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ここ数年、レトロでおしゃれな写真が撮れると人気が高まっているフィルムカメラ。しかし、「メーカーや種類も多く、どのカメラを選べばいいのか分からない!」といった声も多く聞きます。
今年こそはフィルムカメラをはじめてみたい、そこのあなたにおすすめのフィルムカメラをご紹介いたします。
今回、編集部が訪れたのは、1904年(明治37年)創業の老舗カメラ店「松屋カメラ」。名古屋市営地下鉄「今池」駅11番出口を上がってすぐの場所に店舗はあります。
創業以来、カメラを持つ楽しさを教えてくれるとあって、初心者〜マニアの方まで幅広い層に支持されています。
店内にはライカ・ニコン・キヤノンなど、クラシック名機や中古カメラ、最新のデジタルカメラまで、幅広くそろっています。
価格帯も幅広く、名品から初心者でも安心な1万円以内で買えるものもありますよ。
証明写真撮影や中古カメラの下取り、現像、修理まで幅広く対応していただけます。
はじまりは「写真館」から
今回編集部にカメラについて教えてくださるのは、専務取締役の松谷常弘さん。新聞社を退職後、松屋カメラへ入社。カメラマンとしての経験を活かして的確なアドバイスをしてくださいます。
はじめに同店の歴史についてお聞きしました。
松谷さん:「松屋カメラは私の曽祖父が明治37年に「松谷写真館」として栄の住吉町に創業したのがはじまりと聞いています。当時のカメラは、今のように気軽に手に入るものではありません。写真を撮るときは、写真館へ行くのが当たり前の時代。加えて成人式や卒業式、結婚写真など、人生の節目に撮影する特別なものだったんです。
昭和に入ると撮ってもらう写真から、カメラで写真を撮る時代に移っていきます。その後、昭和9年にのれん分けをして、祖父が現在の場所に写真機材の小売店「松屋写真機店」を開業しました。「松屋カメラ」へ商号変更をしたのは、昭和43年のことです。」
松谷さん:「戦後になると、カメラは一般の家庭にも普及されるようになっていきます。1970年代には一家に一台はカメラを所有するようになり、白黒からカラー写真が主流に。この時代になると各メーカーがこぞって、さまざまなカメラを発売していったんですね。
2000年代にはデジタルカメラが普及したことで、よりカメラが身近な存在へ。そして現在ではスマートフォンの普及によって、いつでもどこでも写真を撮れるようになりましたよね。フィルムカメラの生産は今ではほとんど終了しており、市場に出回っているものは中古カメラばかりです。
松屋カメラも時代とともに、形を少しずつ変えていき、今では中古カメラをメインに商品を扱っています。」
フィルムカメラの魅力とは
松谷さん:「デジタルカメラも中古はありますが、探しにくるお客さんはほとんどがフィルムカメラですね。フィルムカメラの魅力というのは、手間を楽しみ、長く愛用できることだと思うんです。操作はすべてマニュアルですし、フィルムにも枚数が決まっています。デジタルのように好きなだけシャッターも切れない、失敗してもすぐには消せません。
現像するにもお金がかかり、失敗した写真もしっかりと手元にやってきます(笑)。だからこそ1回1回のシャッターに重みがありますし、本当に撮りたいものをよく見ようって思うんです。」
松谷さん:「また現像してできあがった写真を見て、思うようなものが撮れなければ、原因を考えて、フィルムやISO、絞りを変えて撮影する。納得がいくまで挑戦すれば、少しずつ満足のいく写真が撮れるようになっていきます。またデジタルよりも仕組みが単純なものが多いので修理がしやすいのもいいところです。
長く愛着を持って付き合っていけるので、趣味としてカメラを楽しむためにはフィルムカメラは最高だと思いますよ。」