今いちばん行きたい東京のブルックリン「蔵前」はクリエイティブな人たちが集まる街でした。
2018.5.29
東京といえばどこを思い浮かべますか?「原宿」「浅草」「お台場」たくさんの観光スポットがありますよね。そんな、数ある東京の名所の中でも、おしゃれな人たちから注目を集めているスポットが「蔵前」です。
蔵前は浅草の南、隅田川の右岸に位置しています。古くは、江戸時代に徳川幕府の米を収蔵する御米蔵があったことで御蔵前(おくらまえ)と呼ばれるようになったことが地名の由来となっています。
昔から製造業が盛んで、工場や問屋が多く「ものづくり」の街とされてきたエリアですが、近年では、若手クリエイターやオシャレな店舗、ゲストハウスなどが増え「東京のブルックリン(※ブルックリンもつくり手が集まる街「メイカーズ」として有名なことから。)」と呼ばれるほどです。今回は、そんな蔵前で注目の場所をライフデザインズ目線でお伝えしていきます。
スカイツリーを見ながら食事が楽しめるリバーサイドカフェ「シエロイリオ」
ピンクのガラスファサードが印象的な建物シエロイリオ。築40年のビルをリノベーションして誕生した、食とアートの複合商業施設「MIRROR」の中にあります。
7階建てのビル内には、1〜3階にかけて「シエロイリオ」とギャラリー、4階には卓球が楽しめるバーの「リバヨン」、5階にはパーティールームの「ゴカイ」、6階にMIRRORのオフィス、7階はルーフトップバーの「プリバード」と、バラエティ豊かな店舗が入居しています。
隅田川沿いにあるので、川とスカイツリーを眺めながら食事を楽しむことができます。
店内はコンクリート打ちっぱなしに。デザイナーズ&アンティーク調の家具が置かれたおしゃれな空間が広がっています。
シエロイリオの入口にあるピンク色のファサードは、東京の東と西側を「新・旧」に例えて東京の世界観を表しているそう。
この建物はもともと楽器店の倉庫として使われていたそうです。リノベーションをする前は川沿いにあるにも関わらず窓がなく、窮屈な空間だったとのこと。せっかくの好ロケーションを活かさない手はないと考え、川側は一面ガラス窓に。その結果一年を通して隅田川を一望できるうえ、夏には隅田川花火大会を観ることができる絶好のスポットとなっています。
シエロイリオ 日替りランチ900円(税込み)
オープンブレッドランチ20食限定 980円(税込み)
日替りパスタランチ900円(税込)
1階と3階合わせて180席を超える客数があり、 新鮮なお野菜と季節の食材にこだわる自慢の料理を楽しむことができます。
人気の日替わりランチは常時8種類取り揃えられています。天気の良い日には、テラス席でスカイツリーを眺めながら、ゆっくりとランチもおすすめです。
【Riverside Cafe Cielo y Rio(シエロイリオ)】
営業時間:月~金 ランチ 11:30~15:00(L.o.)、ディナー 17:30~22:00(L.o.)、カフェ 11:30~22:30(L.o.)/土・日・祝 ランチ 11:00~15:00(L.o.)、ディナー 17:30~22:00(L.o.)、カフェ 11:00~22:30(L.o.)
定休日:なし
倉庫をリノベーションしたゲストハウスNui.

