伊藤沙莉さんが主演を務める話題のNHK連続テレビ小説『虎に翼』。東京をモデルにしたドラマですが、鶴舞公園の「噴水塔」や「市政資料館」など愛知県の多くのスポットがロケとして使われているんです!
そこで今回は、愛知県内の『虎に翼』のロケ地をご紹介します。
ぜひ参考にしながら、巡ってみてくださいね。
目次
『虎に翼』はどんなドラマ?
2024年度前期NHK連続テレビ小説『虎に翼』は、伊藤沙莉さんが演じる情熱あふれるヒロイン・寅子が繰り広げる、極上のリーガルエンターテインメント。寅子とその仲間たちが、困難な時代に道なき道を切り開き、迷える子供や追いつめられた女性たちを救っていく姿を描いています。
モデルになったのは、日本史上初めて法曹の世界に飛び込んだ、三淵嘉子さん。一人の女性の実話に基づくオリジナルストーリーです。
脚本は、“チェリまほ”の愛称で親しまれている「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」(テレビ東京)や「よるドラ『恋せぬふたり』」(NHK)などを手掛けた吉田恵里香さん。
主題歌「さよーならまたいつか!」は米津玄師さんが、ナレーションは俳優の尾野真千子さんが担当されています。
『虎に翼』ロケ地①
鶴舞公園
設定:日比谷公園
東京地裁前の「日比谷公園」として、初回放送冒頭から毎話必ずと言っていいほど登場しているのが、「鶴舞公園」の噴水塔です。
『虎に翼』で登場する噴水塔は、鶴舞公園の正面入り口をまっすぐ突き進んだ先にあります。第一回の放送では、戦後の痛々しい爪痕が残る背景として登場していました。
放送を初回から観ていた筆者は「ここは!!」とテンションがあがりました。
その後もドラマでは幾度となく噴水塔が登場します。寅子と花岡さんが待ち合わせをする場面、デートの帰りに握手を交わす場面でも、この噴水塔が印象的に使われていました。
噴水塔は、明治43年(1910)、鶴舞公園を会場にして行われた博覧会のシンボルとして鈴木禎次の設計によって造られたものです。
ヨーロッパの建造物のようなモダンなデザインは、古代ギリシア初期の様式であるドリス式の列柱を採用。水は最上部まで揚げて、8本の突起部から自然に流れ落ちます。
噴水の後方には「名古屋市公会堂」も少しだけ登場しています。
第1回目の放送では、寅子が噴水塔を通り、桂場等一郎(松山ケンイチ)がいるこの建物へと入っていくシーンで登場していました。
名古屋市公会堂は、昭和5年に昭和天皇のご成婚記念事業で建てられ、今も開館当時の姿をそのままに残しています。現在では、国の有形文化財(建造物)に登録されています。
【鶴舞公園】
住所 :愛知県名古屋市昭和区鶴舞1丁目1
営業時間:24時間営業
電話番号:052-733-8340
https://tsurumapark.info/
『虎に翼』ロケ地②
名古屋市役所本庁舎
設定:明律大学の廊下&司法省の中廊下
寅子が通う大学校舎の廊下として、司法省の中廊下として使用されているのが「名古屋市役所本庁舎」です。
1階正面階段・北側廊下は、寅子学生たちが行きかう明律大学の廊下&本校舎として登場します。名古屋市役所の中で一番長い廊下で、時代に合わせるため美術担当者が照明まで細部に調整して撮影されたのだとか。
2階の中央廊下は、司法省の中廊下として活用されました。寅子を演じる伊藤沙莉さんはじめ、桂場等一郎役の松山ケンイチさんなど豪華俳優が撮影のため訪れています。
また、第6週の高等試験場面は3箇所でロケされた映像を自然に繋げてます。試験会場である司法省の外観は「霞が関の法務省旧本館」、会場への廊下は「名古屋市役所本庁舎(中央廊下)」、試験会場は「港区立郷土歴史館」です。
印象的な場面だったので覚えている方も多いのではないでしょうか。
名古屋市役所本庁舎は、西洋的な建築様式に日本的な要素を取り入れた昭和初期の歴史的建造物です。
名古屋ロケの聖地として三谷幸喜原作・脚本「笑の大学」(2004年)を皮切りに、「SP革命編」(2011年・映画)や「VIVANT」(2023年・TBSテレビ 日曜劇場)などさまざまな映画やドラマで使用されいます。
▼詳しくはこちら
https://www.nagoya-info.jp/location/search/detail/4/
『虎に翼』ロケ地③
名古屋市市政資料館
設定:東京地方裁判所
ロケ地の中でも『虎に翼』の聖地として話題になっているのが、愛知県名古屋市東区白壁一丁目にある「名古屋市市政資料館」。「名古屋控訴院地方裁判所区裁判所庁舎」として、1922年(大正11年)に建設された建物です。
女性裁判官として三淵嘉子さんが3年ほど実際に勤務していた場所でもあるんです。
ドラマでは「東京地方裁判所」として初回放送から何度も登場しており、印象的な建物から、視聴者にもすっかりお馴染みの建物です。
美しいネオバロック様式の建物は、国の重要文化財に指定されています。
建物内部の中央階段室は、ネオバロック様式の特徴が最もよく表れています。左右対称のつくり、2階から3階までが吹き抜けになっていること、そして茶色と黄色のツートンの化粧柱がずらりと並んでおり、格式の高さが伺えます。
また、正面のステンドグラスには、公正な裁判を意味する天秤(てんびん)の絵が描かれており、この建物が裁判所であったことの名残が感じられます。
明律大学の女子学生たちが裁判を眺望した際に、みんなで降りていたシーンはまさに、この角度。
