目次
深呼吸するとき
姿勢を整えたとき
何かに集中できたときただただ心地よさを感じます。
ヨガでそんな心地よさを味わってみませんか。
こんにちは。ヨガインストラクターの小西有子です。
ヨガをやってみたいけどきっかけがない、体が柔らかくないからできない、というお声をよく耳にします。コロナ禍で外出を自粛され、運動不足になっている方もいらっしゃるのでは。
興味はあるけど機会がなかった、なんとなく出来ずにいるという方にも、ぜひ知っていただきたいヨガの基本や、お家でもできる簡単ヨガをお伝えします。ヨガで心身を整えて、免疫力アップを目指しましょう。
ヨガの基本
古代より伝えられてきたヨガ、今ではひとつの健康法として認知さています。ダイエットや美容面でも効果が期待できると女性に人気、アスリートもヨガで心身を鍛えています。
ヨガをはじめるきっかけは人それぞれ、美容や健康、精神の安定など、いろいろありますよね。ヨガっぽいかっこいいポーズを取りたい!というのはよくあることだと思いますが、はたしてポーズを取ることがヨガの目的なのでしょうか。
ヨガの目的
本来、ヨガの目的は別のところにあります。
紀元前のインダス文明の中で生まれたといわれているヨガ、2〜4世紀ごろにパタンジャリというインドの哲学者が「ヨーガスートラ」という教本を出しています。この教本で、ヨガとは「心の作用の止滅」であると解かれています。わかりやすくいうと、「心をコントロールする」ということ。辛さや苦しみを手放し、穏やかな心の状態をつくっていこうというもの。ヨガとは、この教本にある「八支則」という8つのステップを踏んでの練習法のことなのです。
ヨガというとポーズをとるものと思われがち。ヨガのポーズのことを「アーサナ」といいますが、八支則において3つ目のステップ。アーサナは8つあるステップのうちのひとつなのです。
本来のヨガの目的は、考え方やアーサナ、呼吸法や瞑想などを経て、8つ目のステップにあたる悟りの境地「サマーディ」に向かうことなのです。悟りと聞くとなんだかとても難しいイメージですよね。
やわらかく言うと「心の穏やかな状態に戻ってこられる練習」がヨガなのでしょう。
その後もヨガは伝承され、たくさんの流派が生まれながら、現代の「呼吸法」「アーサナ」「瞑想」が組み合わされたヨガが広まっていきました。
ヨガを行うときに大切にしたい3つのこと
「呼吸」「アーサナ」「瞑想」
①「呼吸」
ヨガでは深い呼吸とともにポーズをとっていきます。基本的には「鼻呼吸」を「腹式呼吸」でおこないます。鼻呼吸は天然の空気清浄器と例えられており、ウイルスをブロックしたり、口の乾燥を防いでくれます。そして腹式呼吸によりたくさんの酸素を体内に取り込んでいきます。
サンスクリット語で「プラーナ」と言われる生命エネルギーを、呼吸することで体内に取り込む。プラーナを体の隅々に行き渡らせていくことで、活力を高めていくという考え方があります。
普段は無意識に行なっている呼吸ですが、コントロールできる自律神経とも言われています。気持ちが高ぶるときに荒い呼吸になったり、落ち着きたいときに深呼吸をした経験ってありますよね。呼吸と心は同調している、この関係性を知って、うまく呼吸を使えば心をコントロールできるとヨガの先人たちによって考えられたのです。
ヨガの呼吸法には、自律神経を整える効果が期待されています。意識とは別のところで働き続けている交感神経と副交感神経。吸う息が交感神経、吐く息が副交感神経に関係しています。活動的なときに交感神経が、リラックスしているときに副交感神経が優位になるので、リラックスしたいときには特に吐く息をゆったりと長く吐いていきましょう。
②「アーサナ」
アーサナという言葉自体には「座」の意味があり、もともと瞑想のための姿勢を表すものだったそう。アーサナは瞑想するための手段であって、「呼吸がしやすい姿勢」、「心身の緊張を和らげる座り方」であったのです。
それが現代では、さまざまなヨガのポーズとなりました。
普段私たちが親しんでいるヨガは、呼吸を意識し、筋力や柔軟性を養いながら、心身の健康を目指していくものとなっています。
ヨガでは人によって難しいと感じるアーサナがあります。でも、ヨガの呼吸法や本来のアーサナの意味を知ると、難易度の高いアーサナを取るために呼吸が止まるほど頑張るのって、ちょっと違いそうですね。
ヨーガスートラには、「アーサナは快適で安定したものでなければならない」とあります。そうなんです、アーサナを練習することは、難しいポーズの完成形を求めるだけのものではないのです。つい私たちはポーズを取れるのがかっこいいように思い頑張ってしまいがちですが、もっとゆったりと気持ちよく、のびのびするといいいのでは。だから呼吸もスムーズに入ってくるのです。
③「瞑想」
瞑想とは、「今、ここ」に意識を置くこと。自分の内側に集中すること。
人は過去が気になったり、この先に起こるかもしれないことを心配しがち。意識があちらこちらに行き来するため、不安定になりやすいそう。
瞑想で「今、ここ」に意識を置くことで、そんな不安定さから離れられる。頭も休まる。脳を休めることにより免疫機能を回復させたり、気持ちを落ち着けストレスを軽減させたり、瞑想にはそんな効果が期待できると言われています。ストレスが少ない方が、正しい判断ができますよね、アスリートやビジネスマンが取り入れるのもわかります。
電気やスマホの普及によって、考えることが多く、睡眠時間が短くなった現代人。心と体が休まる時間は少なくないですか?こんな時は、自律神経でいうと交感神経が優位になりやすいもの。瞑想をして、副交感神経を優位にする機会を持ってみるのもいいですよ。自律神経が整うと、心身が安定するでしょう。