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みなさんは、子どもたちにどんなおやつをあげたいですか?
おやつは間食とも言われ、補助的な食事であったり、生活の中の楽しみであったりもします。同じ食べるなら、栄養価が高くて、美味しくて、安全で安心できるものがいいですね。オーガニックのお菓子を探している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「まだ日本にない(2018年当時)、オーガニックのお菓子のブランドを作ろう!」と素材が見える自然のお菓子「Biokashi」をブランドとして立ち上げたのは、名古屋市にある「アルファフードスタッフ株式会社(以下、アルファフードスタッフ)」。素材がオーガニックなのはもちろん、アルファフードスタッフでは工場までオーガニック認証を受けているんですよ。
今回は、あと数年で創業100周年を迎えるアルファフードスタッフの歴史、国内ではまだ珍しいオーガニック工場の見学、素材の美味しさを詰め込んだ「Biokashi」とそのアレンジや楽しみ方などをたっぷりとお伝えしていきます。
もうすぐ創業100周年、
アルファフードスタッフの歴史
歴史のお話を聞かせてくださったのは、常務取締役の浅井紀洋さんです。
– アルファフードスタッフの歴史をお聞かせください。
浅井さん:「ルーツは砂糖屋です。1925年(大正14年)に、わたしの曽祖父が名古屋市西区で「浅井屋砂糖店」を創業、駄菓子メーカーに砂糖の卸をしていました。時代の背景に砂糖の需要が落ち着いてきたこともあり、1985年(昭和60年)には、当時はまだあまり流通していなかった国産小麦の流通に力を注ぎ始め、食の安心安全を追求する方向に大きく舵を切りました。」
浅井さん:その後、社名を「アルファフードスタッフ」に変更し、2006年(平成18年)には有機JAS認定を取得しオーガニックの小麦粉やドライフルーツ、ナッツの輸入を開始しました。米国でのオフィス開設などを経て、2016年(平成28年)には城北工場を新設。工場もオーガニック認証を受けています。こだわりの原料や商品を幅広く輸入・仕入れし、製造や販売を行なっていて、現在、国内仕入れはもちろん、海外では12か国から約140種類の有機商品を輸入しているんですよ。」
浅井さん:「現在は、オーガニック・国産・無添加などのこだわりの商品を、全国のスーパーやグローサリーストア・ECサイトなどに卸売りをしています。中でもおすすめしたいのが、2018年(平成30年)に販売を開始した「Biokashi(ビオカシ)」シリーズ。オーガニックの美味しいお菓子を身近な存在にしたいという思いから、このブランドが生まれました。」
– オーガニックにこだわる理由を教えてください。
浅井さん:「【私たちは「食」を通して環境と資源を考えます】が当社の理念です。人にも自然環境にもやさしい原材料の取り扱いを増やすことで、生態系への負担を減らしたいと考えています。オーガニックは安心安全ということだけにとどまらず、今全世界が取り組んでいるSDGsやサスティナビリティと密接に関わっていますよね。オーガニックをより普及していくことが当社の社会的責務だと思っています。
フードロス削減にも取り組んでいて、正規販売できない形が良くない素材などは訳あり業務用として販売、それにも適さないものは有機JAS認証の牛用飼料として牧場に届けているんですよ。量り売りもしており、フードロス削減や脱プラスチックにも取り組んでいます。」
オーガニックの多様な目標
1・化学農薬や化学肥料を使わず、環境の保全
2・添加物の低減やアレルギーのない生活を目指す
3・自然の動植物を守り、生物多様性の保全
4・適地適作、地産地消
5・フェアトレードなど、人を大切にする社会の実現
国内ではまだまだ数少ない
オーガニック工場を見学!
今回、特別に名古屋市北区にある城北工場を見学させてもらえることになりました。案内をしてくださったのは、工場長の岡田さんです。
オーガニック認証工場の最大の特徴は、オーガニックとそうでない一般品が絶対に混ざらないようにすること。加工ラインで問題があった場合に、細かく追跡できるような対策もしているそう。
有機なので、防腐剤などの添加物を使っているものとは違って、品質の保持には最大限の手間をかけているのだとか。工場では、万が一のミスもあってはならないと、あらゆるところで「見える化」が取り入れられています。
1・原料の受け入れと保管では、温度管理にとことん気をつけています
国内外各地から到着した荷物がこちらに運び込まれてきます。物の流れとともに見ていきましょう。
見える化!ミスが出ないように、原料や資材の受入れ手順についての指示が壁に貼られていて、いつでも確認できるようになっています。
トラックで運ばれてきたものは、まずこちらの第2定温保管室で保管されます。たっぷり時間をかけて、原料の品温調整をします。
次に少しだけ温度が高い第1定温保管室で保管されます。
続いては、二階三階の加工フロアへ。原料の残りや使用した包材の残りも、有機品、一般品が区別して保管されています。
2・検品は、手間を惜しまず、ひとつひとつ人の目で
作業場に入る前の手洗いや身支度も見える化!もれなく準備ができます。
更に、クリーンルームに入る人は、再度の手洗いや、エアシャワーも。
なんと、検品は一粒一粒手作業で。ここまで品質管理が徹底されているんです。
イチジクはカットしながら中を検品。カットしないデーツは、ひとつひとつピンセットを刺して検品をしています。
3・リパックも、ていねいに手作業で
リパックも人の手で行われます。とことん仕事がていねいです。
そうして出来上がった商品も、人の目でパッキン状態をていねいに確認。
コミュニケーションが取れる状況を大切にされていました。記録を残し、きっちり最終確認を行います。
4・梱包後、心を込めて出荷します
リパックされた商品はていねいに梱包された後、一階の温度管理がされている倉庫で出荷を待ちます。
今回、オーガニック認証工場を初めて見学して、これほどまでに品質管理が徹底されていることにおどろきました。毎年、オーガニック認証の監査が入るそうですよ。
岡田さん:「オーガニックの場合、農薬や化学肥料を使っていない分、品質の管理には十分すぎるくらい気をつけないといけないんです。そこにはそれなりのコストが発生するもの。これまで、オーガニックというとコストがかかるからと、世間に受け入れられなかった時期もありました。でも、全世界がSDGsに取り組んでいる今はチャンスだと思っています。
地球の自然環境を守るために農薬や化学肥料を減らす、そうすることで地力が回復し、地力を生かした有機農業が増える。農薬や化学肥料の使用が減っていけば、これらの生産が減り、CO2の削減に繋がるということを、多くの人に知ってもらいたい。オーガニックライフを取り入れることで自分も家族も健康になり、環境の改善など、社会にも貢献ができる。そうすることで、みんなが幸せに暮らしていけるんだということを知ってもらえると、我々のこの手間のかかる作業も頑張れるものです。」