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名古屋・地下鉄東山線「池下」駅から徒歩7分の場所にある「figue hair(フィグヘアー)」は、2017年2月オープンしたプライベートサロンです。
秋晴れの11月某日。間口を大きくとったエントランスからの日差しを感じながら、岩城さんにたっぷりお話を伺ってきました。お店をオープンしたきっかけや、スタイリングのこだわりなどをご紹介します。
figue hairとは?
フランス語でイチジクを表すfigue(フィグ)。どこか親しみを感じる響きと、タイル張りのエントランス。ヨーロッパのアトリエかと思わせる屋号と店構えから、フランスがお好きなお客様が多いとか。無駄のないシンプルな外装に、木や塗装の素朴な質感がマッチしています。
店内に入ると、ほのかにさわやかなアロマの香りが漂っています。床から天井まで大きくとった扉から日差しが差し込み、空間の広がりを感じさせてくれます。
お店の誕生ストーリー
名古屋の美容専門学校を卒業し、名古屋のヘアーサロンに就職した岩城さん。当時20代の頃の写真をご提供くださいました。
– 当時の生活を振り返っていかがですか?
岩城さん:「とにかく20代の頃は仕事中心の生活でした。10年間、終電で帰る日がほとんどで。休みの日も講習に行ったりで、すべての時間と力を注いでいましたね。そのおかげもあって精神力が鍛えられ、技術力やセンスなど養われたなと感じています。」
– その後東京に行かれていますよね。きっかけは何でしたか?
岩城さん:「名古屋で10年務めて、その後は開業という流れが一般的ですが、本当にやりきったというか(笑)美容業界で生きていくという気持ちは固まっていたのですが、何か新しいことにチャレンジしたかった。新しいヘアーメイクの世界が見てみたかったんです。当時のお客さんはサロンの人に引き継いで、東京へ行きました。」
– 東京ではどのような働き方をされていたのですか?
岩城さん:「もともと、音楽が好きでミュージシャンのヘアーメイクに携わりたいという想いがありました。東京ではフリーランスでカットをやりながら、ヘアーメイクの師匠について、さまざまな撮影現場に連れて行ってもらい、仕事を見て覚えました。ヘアーメイクの世界って美容院とは全然違うんです。技術を学びながら、徐々に人のつながりも増えていきました。」
– 東京で8年働かれた後に、名古屋へ戻られたんですね。
岩城さん:「主人の仕事の関係で名古屋へ引っ越しました。名古屋で下積みしていたころからそうだったんですが、また名古屋へ戻ってきた時も自分でお店をやろうとは思っていたわけではなくて。」
– 名古屋での開業のきっかけは何でしたか?
岩城さん:「名古屋の美容師仲間にパワーをもらったというか。同業の知り合いが多くて、東京にいた時は常に連絡をとっていたわけではなかったけど、ずっとつながっていました。そういう人たちに会うたびに「ぜったい開業できるよ」って、応援してもらったことが開業に至った一番の理由かなと思います。」
– 2017年2月にオープンされたんですね。
岩城さん:「雪の日でした。表にある木がまだ小さいですね(笑)」
内装のこだわり
女性の目線を大切にしたかったという岩城さん。内装のこだわりを3つ教えていただきました。
内装のこだわり① タイルづかい
岩城さん:「設計は「ARCH DECO(アーチデコ)」さんへ依頼しました。デザイナーさんが女性ということや、過去のお仕事を拝見させていただく中で、「お任せしたい!」という気持ちにが強くなりました。
女性目線に立ってデザインを提案して欲しいという想いがあって。やっぱり、ディテールが全然違うんですよね。自宅と併設していることもあって、キッチン周りなんかは特に。それと、タイルが好きなので、そういった特性も素敵だなと思いました。」
内装のこだわり② 天井の梁
岩城さん:「2つ目は天井の梁です。リノベーションをする際に、天井を取り払い、梁を出すような形にしようと決めました。色は白をチョイスして、空間の広がりが感じられるよう工夫しました。」
内装のこだわり③ アンティークの家具や小物
岩城さん:「アジアとヨーロッパの融合的な組み合わせが好きで。作家さんの作品だったり、中国のようなアジア系や、インドのようなエスニック系の国のものだったり。無国籍だけど、色と材質のバランスでちょうどよくなるというか。クラフト感や風合いがあるものを一点ずつチョイスしてきました。
あと、家具だけでなく、ヘアピンのアンティークも集めていて、お店でヘアアレンジに使うこともあります。素材とかデザインとか、他にないオリジナルって魅力的ですよね。」
岩城さん:「他にも、ちょっとしたお気に入りのオブジェを店内にちりばめています。」