コワーキングスペースから、町のお困りごと解決まで。南伊勢町の地域と人をつなぐ結び目に。「むすび目Co-working」
目次
地域と人をつなぐ結び目に
そうして、コワーキングスペースづくりをきっかけに出会った、西岡さん・西川さん・伊澤さん。コワーキングスペースの運営だけでなく、町の活性化のためさまざまな活動
をされています。
西岡さん:「せっかく集まったんだから、チームを組んじゃう?と、コワーキングスペース以外のプロジェクトも一緒に取り組むことになりました。一人ではできなくても、三人ならできることがたくさんあるよねって。
私たちのビジョンは、南伊勢の情報発信をして地域と人をつなぐ結び目になること。
南伊勢町は、38の集落がありそれぞれ異なる文化が根付いています。みなさん町を良くしたい!と思っているんですけど、各集落が一緒に何かをするというのはあまりないんですよね……。それぞれの集落や人をつなげて、町の活性化を町の中からしていきたいというのが、私たちの想いです。」
取り組み① 移住定住を促進
むすび目Co-workingの取り組みのひとつ目は、移住定住の促進。メンバーである西川さんは、移住定住コーディネーターでもあります。
西岡さん:「私たちの活動の根本にあるのは、移住定住の促進です。そのためには、町内外に南伊勢町のことを発信して、まずは町のことを知ってもらう機会を増やす。興味を持った人が町を訪れるイベントを企画して、多角的に移住定住を提案していこうと考えています。
例えば、今年の春には「阿曽浦フットパスツアー」を開催しました。フットパスとはイギリス発祥の概念で、歩くことを楽しむためにつくられた道のこと。伊澤くんが案内人となり、阿曽浦漁港をツアー形式で巡りました。実際に訪れてもらうことで、伝わる魅力がたくさんあると思うんです。
今後は、お試し住宅やシェアハウスなど、実際に南伊勢町に住める場所をつくっていきたいと考えています。」
取り組み② 仕事の掘り起こし
西岡さん:「二つ目は、仕事の掘り起こしです。町には求人情報誌はありません。情報として表に出ない仕事を発掘して、移住者や地域の若者に紹介できるようにしていきたいと考えています。
例えば、みかん農園で11〜12月の1カ月だけ収穫のための人手がほしい。出荷のシーズンだけ手伝ってほしい。この土日だけ人手が足りない。そうした需要ってけっこうあるんですよね。そうした仕事の情報を集めてサイトに掲載して発信する。そうすることで、町内の人だけでなく、南伊勢町以外の人にも知ってもらうことができます。」
取り組み③ 町のお困りごとを解決
西岡さん:「地域のお困りごとも解決していきたいと考えています。例えば、7月に行われた神前浦という集落の「天王祭」では、御船(みふね)の引き手が足りないと相談を受け、むすび目メンバーでお手伝いしてきました。
「天王祭」は、船に神様を乗せて町内を練り歩くというお祭りです。タイヤが付いていない船を引くので、50人ほど人手が必要なんです。でも若者も減って引き手が足りない……。ということで、10人くらいメンバーを集めてお手伝いさせていただきました。そういった町の困り事も解決していきたいですね。」