鈴鹿市北部、伊勢湾からの潮風が心地よい箕田エリアに2019年1月オープンした「midaginza(ミダギンザ)」。敷地内にコンテナタイプの“ちょっと気になる”花屋さんや雑貨屋さん、期間限定の飲食スペースが店舗を構えているというユニークなスポットです。
オーナーは花屋さんの「Adii ezu(アディ エズ)」店主、光安七美さん。鈴鹿市役所近くに小さなお店を構えていましたが、新たな展開として他の店舗にも声をかけて「midaginza」をオープンしました。
光安さん:「海沿いの素敵な場所が見つかったのがきっかけです。色々なお店があれば、足を運んでいただいた方に、より楽しんでいただけるんじゃないかと思って。」
現在は花屋さんの「Adii ezu」と雑貨屋さんの「CARAVÅN」が常設店としてオープン。期間限定でスイーツのお店やコーヒーショップなど、飲食のお店も開いています。
センス抜群。“お気に入りの一輪”に出会える花屋さん「Adii ezu」
「midaginza」の向かって左手、シックな色合いの店舗が光安さんが手がける花屋「Adii ezu」。シックなトーンに抑えられた店内は、1本1本が個性を際立たせながら、それでいて統一感の感じられる空間。
バンクシアやリューカデンドロン、ユーカリといった「ネイティブフラワー」のジャンルに数えられる花々も存在感を放っています。
「自分の感覚で気に入ったものを揃えているんです」という光安さんがセレクトした個性的な草花が並ぶ店内。
光安さん:「花屋さんって特に目的がないと入りづらい方もみえるかもしれませんが、気軽に訪れて1本から選んでいただきやすいお店でありたいと思っています。」
お客さまには気に入った花があれば、気軽に手に取ってもらいたいとのこと。
お客さまにはゆっくりと店内を見てもらえるようにと、特にこちらから声かけはしないといいますが、どんな花を選んでいいかわからないというご相談を受けることも。
光安さん:「日持ちの良さや日数による変化といったそれぞれの花の特徴をご説明したり、お持ちの花瓶に合わせて1本でも飾りやすいものをご提案したり。その方の雰囲気を拝見して、“このお花はどうですか”と、お好みに合いそうなものをご覧になっていただくこともあります。」
旬の花や枝ものを束ねた壁飾りのSWAGやウエディングブーケのオーダーを受けることも。「Adii ezu」の世界観に彩られたSWAGやブーケは、選んだ人のセンスを際立たせてくれることでしょう。
週に2回、花市場へ足を運んで、四季折々の草花を見繕う光安さん。1種類の花を多く揃えることはないので、ラインアップはそのたびに変化していきます。
光安さん:「訪れていただくたびに新しい花と出会って楽しんでいただければと思っています。」
自分が気に入ったものだけを置くお店ならではの“悩み”もあるとか。
光安さん:「すごく気に入った花と出会ったときには、ずっとここにいて欲しいなと思って。残らずお客さまのもとへ旅立ってしまうと、少し寂しい気分になるときもあります(笑)」
寂しい思いをさせてしまうのは申し訳ありませんが、折々に訪れて、お気に入りの草花に出会いたくなります。
日常の中に新鮮な感覚を取り入れられる一品に出会える雑貨屋さん「CARAVÅN」
「Adii ezu」の向かいにあるのが、雑貨屋さんの「CARAVÅN」。「midaginza」をお洒落なお店が揃う場所にしていきたいという光安さんの思いを受けて、2019年10月からこの場所に店舗を構えています。
明るい陽射しの差し込む店内には、食器や文房具をはじめ、店主の青井美帆さんが海外の国々を訪れて見つけた個性的な日用品の数々が並んでいます。
青井さん:「ジャンルは問わず揃えています。その国では日常的に使われているものでも、自分にとってはすごく新鮮に映るものもあって。そういう雑貨に出会えるお店を開くことができたらと思っていたんです。」
目を惹かれたのは、台湾製のバスケットや店内に架かったペンダントライトの傘。シンプルなデザインの中にアジアの香りが漂い、どこか懐かしさを感じさせてくれます。
青井さん:「海外でふらりと立ち寄ったお店で、土鍋や湯呑み、花瓶など、昔の時代から使われていた品物や、その国の香りが漂う日用品に味わいを感じて、選ぶことも多いですね。」
そんな青井さんの感性に共通するセンスを持ったお客さんは、店内に足を踏み入れた途端、心躍る感覚を味わうことも多いといいます。
壁際に架かった黒のワンピースと白いシャツは「CARAVÅN」オリジナルの服。「moto」というブランド名で青井さんが自ら作っています。綿と麻を組み合わせた素材に民族衣装をモチーフにして、心地よい着心地が感じられる服となっています。
青井さん:「昔からモノづくりが好きで。お店に合うモノをオリジナルで自分でも作っていければと思っています。」
洋服や鞄、エプロンなどのオーダーにも応じてくれるとのこと。メンズの服を作って欲しいという依頼も受けているといいます。
チャイナ服のボタンを一粒あしらった「moto」ブランドのピアスも青井さんの手によるもの。店内の隅々にまで独特の世界観に包まれています。
青井さん:「普段あまり見かけたことのないモノを見つけて、新鮮な気分を味わっていただければと思っています。」
「midaginza」にはこの2店舗に加えて、洋菓子店や珈琲ショップ、和菓子店といった飲食店舗が期間限定で出店するスペースも。訪れるたびに新たな楽しみに出会うことができます。月に一度、土曜日に夜間営業を行う「YORU GINZA」も開催。日程は「Adii ezu」のホームページでご確認ください。
向かいには伊勢湾に面した箕田公園も。海を眺めながらの散策とともに訪れてみてはいかがでしょうか。