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近年大人気の御朱印(ごしゅいん)集め。御朱印を集める若い女性「御朱印ガール」も急上昇しており、ひそかなブームとなっています。また一字一字ていねいに書き上げられた御朱印は、一度集めはじめると虜になってしまう方も多いのだとか。
今回は、愛知県犬山市で御朱印巡りに行ってきました。三光稲荷神社・針綱神社・犬山城の3箇所をご紹介します。
御朱印とは?
御朱印の歴史は、お寺のお経を写した「写経」を納めた証として授けられるものがはじまりとされています。また、訪れた寺社と「御縁」が結ばれた証ともされています。
単に印を押すだけでなく朱で押した印と御本尊名や社名などが墨書きされています。シンプルなものから、筆で達筆に書かれた迫力があるもの、かわいいスタンプを押したものや寺社ゆかりのしるしが入るものなど個性豊かでバラエティに富んでいます。
御朱印は極楽浄土へのパスポート
以前は地味な印象だった御朱印帳や御朱印も寺社ごとに色とりどりなものや豊富なデザインが増えていますよね。若い世代もはじめやすくなっています。
実は知らない方も多いのが、集めた御朱印をどうするのか?ということです。御朱印の役目は自分の死後、棺に一緒に収めてもらうことで果たされるんです。
死後の世界は誰も見たことがありませんが、十人の王に裁かれ、最後は閻魔大王によって極楽浄土と地獄、どちらに送られるかを裁かれるとされています。そこで役立つのが、この御朱印です!
御朱印を見せることで、生前に積み重ねてきた修行が閻魔大王に認められ、極楽浄土へ送っていただけるかもしれません。ですので、集めた御朱印は神棚や仏壇へ置いて大切に保管しましょう。もしなければ、家の中の高くて清潔な場所に置いておくといいそうです。
犬山城主成瀬家の守護神
「三光稲荷神社」
まずは、城山の麓に位置する歴史ある神社「三光稲荷神社」にやってきました。
三光稲荷神社(さんこういなりじんじゃ)は、江戸時代から代々犬山城の城主をつとめた成瀬家が犬山城の守護として崇敬してきました。犬山城のすぐ真下に位置し、地元犬山でも親しまれている神社です。
伝承によれば、天正14年に犬山城内の三狐寺山に創建され、昭和39年10月に現在の地に移築されました。
三光稲荷神社の参道は犬山城への近道でもあるので、平日でも多くの方が足を運ばれていました。
まずは参道左手にある猿田彦神社にてお参り。
猿田彦は、天孫降臨の神が天降るときに宮崎県の高千穂まで道案内をした神さまであると伝えられていることから、「道開き」「開運の神さま」といわれています。
三光稲荷神社のご祭神は「宇迦御魂大神(うかのみたまのおおかみ)」「猿田彦大神(さるたひこおおかみ)」「大宮女大神(おおみやのめのおおかみ)」。
家内安全・商売繁盛・土地家屋清祓い・交通安全・夫婦和合・縁結びなど、全国各地の稲荷神社と同じご利益があるとされています。
三光稲荷神社の御朱印は、拝殿向かって左の授与所でいただけます。猿田彦神社の御朱印もこちらで一緒に頂けますよ(初穂料は二社で500円)。
三光稲荷神社では、オリジナルの御朱印帳も授かりました(初穂料は1,000円)。犬山城と赤い鳥居のデザインがほどこされ、裏側には三光稲荷神社と猿田彦神社の社名も入っています。
ハートの絵馬に願いをこめて『姫亀(ひめき)神社』
三光稲荷神社といえば、ハートの絵馬が有名ですよね。
三光稲荷神社の境内社、姫亀(ひめき)神社は、男女良縁結び・家内円満・夫婦和合の御利益があるとされています。縁結びを願って、たくさんの女性たちが訪れていました。
お祀りされているのは「大宮女大神(オオミヤノメノオオカミ)」。天孫降臨のとき「猿田彦(さるたひこ)大神」と出逢い、のちに夫婦になったという伝説があります。
可愛らしい恋みくじは、着物の柄や表情がひとつひとつ異なります。恋愛成就のお守りでもあるので、おみくじをひいた後は持ち帰って財布などに入れて持ち歩くと良いそうですよ。
うれしい倍返し?!「銭洗稲荷神社の銭洗い池」
三光稲荷神社は、別名「倍返し神社」と言われています。
その由来は、境内にある銭洗稲荷神社の銭洗い池のご神水でお金を洗うと何倍にもなって返ってくると言われていることから。清浄の福銭を持っていると、一家繁盛・子孫長久になると伝えられております。
せっかくなので、銭洗いに挑戦してみました。
社務所でお金を納め、専用のざるを借り、ろうそくをいただきます(初穂料は100円)。
まずは、ろうそくを燭台に献灯します。
ざるにお金を入れ、銭洗池のご神水にて清めましょう。お金だけでなく、宝くじや財宝でも良いとされています。実際に宝くじの高額当選者も出たという報告もあるのだとか!