Nui.は蔵前駅から徒歩5分、隅田川の一本手前の道沿いにあります。
Nui.は台東区のゲストハウス「toco.」京都の「Len」東日本橋の「CITAN」を経営するバックパッカーズジャパンが手がけるゲストハウスです。2012年にオープンしたNui.はゲストハウスブームの先駆け的存在でもあります。
この場所を選んだのは、宿泊施設としてアクセスが良く、自分たちの作りたい空間が実現できる場所を探していたら、たどり着いたのが蔵前だったそう。
バーカウンターは北海道のニセコから運んできたイシナラ、キハダ、タモの木が奥のキッチンカウンターまで連なる。あえて枝の一部を残し、もたれかけられるようにしたのもポイント。
中に入ると、真っ先にシンボルツリーが目に入ります。1階はエントランスとバー、2〜5階が宿泊施設となっています。各フロアにツイン、ダブル、8名ドミトリータイプの客室があり、計100名を収容することが可能。正面のガラス扉を開けると多国籍感溢れるおしゃれな空間が広がります。
BARで提供するコーヒーは、「オニバスコーヒー(onibus coffee)」の豆を使用。
店名は機械的になるのではなく人の手で丁寧な仕事をしていく、「手縫い」という意味を込めて「Nui.」と名付けたそうです。
1階のラウンジは日中は美味しいコーヒーが飲めるカフェとして。夜はさまざまな人がふらっと立ち寄れるバーとして営業。店内では焼き立てのパンとグラノーラ、パウンドケーキなども取り揃えています。夜のディナータイムでは、特定の国の料理と言うよりは、単純においしいと思った物を中心に提供されています。
こちらのビルはもともとは江戸時代から続く、老舗おもちゃ屋の倉庫でした。築50年の建物と現代風にリノベーションされた空間が上手く調和しています。新しさの中に、どこか懐かしさも感じる落ち着く空間です。
レトロなタイルが空間のアクセントになっています。
開放感のある高い天井。倉庫時代の面影も残っています。
立ち飲みする動きのある場所。テーブル席のある少しゆっくり話せる場所。ソファ席のある長時間ゆっくり話せる場所。エレベーター前の人が行き交う交差点のような場所。といったように空間を4つに分けることで、幅広いジャンルの人たちがNui.を楽しむことができるようにと工夫されています。
国籍問わずさまざまな人が集まるNui.は店内に入ると非日常を味わうことができます。昼夜問わず、ふらっと立ち寄りたくなる場所です。
【Nui. HOSTEL & BAR LOUNGE】
住所:東京都台東区蔵前2-14-13
電話番号:03-6240-9854
営業時間:カフェ 8:00~18:00、バー 18:00~25:00(L.O.24:30)
/チェックイン 16:00~23:00、チェックアウト ~11:00
定休日:無し
創業100周年の老舗お茶農家が提案する「NAKAMURA TEA LIFE STORE」
蔵前をふらふらしていると、赤レンガの建物にのれんがかかったショップが目に入りました。こちらのお店は、2019年に創業100周年を迎える、静岡県藤枝市の老舗のお茶農家「中村家」とデザイン会社がタッグを組んで運営するお茶屋さんです。
従来のお茶屋さんのイメージを覆すおしゃれな店内
店内で売ってるお茶はすべて無農薬有機栽培。オーガニックのお茶を楽しむことができます。また、一般的にお茶は、複数の茶葉をブレンドしてつくられるそうですが、こちらのお店のお茶は茶園で穫れたお茶の個性を活かすために、茶園ごとに製造が異なります。
パッケージはとってもおしゃれで。人にプレゼントしてもよろこばれそうです。
商品にはそれぞれ「GAREDEN NO.01」「GARDEN NO.02」などと名前がついています。また、茶葉の収穫日、収穫場所、栽培担当者、栽培方法が記載された品質保証書が付いています。生産者がわかるのはうれしいですよね。
”お茶を急須で淹れる文化を広めたい”との想いから店内では急須も取り扱っています。急須でお茶を淹れると、茶葉が持つ味や香りを最大限に引き出すことができるため、いちばん美味しくお茶をいただくことができるそうです。
実際に急須で淹れたお茶を試飲させていただきました。口の中には風味豊かな茶葉の香りが広がり、「お茶っておいしい!」と純粋に感動しました。普段コーヒーばかり飲んでいましたが、お茶にも挑戦し見てみたくなりました。また、蔵前を訪れたくなる理由の一つになりそうです。
【NAKAMURA TEA LIFE STORE】住所:〒111-0051 東京都台東区 蔵前4-20-4
営業時間:12:00~19:00
定休日:月曜日
台湾カルチャーを体感できるTaiwan Tea & Gallery『台感』
大江戸線蔵前駅 (A5出口)を出てすぐ
お次にご紹介するのは2017年にオープンしたショップ「台感」。台湾と日本をつなぐクリエイティブエイジェンシー「LIP」がプロデュースを手がけています。
私たちが訪れた日は台湾のお正月(春節)が近いこともあって、春節の雰囲気を感じられる内装になっていました。
店内の奥にあるティースタンドでは、台湾でも人気の台湾茶ブランド〈琅茶 Wolf Tea〉のお茶や台湾と日本のテイストを組み合わせたスイーツなどが楽しめます。
ギャラリーでは、さまざま台湾に関わるクリエイターがセレクトした雑貨を購入することもできます。
