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春日井市、勝川駅から徒歩約8分。弘法通りから少し路地に入った住宅街にある、自然食がご自慢の古民家カフェレストラン「たいよう」。
そこは人と出会い、人と繋がり、すてきなものにめぐり会い、世界が広がる場所。料理人によって丁寧につくられる、体と心が喜ぶ和食が楽しめるお店。
連日たくさんの人が訪れる「たいよう」の魅力をお届けします。
靴をぬいでリラックスしよう。
和風庭園が美しい、
くつろぎたくなる築80年の古民家
路地から見えるのはこちらの建物。お庭と建物の間から奥へと進んでいきます。
立派な玄関と、美しい和風庭園が見えてきます。落ち着いた雰囲気にホッとします。
玄関に向かって右手には、洋館のような部分があります。後ほどご紹介しますが、中がギャラリールームになっていて、とてもステキなんですよ。
玄関の戸を開けてお邪魔すると、そこは和風モダンな広い空間。たくさんの靴ににぎわいを感じ、ステキな洋服のディスプレイに心が躍ります。
季節を感じさせてくれる縁側からの眺め。ゆったりとした時間の流れに、いつまでもここに居たくなりそうです。
人が集まるお店のストーリー
店主の水野智哉さんと、料理人の河井良時(りょうじ)さんにお話をお聞きしました。
もともとアパレルのお仕事をされていた水野さん。ご自身のお店を持ちたいという気持ちが高まる中、それはどんなお店なのかを考えに考え、「人の集える空間」だというところに思い至り、飲食業に移行すべく退職をされたそう。
カフェやバルなどで修行を重ねられたのちに、2014年愛知県春日井市如意申町で「たいようnatural food &good music cafe」をはじめられました。
オープン当時からの「こだわり食材の自然食」「人の集まる場所」「靴を脱いでリラックスできるスペース」などのスタイルは受け継がれ、2019年に春日井市勝川の築80年の古民家にて「たいよう Human Comnection Natural Cafe / Shop / Space(以下:たいよう)」をリオープン。
– 築80年の古民家に移転されたきっかけを聞かせてください。
水野さん:「きっかけは、たいようnatural food &good music cafeでまかないのお手伝いをしてくれていたえみこさんです。」
水野さん:「築80年の古民家は、もともとえみこさんのひいおじいさんのもので、カフェやギャラリーなど、何らかの形で開放することがえみこさんにとっての夢でした。えみこさんのやりたいことと僕がやっていたことがとても近かったので、この古民家に移ってこないかと誘ってもらったんです。」
お隣で、「私がスカウトしたんですよ。」とえみこさん。店員さん同士の和やかな雰囲気を感じます。
– 「たいよう」のコンセプトをおしえてください。
水野さん:「『誰もが安心して、みんなで笑顔で囲めるテーブル』です。安心・安全・自然なおいしさの食べもの、店員とお客様という立場を越えて一緒に何かを創造していけるようなコミュニケーションを大切にしています。さまざまな価値観が認められどんな人も心地いい時間が共有できる空間、そういったものを提供できる存在でありたいと思っています。」
移転したことでスペースが広くなり、たくさんの方に来てもらえたり、お部屋の仕切りが出来るので、さまざまな講座ができるようになったそう。
駅の近くになったので、お客様の層も幅広くなったのだとか。気軽に訪れたいですね。
お座敷なので、居心地抜群。お子様連れもウエルカムだそうですよ。
実際、取材時にもたくさんのお客様が。お友達と、ご家族と、おひとりさまや、講座を受けたりと、みなさん思い思いの時間を楽しんでおられました。
こだわりの食材と調味料で、丁寧に作られる自然食
たいようの料理人である河井さんは、割烹・海鮮・懐石など、和食を中心に修行を積んでこられました。「よし時」という屋号で活動する、フリーランスの料理人でもあります。
– お料理のこだわりを聞かせてください。
「一番こだわっているのは天然醸造の調味料を使うこと。これがおいしさの決め手だと思っています。
野菜は旬にこだわっていて、それが何よりの養生。できるだけ無農薬のおいしい近郊野菜を入手したくて、あちらこちらまわっているんですよ。
お米は岐阜県産・育成時無農薬玄米。安心できる、顔が見える作り手さんたちとの取引を大事にしています。」
たいようのお料理は、季節の食材を使うことを大切にしているため、その日のメニューからチョイスするスタイル。
取材時は、よし時さんと勝川かわべ製麺さんの共同開発・全粒粉小麦六割麦そば(蕎麦粉不使用)がメインのランチセットでした。冷鉢・寄せ豆腐・だし巻き・玄米飯が付きます。
河井さん:「小牧市・仙寿卵を使った関西風のだし巻き卵と、特選豆乳を使用した、自家製寄せ豆腐は、定番でもあるおすすめの 品です。」
河井さん:「冷鉢にはいろんな夏野菜と海藻を使っています。ただ野菜を入れるだけでなく、例えばゴーヤには出汁と鰹節で、スイカにはミントなど、それぞれに下味をつけています。鯖は白ワインのタレにつけてワラで燻製しているんですよ。
夏野菜は、体の余分な熱やむくみを取ってくれたりと自然の養生になるんです。酢で仕立てているのでさっぱり食べやすいと思いますよ。口当たりのいい冷鉢で食欲をみなぎらせてから、ぜひ麺を食べてください。」
筆者は、河井さんのおすすめで「ひやしみそ 三種の味噌と濃厚出汁・夏野菜と名古屋コーチン月見」を注文しました。冷たいながらもしっかりと香るお出汁。つるっといただけるのどごしが夏にぴったり、全粒粉麦そばのもちもち感が大満足のひと品でした。
「和食の敷居を下げたい。」と河井さん。和食をベースに、スパイスを使ってみたり、各国料理の要素を取り入れてみたり、誰もが親しみやすく、常に新しい発想のお料理に挑戦されています。
出張やケータリングはもちろん、たいようのスペースを貸し切っての和食コース料理などもお願いできるそうですよ。