リノベーションはスタイルではなくて、生き方、考え方。STORE IN FACTORY代表・原さんに聞いたリノベーションの本質とは
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目指すのは概念の提案
こうして現在では、資材の販売だけにとどまらず、「リノベーション」「結婚式のディレクション」「店舗デザイン」「ライブのセット」「イベントの空間演出」「家具のデザイン」と幅広く手がけています。
原さん:「一番最初の根本はヒストリーをつくったこと。少ないお金とたくさんの仲間。こうしたいという強い想い。圧倒的に信頼できるディレクター。僕はゼロから1は不得意だから、なにかきっかけがもらえれば形にしていくのは得意で、きっかけをもらえれば、この時代へのヒントがある気がしているんです。そういうのをやっていきたいですね。」

ウェディングの空間デザインも手がけられています。
原さん:「リノベーションはあくまでも商品なので、僕は概念を提案していきたい。だからイタコ作戦も仕事の仕方として面白いと思うんですよ。できるだけ相手になる。相手の気持ちになってっていうけど、どこまでがそうなのか。そこを透明にしていきたいですね。建築業界は僕からするとすごく違和感があるんです。
ブラックボックス化してることがたくさんあって、最初はみんな思うんですよ。おかしいなって、それが3年とかすると当たり前になる。僕はできなくて、わかんないものはずっとわかんない。僕たちがずるいのは材料屋さんなんで、これが住宅屋になるとあれだけど、僕らはどこの会社さんとも取引があって、ここで買わなくてもアンティークはどこでも買えるわけですから、うちで買う以上はそういう話をしていきたいなって思っていますね。」

イベントのための小屋の製作。

東京のゴーグリーンマーケットに出店したときの様子
原さん:「もっと自由な建築。そういうものをもっと目指していけたら楽しいのになって、去年自宅をリノベーションしたときにすごく感じたんです。僕らはビジュアルの面をすごく求められるわけだけど、そうじゃない。アンティークってガタガタしてるし、傷もあるし、めちゃくちゃ不便なんですよ。
どんな形をした家で、どんな配置でっていうのを求められるんだけど、僕としては、せっかく出会ったお客さんとは結果的には、どんな家に住むかより、その家でどう暮らしていくかを一緒につくっていきたいですね。例えば夫婦の関係性だったり、家族のあり方、核家族化することで失われたことってなんだったのかとか、感覚的に気づいてもらえるような。そこに気づいてもらえたら、うちのミッションとしてはやれたかなって思いますね。」