目次
愛知県三河湾、東幡豆漁港のさかな屋に嫁いで10年。たくさんのさかなと出会い、毎日様々な料理にチャレンジしています。そんなさかな屋の嫁の食卓をちょっと覗いてみませんか?その時期の旬のさかなを料理する中で出会った人や文化、愛用している道具や調味料など。皆さんのキッチンや食卓が少しでも明るくなるような情報をご紹介します!この食卓を見て「おさかな食べたいなぁ」って思ってもらえると嬉しいです。
さんま無しでは秋を楽しめない!
いろいろなさんま料理
「秋刀魚」と書いて「さんま」。名のごとく刃のような細長い形で、背は藍色、腹は銀白色で秋を代表する魚です。秋を表現する「季語」ともなっています。
産卵と食餌のために北方から南下してくる時期が秋だから、この時期のさんまは脂肪が多く栄養価も高い。
苦みのある「腹わた」もおいしいですよね!腹わたごと食べられる理由の一つにさんまには「胃がないから」と言われています。海面近くの表層を大きな群れをつくり、アミエビなどの小さな甲殻類やプランクトンなどを捕食し生息しているのですが、胃がないので短い腸の中で30分ほどという短い時間で消化&排泄するため内臓はきれいな状態。エビの「背わた」なんかジャリジャリで食べられませんもんね。そういった意味でさんまは、苦味が嫌でなければ内臓も余すことなく、また骨もゆっくり油で揚げれば骨せんべいとして食べられるので本当「丸ごと頂きます!」って感じですね。
栄養価も凄いですよ。
良質な「タンパク質」はもちろん、貧血防止に効果のある「 鉄分」、粘膜を丈夫にする「ビタミンA」、骨や歯に欠かせない「カルシウム」とその吸収を助ける「ビタミンD」も多く含んでいる。
脳によいとされている「DHA」には中性脂肪や悪玉コレステロールを減らす効果もある。
また赤ちゃんの脳の発育にも効果的とも言われている。栄養が豊富なさんまは、体系の気になる方、お子さんからお年寄り、閉経後の女性とまさに老若男女に効果的な万能の食材といえます。
サンマに付き物の大根おろしには、焼き魚のこげ部分の発ガン物質を分解する酵素(アミラーゼ)が含まれており合わせて食べるとまさに一石二鳥。今回はさまざまなさんま料理をご紹介いたしますね!
丸ごと塩して焼くだけ!
さんまの塩焼き
まずは、さんまだからこそできるまるごと塩焼き。内臓もそのまま焼いちゃいます。
軽く鱗をきいて、水洗いして残っている汚れを拭き取ったら、両面まんべんなく塩をふって15分ほどおく。この「塩して15分待つ」をする事で、臭みなくほどよい塩加減で焼きあげる事ができます。また、さんまの皮がグリル網にくっつきにくくなり、綺麗にやけるようになりますよ。
さんまの塩焼きポイント
①塩は両面にまんべんなくふり、少し手でなでてなじませる
②塩して15分待つ
③さかな焼きグリルはあらかじめ温めてから焼き始める
④グリルの火加減は「中火でじっくり」
⑤両面に焦げ目がつくまで焼く
腹わたを使って味噌ソースに。ちょっと変わったスタイルで塩焼きを楽しみたい時はこのソースをかけて召し上がってみてはどうですか?
腹わた味噌〜ス
・腹わた 2尾分
・酒 大さじ2
・みりん 大さじ1
・醤油 大さじ1
・味噌 大さじ½
・砂糖 小さじ½
腹わた以外の調味料すべてを鍋にいれて加熱し、腹わたに火が通り、少しとろりとしたらすり鉢でする。
大根おろしやしょうがのすりおろしを添えて。腹わた味噌〜スもお試しあれ!
残った塩焼きで2度楽しめる!
さんまのまぜご飯
炊き込みごはんだとわざわざ作るって感じですが、まぜご飯なら炊いた白ご飯と和えるだけなので簡単!さんまの塩焼きが残ったときにもオススメですよ。
さんまのまぜご飯 3〜4名分
・さんまの塩焼き 2尾
・ごはん 2合
・お好きな薬味(写真はネギ・生姜・みょうが)
・醤油 大さじ1
①さんまは骨や内臓を取り除き、食べやすい大きさにほぐす
②炊いたごはんに①とお好きな薬味と醤油を入れてまぜる
薬味がアクセントになってさっぱりいただけるまぜごはん。炊き込まないので簡単です。これをおにぎりにしたら「栄養抜群の贅沢おにぎり」の完成!
すっぽり取れる!簡単!感動!
さんまの内臓の取り方
3枚おろしや内臓を取り除いてさんまを調理する場合。
簡単な3ステップで、さんまの内臓をキレイに取る事ができますよ。
①さんまの頭部に切り込みを入れて骨を切っておく(切りすぎ注意)
②肛門の手前に切り込みを入れる
③頭部をゆっくり引っ張ると内臓がキレイに抜けます
キレイに内臓が抜けた瞬間。感動!ぜひ試してみてくださいね。