名古屋・松坂屋美術館で開催中の「ムーミン展　THE ART AND THE STORY」に行ってきました。

2019年12月7日（土）から名古屋で開催されている「ムーミン展　THE ART AND THE STORY」に行ってきました。見応えたっぷりの展覧会でしたので、みどころをピックアップしてご紹介していきます！

フィンランドを代表する芸術家トーベ・ヤンソン（1914-2001）の生み出した「ムーミン」の物語とアートの魅力を約500点展示。フィンランドにある「ムーミン美術館」とムーミンキャラクターズ社のコレクションから、小説、絵本の原画やフィギュアなどが展示されています。2019年の日本とフィンランドの外交関係樹立100周年を記念する企画展示も見どころです。

本展は、松坂屋名古屋店・南館7階にある「松坂屋美術館」で開催されています。国内外の絵画や博物、工芸、アニメーションなど幅広いジャンルの展覧会を数多く開催しています。ショッピングとともに気軽に立ち寄れる美術館です。

ムーミン展の入口では、『たのしいムーミン一家』の表紙絵拡大複製展示が出迎えてくれました。これは、フィンランドにあるムーミン美術館のメインビジュアルでもあります。

本展は、全7章でトーベ・ヤンソンの生み出した「ムーミン」の物語とアートの魅力に迫っていきます。

1章　ムーミン谷の物語
2章　ムーミンの誕生
3章　トーベ・ヤンソンの創作の場所
4章　絵本になったムーミン
5章　本の世界を飛び出したムーミン
6章　舞台になったムーミン
7章　日本とトーベとムーミン

※会場内は撮影禁止です。

1章　ムーミン谷の物語

「ムーミン谷の冬」より　トーベ・ヤンソン　1957年Förlaget社

1章では、ムーミン谷の物語が挿絵とともに紹介されています。

風刺画の片隅に作者の分身として登場させた小さな生きもの。トーベ・ヤンソンは、この生きものにムーミントロールと名付け、戦時中に一種の逃避として書きはじめた物語の主人公にしました。これがムーミンの物語第1作となる『小さなトロールと大きな洪水』です。ムーミンの物語は、全9冊が四半世紀をかけて刊行されました。

1945年　『小さなトロールと大きな洪水』
1946年　『ムーミン谷の彗星』
1948年　『たのしいムーミン一家』
1948年　『ムーミンパパの思い出』
1954年　『ムーミン谷の夏まつり』
1957年　『ムーミン谷の冬』
1962年　『ムーミン谷の仲間たち』
1965年　『ムーミンパパ海へいく』
1970年　『ムーミン谷の十一月』

スクラッチ画法やデッサン風の大胆な線画といった作品ごとの変化は、アートとしての見ごたえがあります。

2章　ムーミンの誕生

2章では、ムーミンの誕生のふたつの起源が紹介されています。鼻の大きな生きものは1930〜40年代の水彩画にも黒い姿で登場しますが、やがて体の色を白に変えて、トーベや母・シグネが表紙や挿絵を手がけた、スウェーデン語系フィンランド人による風刺雑誌「ガルム」のイラストの片隅にも現れるようになります。

この章では、「ガルム」と「ルシフェル」に掲載されたトーベの作品が紹介されています。「どこにムーミンがいるかな？」と、探すのが楽しかったです。

3章　トーベ・ヤンソンの創作の場所

1944年、戦争が終結する直前にトーベは念願だった自分だけのアトリエを手に入れます。またアトリエと並んで創作のための大切な場所となったのは、フィンランド南部に浮かぶクルーブ島です。

3章では、こうした創作の場所とそこに残されていたスケッチ・小説の表紙・挿絵の仕事などが紹介されています。

トーベが夢中になった立体模型作品などもありましたよ。