援をしていこうという意図の「ワンストップ相談窓口」として、2017年から厚生労働省が旗振り役となり設置した窓口です。

この「子育て世代包括支援センター」、2020年度末までに全国展開を目指しています。(2018年4月1日時点で791市町村,1436箇所 )子育て世代包括センターの実施状況2018年4月1日時点より

子育て世代包括支援センターには、保健師・助産師・看護師・ソーシャルワーカーなどが常勤 or 非常勤として在籍。医師・歯科衛生士・栄養士・管理栄養士などの専門職の配置・連携も想定される。(各地域・自治体によってさまざま)

私の住む愛知県西尾市にも昨年できたばかりですが設置されています。

新設された訳ではなく「西尾保健センター」内に、人員の確保や制度を整えて「子育て世代包括支援センター」の看板をつけ足しました。

これまでも保健所や市役所で同様の相談窓口がありましたが、「子育て世代包括支援センター」の最大の特徴は

あらゆる相談を受け付けるワンストップサービス

申請はこちら、相談はあちら……あちこち転々とするのは妊婦や乳幼児をつれた保護者には大変なことです。一つ窓口に行けば、すべてそこで解決できちゃう!相談に見合った専門家が在籍していなければ、見合う専門家や医療機関へ繋げる。

センターがしっかりつなげて、その後も関わった専門家がチームとなって情報を共有し把握していこう!という取り組みです。それって本当にめちゃくちゃ大変なことですが、ありがたいですよね。

各自治体、地域に合わせたサービスを提供する

子育て世代包括支援センターは、その地域・自治体の特性を生かしながら設置されます。また「センター」と名前がつくので「施設・建物」と認識してしまいがちですが、自治体によっては「同様の取り組み」であっても子育て世代包括支援センターと称していいとされています。ですから、お住いの地域によってその在り方はさまざまなのですが、共通する事は「どんな相談でも受け付けるワンストップ」であることです。とにかく気軽に相談していいですよ!

ぜひ一度、お住いの地域に「子育て世代包括支援センター」があるのか?調べてみてください。何かあった時、相談する相手の選択肢として持っておいていただきたいです。

保健センターでもOK!

まだまだ新しい取り組みですので、全市町村配置までは整ってないのが現状です。子育て世代包括支援センターがお近くになくても大丈夫!その場合は、気軽に保健センターへ。

看護師と保健師の2つの免許を保有している保健師さんは、乳幼児や妊産じょく婦の健診や訪問指導をしている方です。「◯ケ月健診」などで、親身なって個別にお話をしてくれますよね!市町村の管轄する「保健センター」に必ず在籍しています。授乳・離乳に関してだけでなくても相談できます。近隣の病院の情報などにもとても詳しい方です。不安がある場合は、健診の際、又は、それ以外でも気軽に相談してみてくださいね!

どんどん良くなる支援の先にあるもの

西尾市吉良保健保健センターの保健師さんに「子育て世代包括支援センター」についてお話を伺ってきました。とにかく、とても親切です。何を聞いても誠実にていねいに、優しく教えてくれました。保健師さんって、聞き上手で包容力を兼ね備えた「究極の母性」をお持ちなのかな?の印象。どんどん聞いちゃう。(笑)

愛知県西尾市の場合、昨年、同センターの設置となりましたが「正直なところまだまだ発揮しきれていない。はじまったばかりなので、毎日試行錯誤。今までと何が違うの?というより、今までやってきた母子保健事業(母子手帳配布時の面接や赤ちゃん訪問など)を更に充実させながら支援を厚くしてく感覚です。」とおっしゃっていました。

5歳の息子のときの母子手帳配布時には、窓口越しで簡単な質問に答えただけでした。1歳の娘の母子手帳配布時には、パーテーションで仕切られた場所に移って席に座って面接を受けました。この4年の間でも対応は変わっていて、さらに今は面接だけでなく「支援プラン」を提案することもあるとおっしゃっていました。

新しい取り組みというよりは、保健師さんの言うように、どんどん手厚くなってきている支援という印象です。そのもう一歩先に「相談しやすい」=「一人で悩まないで」があるのかな。いきなり相談はできないですもんね。親身に関わってくれる人になら「言えるかな」って思えるはずなので、この厚くなっていく支援の先にあるものこそ、本当に辛く悩んでいる方の力になれると信じます。私もこの取り組みを応援しながら、伝えながら、自分自身が一人でも多くの赤ちゃんと保護者の笑顔を引き出せるように頑張っていきます!

愛知県西尾市在住 2児の母。19歳で調理師免許取得所得後、8年間名古屋国際ホテル他レストランキッチンにて修業後、さかな屋の旦那と出会い結婚。長男が離乳食を食べてくれず悩んだ事をきっかけに、離乳食インストラクター資格を取得し離乳食講座を定期的に開催中(累積受講者数700名以上)。

おさかな離乳食セット「ととBaby」開発や離乳食インストラクター協会やクックパッド、自身のブログでおさかな離乳食記事執筆やレシピ提供、魚のさばき方、包丁の研ぎ方講座を定期的に開催するなど、魚食普及、魚離れに歯止めをかけるべく活動中!

http://www.kanekakanda.com/

instagram:https://www.instagram.com/sakananohikari/

ととBabyお試しセット:http://toto-baby.net/otameshi-set/

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