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2019年10月28日、旧・那古野小学校にオープンしたカフェレストラン「yoake(よあけ)」。
手がけているのは、人気の無添加おはぎ専門店「OHAGI3(おはぎさん)」を運営する「ホリデイズ」。世界中の食が楽しめるカフェレストランとあって、オープン前から大注目されています。また、隣には創業間もない企業の支援を目的としたインキュベーション施設「なごのキャンパス」も同日にオープン。新たな名古屋の拠点が誕生しました。
yoakeがあるのは、名古屋駅桜通口から徒歩10分弱。もともとは那古野小学校の給食室だった場所を新たにリノベーションし、世界中の食が楽しめるカフェレストランとして生まれ変わりました。
黄色の建物がyoakeの目印ですよ!
yoakeでは世界中のおいしい食べ物をつなぎ合わせる。をコンセプトに各国のおいしいものに出会うことができます。モーニングタイム〜23時のディナータイムまでさまざまな料理を楽しめます。
食文化の再定義をしていく
最初にオープンのきっけについて伺いました。
落合さん:「僕が会社を立ち上げたのは、2016年のことです。ホリデイズ株式会社では「くらしのすきまをあたためる」をテーマに、食文化のリブーティング(再起動)事業を行っています。その1号店としてオープンしたのが、おはぎ専門店「OHAGI3」です。
おはぎは新しい食べ物ではなく、昔から日本人に親しまれてきたおやつです。今いる場所や人にどう再定義してあげるか。そこが僕らの大きな強みでもあります。
そんな中、本社が「なごのキャンパス」に入ることは決まり、1Fに給食室があるので何かやってみませんか?と声をかけていただいたんです。そこから、オフィスだけでなくカフェの運営もやらせていただくことになり、新業態「yoake」がスタートしました。」
食を通じて心を豊かに
落合さん:「日本から海外へ持っていくのが「おはぎ」だとすると、世界から日本へ受け入れられるものってなんだろうって考えたんです。僕は昔話「桃太郎」のラストエンディングを変えたいなって思っていて、”桃太郎はきびだんごをあげて仲間にしていくけど、鬼にもきびだんごをあげたらどうかな?。鬼に剣を振りかざすことなく仲良くなれたんじゃないか”って思ったんですね。
また、逆にもし鬼がきびだんごを差し出してきたら、僕は食べられるのか?って考えたときに、食べらる人が平和って言葉を使ってるんだろうなって思いました。そんな想いから、僕らは食を通じて、世界を平和にする礎になれたらという想いがあります。yoakeでは僕が世界各国で出会った本当においしいと思ったものを提供しています。食を知ることは世界を知ることにもつながっていくので、ここを通じて世界への間口を少しで広げていただけるきっかけになればいいなと思っています。」
食のリレーを「world relay kitchen」
−「world relay kitchen」というキャッチコピーが店名についていますが、これにはどんな意味が込められているんですか?
落合さん:「この”relay”という言葉は谷川俊太郎さんの「朝のリレー」という詩からとったんです。この詩をみたとき、世界中どの瞬間でも朝が生まれ続けること、それは誰にでも平等に訪れていくんだなって。僕らもリレーされてきた朝の中にいる。この詩は素晴らしい詩だなって思いましたね。そこから、食を通して、世の中に幸せという明かりを灯していきたいという想いを込めて「yoake」と名付けました。」
谷川俊太郎の詩「朝のリレー」
カムチャッカの若者がきりんの夢を見ているとき
メキシコの娘は朝もやの中でバスを待っている
ニューヨークの少女がほほえみながら寝がえりをうつとき
ローマの少年は柱頭を染める朝陽にウインクする
この地球でいつもどこかで朝がはじまっているぼくらは朝をリレーするのだ
経度から経度へと
そうしていわば交換で地球を守る
眠る前のひととき耳をすますと
どこか遠くで目覚時計のベルが鳴ってる
それはあなたの送った朝を
誰かがしっかりと受けとめた証拠なのだ
落合さん:「そして、朝のリレーから食のリレーに置きかえたときに、ひとつの店に世界中のおいしいものがあれば豊かになるのではと思ったんです。なんでも出したらグチャグチャになるけど、ビールとおつまみとか、今月はこの国!ってをフォーマット決めれば楽しいコンテンツになっていきます。今後も徐々においしいものを増やしていく予定ですよ。」
残せるものは活かして
−リノベーションするにあたってこだわったポイントはありますか?
落合さん:「給食室のあとを改装するなんて人生で一度きりだと思うので、できる限りそのままの状態を残しています。床はクリア塗装だけですし、活かせるところはそのまま活かしています。無機質と有機質を組み合わせて、女性が過ごしても居心地のいい空間を目指しました。」
落合さん:「カーテンはトヨタのG型自動織機の初号機の生地をいただいて、つくっていただきました。このキャンパス自体が「次の100年が育つ学校」をコンセプトにしているので、歴史を紡いでいくようなエッセンスを入れたかったんです。
トヨタはもともと織機からはじまっている会社です。この布がなければあの企業はできなかったのだと思うと、この生地にはトヨタのDNAがつまっています。それを自分たちが加工して使うことで、ここに集まった18社の企業さんたちと次の時代に受け継いでいくという意味を込めています。」