この日はフォトグラファー忠地七緒さんの写真展開催されていました。※定期的にこのような個展も開かれています。
台湾のカルチャーや情報がわかる書籍を購入することもできます。台湾でしか購できない珍しい雑誌もありましたよ。
私たちが知らない、新しいカルチャーに触れることは、とてもワクワクします。蔵前に訪れた際は台湾カルチャーも体感してみてくださいね。
【Taiwan Tea & Gallery 台感】
住所:東京都台東区蔵前3-22-7
営業時間:11:00~21:00
定休日 : なし
日本初!台湾のテキスタイル&デザインショップin Blooom印花楽
「台感」の横には台湾のテキスタイル&デザインショップ「in Blooom 印花楽」があります。こちらのブランドは2008年に設立した台湾人デザイナーによるプリント生地ブランドです。”日常生活にまつわる創作”をコンセプトに、台湾の生活と生活に息づく昔の記憶からインスピレーションを得て、新たなデザイン・エッセンスを生みだしています。
生地の切り売りは100cm以上、50cm単位で購入可能。
in Blooom のデザインはとてもユニーク。台湾の古い窓ガラスの模様から生まれた「花海棠柄(ハナカイドウ)ガラス」や、絶滅の危機に瀕している台湾ハッカチョウなど台湾のさまざまなものがデザインに起こされています。
タイルもとてもすてきです。コースター代わりにしてもいいですよね。
テキスタイルはライフスタイルに取り入れやすく、かわいいものばかりでした。台感と合わせてチェックしてみてくださいね。
【in Blooom印花楽 】
住所:東京都台東区蔵前3-22-7
営業時間:11:00~19:00
定休日:不定休
公式サイト:https://inblooom.jp/
サンフランシスコ発「ダンデライオン・チョコレート・ファクトリー&カフェ」
サンフランシスコで絶大な人気を誇るチョコレート専門店「ダンデライオンチョコレート」。日本1号店がここ蔵前にあります。なぜ1号店を蔵前に選んだのかというと、伝統と新しい文化がいい感じにミックスしている蔵前は、サンフランシスコ街の雰囲気に似ていたことが、ここ蔵前を選んだきっかけだそうです。
築50年以上の倉庫をリノベーションした店内は開放感があり、海外に訪れたかのような雰囲気を感じます。
1階はチョコレートファクトリーとスタンド、2階はカフェとワークショップスペースを併設したファクトリー。 製造工程を間近で見ながら、チョコレートドリンクやスイーツを楽しむことができます。
店内ではカカオ豆の選別も間近で見ることができます。多くのチョコレートは大量生産されたものが主流ですが、ダンデライオンでは「Bean to Bar」と呼ばれるチョコレートバーをつくるまでのすべての工程を一貫して自社で行っています。
チョコレートバーはそれぞれにカカオ豆の原産地や風味、味わいなどの特徴が説明書きされています。すべて試食もできるので、お好きな一つを選んでみてくださいね。
オリジナルチョコレートを使用したスイーツは常時10種類ほど。チョコレートを使用したドリンクもホットからアイスまで種類豊富に取りそろえています。
現在は伊勢や鎌倉にもお店がありますが、ファクトリーを併設しているのは蔵前だけです。モノづくり街蔵前で、本物のチョコレートづくりに触れてみてくださいね。
【ダンデライオン・チョコレート】
住所:東京都台東区蔵前4-14-6
営業時間:10:00-20:00(L.O. 19:30)
定休日:年末年始
たのしく、書く人。「カキモリ」
※現在は店舗を移転しています。
「カキモリ」はオリジナルノートやインクをつくることができる文房具専門店です。文字はスマホやPCで入力することが当たり前の世の中だからこそ「書くことの楽しさをもう一度味わってほしい」との想いでこちらのお店をオープンしたそうです。
店内では自分だけのオリジナルノートをつくることができます。1冊あたりの価格は、表・裏表紙+中紙+製本200円(+留め具代)=800円〜。箔押しで名を入れることも可能。使い終わったノートの中紙は交換もできますよ。種類も豊富なので、どんなデザインにしようか迷ってしまいそうです。
壁・床に貼られたカラフルなヘリンボーンは色鉛筆をイメージ。見てるだけでもテンションが上がってきますね。
什器には筆記具やレターセット、オリジナルノートの見本紙などが並びます。
自分だけのオリジナルノートは愛着もひとしおです。お気に入りの一冊を持てば書くことがもっと楽しく感じられるようになるはずです。大切な人へ心を込めて選んで、プレゼントしてもいいですよね。
【カキモリ】
住所:東京都台東区三筋1-6-2
営業時間:12時〜19時(平日)/ 11時〜19時(土日祝)
定休日:月曜日(祝日の場合のみ営業)
公式サイト:http://kakimori.com/
一日かけて蔵前を巡っていたらすっかり夕暮れになってしまいました。昭和の風情が色濃く残るこの街は、蔵前で育まれてきた伝統を大切にしながらも、新たな文化が調和する独特な場所でした。東京に訪れる際は、きらびやかな街もいいですが、ときには暮らすように蔵前で過ごしてみるのはいかがでしょうか。東海エリアでも蔵前のようなスポットが増えていけばもっとワクワクするのではないかと感じました。
ライフデザインズでは家づくりに関する情報だけでなく、感度が上がるような場所やイベントのご紹介もしていきます。次回の記事もお楽しみに。