こちらは、甘党の桂場さんこと、松山ケンイチさんがお団子を食べ損ねた裁判所の中庭テラス。
ほかにも、館内には、三淵嘉子さんの紹介パネルや、出演者たちのサインや戦前に弁護士が着用していた実物の法服も展示されています。
市政資料館は、もともと控訴院であったことから、明治憲法下の法廷・陪審法廷・現行憲法下の法廷の再現をするとともに、司法制度の歴史も学べます。
本当にドラマの世界に迷い込んだような気分が体感できるので、ドラマファンにはたまりません。
司法制度の歴史についても学んでみてくださいね。
市政資料館には、喫茶室も併設されています。場所は、中央階段の左側。小倉トーストやサンドイッチなどの軽食も人気です。
【名古屋市市政資料館】
住所 :〒461-0011名古屋市東区白壁一丁目3番地
開館時間:9:00〜17:00
入館料 :無料
休館日 :月曜日(休日の場合は直後の平日)第3木曜日(休日の場合は第4木曜日)
12月29日から1月3日
http://www.city.nagoya.jp/shisei/category/52-7-4-0-0-0-0-0-0-0.html
『虎に翼』ロケ地④
博物館 明治村
愛知県犬山市にある野外博物館・テーマパーク「博物館 明治村」。本物の明治建築を保存展示している明治村では、4ヶ所がロケ地として使用されています。
明治村は朝ドラの聖地でもあり、『ごちそうさん』や『花子とアン』『まんぷく』『半分青い。』など歴代のドラマでも、さまざまな場所がロケ地として使用されています。
内閣文庫
設定:帝都銀行の外観
『虎に翼』の初回放送から登場する、寅子の父・直言と下宿人の優三が働いている帝都銀行のシーンは、明治村の5丁目にある「内閣文庫」で撮影されています。
内閣文庫は明治6年(1873)に赤坂離宮内に「太政官文庫」という名称で設立された明治政府の図書館です。
この建物の設計を手がけたのは、大熊喜邦氏。後に国会議事堂の建設も指揮しています。建物はルネッサンス様式を取り入れ、石と煉瓦で建てられています(移築時に鉄筋コンクリート構造に変更)。正面には4本の円柱と2本の角柱が巨大なペディメントを支え、その外観は古代ギリシャ・ローマの神殿建築を思わせます。
ドラマでの背景の建物は CG合成されたもののようです。
三重県庁舎
設定:帝都銀行の内観
帝都銀行の内部シーンとして使用されているのは、明治村1丁目にある「三重県庁舎」の2階中央部です。この建物は明治9年(1876)に建てられ、内務省庁舎を模したもので、明治初期の木造官庁舎の典型的な建物です。
ドラマでは、寅子の父、直言と旦那の優三が働いてるシーンがここで撮影されました。現存する最古の県庁舎として、重要文化財に指定されています。
ちなみに、三重県庁舎は永野芽郁が主演を務めたNHK連続テレビ小説『半分、青い。』でも使われています。主人公の初デートシーンとして登場しますよ。
北里研究所本館・医学館
設定:寅子が通う女学校の外観・内観
主人公・猪爪寅子が通う女学校の外観シーンでは「北里研究所本館・医学館」が使われています。また、寅子の兄・直道が窓から落ちてきたバケツの水を受けた場所でもあります。
水をかけられても笑顔で大丈夫!と輝いていた直道に花江ちゃんが一目惚れしたシーンでもこの建物が登場していました。
北里研究所は、ドイツでロベルト・コッホに師事し、細菌学を研究した北里柴三郎博士が伝染病の研究所として設立したものです。この建物は、博士自身が学んだ研究所に倣い、ドイツ・バロック風を基調とした設計になっており、特徴的な腰折れ屋根やドーマー窓が見られます。
また、細部には幾何学をモチーフとしたデザインが施されており、新しい時代のデザインの影響も感じられる建築です。
中に入ると、階段が現れます。
この階段もドラマで使用されていましたね!
実はこの建物はNHK連続テレビ小説『花子とアン』でヒロイン・安東はなが入学した修和女学校の校舎としても使われていたんです。
見覚えがある!という方もいるのではないでしょうか。
ロケ地ではありませんが、村内にある「三重県尋常師範学校・蔵持小学校」では懐かしい小学校の教室が再現されています。
椅子に腰をかければ、生徒になった気分も味わえるので、ぜひ合わせてチェックしてみてくださいね。
日本赤十字社中央病院病棟
設定:寅子の夫・優三が復員を待つ収容所の病室
寅子の夫・優三が入院していた病院のシーンは、「日本赤十字社中央病院病棟」で撮影されました。
この建物は昭和49年(1974)に病院を立て直す際、9棟のうちの一棟が博物館明治村に移築され、現在も登録有形文化財として展示保存されています。
設計は赤坂離宮と同じ宮内省技師・片山東熊氏。ドイツのハイデルベルク大学病院を模したうつくしい建物であり、当時の最先端の病院機能を備えていました。
明治村はロケ地としてだけでなく、歴史的建造物の保存や展示を通じて日本の近代建築文化を学ぶことができる貴重な場所です。
季節ごとのイベントや展示も充実しているので、ぜひ訪れてみてくださいね。
【博物館明治村】
住所 :愛知県犬山市字内山1番地
営業時間:公式Webサイトにてご確認ください
定休日 :公式Webサイトにてご確認ください
http://www.meijimura.com/
今回は愛知県内の『虎に翼』のロケ地をご紹介しました。作品をきっかけに、普段訪れる機会のない場所にも足を運んでみてはいかがでしょう。
ドラマはまだ9月まで続きます。今後どんな場所が登場するのかも楽しみです。