お金を拭くタオルが用意されているので、お札を清めたいという方もご安心を。
持ち上げて軽く感じれば願いが叶う「おもかる石」
拝殿の右側には「おもかる石」が置かれています。
目を閉じて願いごとを思い浮かべながら石を持ち上げ、軽く感じれば願いが叶い、重く感じれば叶わないと言われています。
どんな願いごとをしたかは秘密ですが、筆者はすっと持ち上げることができました。叶いますように。
【三光稲荷神社】
住所 :愛知県犬山市犬山北古券41-1
電話番号 :0568-61-0702
尾張五社の一社「針綱神社」
続いては、「三光稲荷神社」のお隣に位置する「針綱神社」へ。
針綱神社は、織田信長の叔父であり犬山城を築城した織田信康が安産・延命・長寿を祈願して手彫りの狛犬一対を奉納したことから、安産祈願・延命長寿のご利益があるといわれています。戌の日に安産祈願をすると良いのだとか。
第二、第三の鳥居をくぐり、大階段をのぼり拝殿へむかいます。
主祭神は尾治針名根連命(おわりはりなねむらじのみこと)。創建年は不明ですが、延喜式に記載されていることから、1000年以上この犬山の地に鎮座しています。
春の犬山の風物詩、絢爛豪華な車山(やま)で有名な「犬山祭」は針綱神社の御例祭です。
本殿西側にお祀りしている御神馬は、子供の守り神、子育てのご神馬さまと親しまれ、お供えした豆を頂くと歯ぎしり、ひきつけが治ると伝えられています。
御朱印は、拝殿向かって左の授与所でいただけます(初穂料300円)。
針綱神社でもオリジナルの御朱印帳がいただけますよ(初穂料は朱印料を含み1,500円)。犬山城と犬山の山車がデザインされています。
境内にはこんな可愛らしいおみくじも(初穂料は300円)。
枝に結びつけると、まるで満開の桜の木のよう。
針綱神社と三光稲荷神社は隣同士なので、ぜひ合わせて参拝してみてくださいね。
【針綱神社】
住所 :愛知県犬山市大字犬山字北古券65-1
電話番号 :0568-61-0180
国宝「犬山城」の御城印
最後に、国宝天守で日本100名城にも認定されている「犬山城」へ行ってみましょう。犬山城でも「御城印(お城版の御朱印)」があり、令和元年の5月1日から頒布開始になりました。
「御城印」とは、 半紙(和紙)に城名やゆかりある城主の家紋や花押などの印を押したもの。全国の200箇所以上のお城でいただけます。
犬山城の御城印ですが、犬山城では配布していないので注意です!お城ではなく、犬山神社にある犬山城前観光案内所でいただけます。
こちらが犬山城の御城印(1枚300円)。
用紙には美濃和紙を使用しており、「国宝犬山城」の文字は地元の書家・松浦白碩先生による揮毫とのこと。徳川家の三つ葉葵紋のほか、織田家・豊臣家・成瀬家の家紋がデザインされています。
今回は、三光稲荷神社・針綱神社・犬山城の3箇所をご紹介しましたが、犬山の7箇所の寺社をめぐる「犬山七福めぐり」も開催されているので、ぜひチェックしてみてくださいね。