新型コロナウイルスによるリモートワーク実施や外出自粛の影響で、不安やストレスが強くなり生活リズムが乱れてしまっている人も増えているのではないでしょうか。
そこで今回は、北名古屋市にある枕専門メーカー「まくらのキタムラ」さんに、ぐっすり眠れる睡眠のポイントを教えていただきました。キタムラさんは、大正12年創業、約100年ものあいだ、睡眠と向き合ってきた「眠りのプロ」です!
前編では、リモートワークや外出自粛によって起こる不眠症の原因から、ぐっすり眠れる6つポイントまでたっぷりとご紹介していきます。
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よく眠れない原因とは??
– 在宅勤務や外出自粛が増え、よく眠れないという人が増えていますが、原因は何なのでしょうか?
主な原因としては、下記の4つです。
① 精神的なストレス(先行きの不安や自粛による鬱憤、生活環境の変化)
② 運動不足
③ 生活習慣の乱れ
④ 日光を浴びる時間の減少
原因① 精神的なストレス
これまで経験したことのない生活環境の変化は、私たちの心に大きな影響を与えていると思います。まず、生活習慣。日本では幼少期より朝から外へ出る習慣が根付いていますが、この生活スタイルが大きく変わりました。人によっては数十年続けてきた習慣が無くなるため、新しい生活に慣れるまでは身体的・精神的な負担を抱えることもあるでしょう。
もう1つは、変わってしまった日常への不安。意識しないというのも難しい状況ですが、雇用や生活について、感染について……何よりこの状況がいつまで続くのかわからない不安感の中、「生きる」という生存欲求を脅かされていることは大きなストレスだと思います。
原因② 運動不足
以前は、通勤・通学の際や、取引先への行き来、オフィス内での移動などで多少なりとも動いていましたが、在宅 ワークによって一日中座り続けていたり、外出を控えることで極度の運動不足になっていたりする方も多いと思います。普段から運動習慣がない人は、身体的な疲労がないことによって、うまく入眠できないことがあります。
原因③ 生活習慣の乱れ
体の中には「体内時計」といわれる身体のリズムを整える機能があり、睡眠のタイミングを決めるだけではなく、前もってホルモンの分泌や生理的な活動を調節し、睡眠に備えてくれます。通勤時間がなくなったり、家族との過ごし方で、今までと違う一日のサイクルになっていたりする人も多いかと思います。そのように生活習慣が変化すると、それらのリズムが崩れ、起床・就寝時間が乱れて睡眠の質が低下している可能性があります。
原因④ 日光を浴びる時間の減少
日光には先ほどの「体内時計」の調節を働きかける作用があります。会社に出勤する際には日光を浴びることができるため、自然とリズムをつくることができていました。しかし、家に居る時間が長くなったことで、意識しなければ光を浴びることが少なくなり、リズムが崩れて睡眠に影響を及ぼしています。
原因①〜原因④まで心当たりがある方も少なくないのではないでしょうか。ただ、このような状況では誰だってしょうがないと思います。なので、まずは、最近の自分のライフスタイルを振り返り、不眠の原因を知ることからはじめましょう。
よく眠るための6つのポイント
続いて、よく眠るためのポイントを教えていただきました。取り入れやすいものから、ぜひ実行してみてくださいね!
ポイント① 自分の不安の理由を見つけて、軽減する方法を探す
まずは、どんなことに不安があるのか、自分と向き合っていく時間を有効に使いましょう。
コロナへの不安には、まずは安心するために正しい情報を得ることが大切です。それにはお住まいの自治体による情報がよいようです。除菌対策や生活習慣の改善。また、雇用・生活の不安に対しては各種助成金についても、WEBサイトに随時細かくアップされています。
家族や友人に今抱えている不安や悩みを話してみるのもよいでしょう。特にひとりでいる時間が長くなる傾向にある今、人と会話する機会も減っているかと思います。休みの日や仕事の後には、友達同士のオンライン飲み会も意外と楽しめます。まずはゆるくやってみてはいかがでしょうか。
ポイント② 規則正しい生活の習慣を身につける
快眠は規則正しい睡眠習慣から、です。
起きる時間と布団に入る時間を決める、決まった時間に食事をとるなど、スケジュールを決めておくとよいでしょう。
趣味の時間をしっかりつくる、1人の時間をつくる、ご家族と相談して家事の分担を変えてみるなど、時間を決めて習慣化させることが大切です。
おいしいコーヒーや紅茶をいれる、クラシック音楽を聴くなど、基本的にポジティブな行動 を心がけましょう。ToDoと、ToDoNotをつくるのもよいし、それを誰かと共有するのもおすすめです。ただ、くれぐれも競うことがないように!あくまで、今の「自分らしい」朝の習慣を見つけることが目的。自分のペースで、いろいろ試行錯誤してみるよい期間と思って取り組んでみましょう。
ポイント③ 定期的な運動
良い睡眠を維持するためには、習慣的な運動が効果的!体への負担が少なく長続きする散歩 やジョギング、軽いストレッチなどがよいでしょう。
さらに運動を行うタイミングも大切です。一般的に、体温が低下するタイミングで眠りはじめると、快眠が得られやすくなります。そのため、就寝する数時間前の運動で体温を一度、上げておきましょう。効果的なのは夕方から夜、就寝の3時間くらい前です。就寝直前の運動は体を興奮させてしまい、逆に寝付けなくなるので避けましょう。
また朝の散歩もとても気持ちがいいものです。この機会に、ぜひ取り入れてみてください。なお、ランニングやウォーキングをするときは、感染症対策をしっかり行った上で取り組んでくださいね。
ポイント④ 仮眠をとる
仮眠を取り入れることは、これまで以上に大切です。会社内では仮眠をとることが難しかったかもしれませんが、在宅ワークなら我慢せずに必要に応じて10〜15分ほど仮眠を摂ってください。
ひと工夫としておすすめなのが、仮眠の前にカフェインを摂取する方法です。「え?」と思いますが、実はカフェインの覚醒効果は30分後にあらわれるため、目覚めがスッキリして、すぐに仕事に取りかかれます。部屋は暗くしてもかまいませんし、耳栓をしたり、リラックスミュージックを聴いたり、アイマスクなども場合 によって活用しましょう。ただし、 仮眠は、うっかり30分以上しないように気をつけてください。夜の睡眠に響きます。
ポイント⑤ 入浴で体温をあげる
運動以外にも、入浴で体温を上げると深い睡眠を得ることができます。就寝の2時間ほど前 に、38度のぬるめのお湯なら30分程度、42度の熱めのお湯なら5分ほどのお風呂に浸かりま しょう。額から汗が出るくらいが最適といわれています。
さらにリラックスして過ごすために、音楽を聴いたり、キャンドルをたいたり、雑誌や読書ができる環境をつくってみてはいかがでしょうか。
補足ですが、アルコールの摂取も気をつけましょう。睡眠に大きく影響をします。飲む量を 決めておくことをおすすめします。
ポイント⑥ 朝、太陽の光を浴びる
睡眠に大切な「メラトニン」というホルモンがあります。これは目覚めてから15~16時間 後に分泌されて、体温が低くなると次第に分泌量が増え、自然と眠気が起こるというホルモンです。日光は体内時計を調節する働きがあると書きましたが、朝に強い光を浴びることで「メ ラトニン」の分泌を停止させ、体内時計のリセットに効果的です。起床直後の光が最も効果的ですので、起きたらまずカーテンを開けて自然の光を部屋の中に取り込みましょう。 ときおり、二度寝したいときがあるかもしれません。そのときは、こうします。まず布団から出て、カーテンを開け、 ソファで10〜15分くらい思い切ってそれをやってしまいます。それならさほど影響はありません。気持ちよいですよ。
朝の光と反対で夜の光は体内時計を遅らせる力があり、夜が更けるほどその力は強くなります。家庭用の照明ほどの光でも、長時間浴びると、メラトニンの分泌が止まってしまいます。特に青白い光は分泌が抑制されてしまうので、蛍光灯やパソコン、スマートフォンのブルーライトはよくありません。夜はできるだけ青白く明るい光を控え、温かく柔らかい光の下で過ごすようにしましょう。
前編では「ぐっすり眠れる6つのポイント」をご紹介しました。後編では、よく眠るための環境とまくらを選ぶポイントについてお届けします!
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