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蒲郡市の形原エリア。初夏になると紫陽花が咲き誇るあじさいの里や、形原温泉など、観光地としても有名な場所。ここに2014年にオープンしたのが「acoustic book cafebar by(アコースティック ブック カフェバー バイ)」です。
市内はもちろんさまざまな場所からファンが集まる人気のカフェ。お店の想いや料理のこと、店内にある本についてなどをご紹介。
自分たちの手でカフェをつくる。
大通り沿いにある白を基調とした一軒家。これが「acoustic book cafebar by(アコースティック ブック カフェバー バイ)」です。丸い扉、グリーンなど、ナチュラルな雰囲気がとても素敵な外観です。
2014年にオープンし今年で7年。たくさんの方に愛され続けているカフェです。もともとこの建物はうどん屋さんだったそうで、自分たちの手で壁を白で塗ったり、手書きで看板をつくったりとDIYをしながらコツコツをお店づくりをしました。
流木を使った看板、三角屋根の小さなところにもお店の名前が飾っていたり。ブックカフェをすぐにイメージできるようにと、レンガで本をイメージした本棚をつくったりと、隅々まで楽しめるのが魅力です。
お店の外には手づくりガーデンも。花はもちろん、料理で使うハーブなども育てています。まるで海外のようなおしゃれなガーデンに心惹かれます。
店内の白い壁、テーブル、椅子などほとんどを店主ご夫妻がつくりました。居心地良く過ごしてもらいたいとナチュラルで自然体な空間にホッと和みます。
写真を飾ったり、海をイメージしたインテリア、植物など、インテリアの参考にもなるチョイスについ写真をとってしまいたくなります。
元書店員が提案する本のあるカフェ
「acoustic book cafebar by(アコースティック ブック カフェバー バイ)」の店主・西村さんご夫妻(左:西村郁弥さん、右:西村智古さん)。笑顔あふれるお二人がつくりあげる優しいカフェ空間が特徴です。お二人は元書店員。自分たちの好きな空間をつくりたくカフェをオープンしました。
– お店をオープンしたきっかけを教えてください。
郁弥さん:「もともと書店員として本の選定や提案などを行っていました。本が好きなので、もっと色んな人に本を読んでもらいたいなと思った時に、カフェをつくろうと考え2014年にオープンしました。」
智古さん:「何もない状態で、ゼロから自分たちの手でDIYをスタートしました。ペンキの塗り方やテーブルのつくり方もわからない状態からはじめて、3ヶ月毎日DIYしていました。」
– ご夫妻の好きなモノが詰まっている雰囲気に癒されます!店名の由来について教えてください。
郁弥さん:「店名も分かりやすいものがいいねと夫婦で話していたいんです。アコースティックが好き、本が好き、カフェとバーもある。そんなイメージでつけましたね。byは、私は熊本県出身で方言の中の一つに“ばい”と使うんです。良かばい!という言葉も好きで、そのひとつでつけました。」
– 元書店員さんということで、本のセレクトも最高ですね!
智古さん:「ありがとうございます!夫婦の好きな本を集めたブックコーナーで、カフェ時間のお供に過ごしてもらえればいいなと思っています。」
郁弥さん:「本は年間何万冊も発刊します。ここでは、新刊や中古本などジャンル問わず並べています。2年前には本の販売もスタートして、カフェで読んでも良いし、自宅で本を楽しんで欲しいなと思い、提案をしました。」
– 色んなジャンルの本があってみているだけでも楽しいです。
郁弥さん:「多種多様の本をそろえています。絵本からビジネス書まで、そのとき感じたものを選んでほしいです。私たちも本が大好きで、本のある生活が当たり前になっています。本から読み取れる気持ちやその背景を知ることで、さらに本の面白い世界を知ってもらえると嬉しいですね。」
– 7年カフェをやり続ける中で感じた嬉しい出来事などがあったら教えてください。
郁弥さん:「日々お店をやっている中で、自分たち夫婦の夢だったことが継続できているというのがシンプルに嬉しいです。カフェを維持することの大変さもありますが、気付けば7年。今後も、日常を大事にしながら、自分たちらしく楽しく過ごしていきたいなと思っています。」
ホッとする!おいしいカフェご飯をご紹介
フード担当は奥様の智古さん。丁寧につくりあげる料理は常連客からも好評で、ランチやドリンク、デザート、ディナーなどを提案しています。
こちらがランチの「魯肉飯(1,200円)」。台湾のおふくろの味として人気のメニューです。スパイスと一緒に甘辛く煮込んだとろとろの豚肉がたっぷりのった料理。
日本人の好みに合わせた豚肉はごろっとしたボリュームさが特徴。ゆで卵や焼き野菜などと一緒に合わせて食べるとさらに美味しさが増します。ランチには、スープ・ドリンクがつきます。
ドリンク担当は郁弥さん。こちらはホットカフェラテ(450円)で、かわいいラテアートを楽しむことができます!その日によって、ねこやうさぎなどを描くことも。写真を撮るお客様も多いそうです。
アイスのカフェラテも大人気。しっとりとした牛乳の中に、濃厚なエスプレッソがマッチした一品です。
西村ご夫妻のおすすめの本をご紹介
店内の一角にあるブックコーナー。新刊・古本の販売も行っています。コンセプトは「人生を変える本との出会い」。普段はあまり本を読まない人でも読みやすい本をそろえたり、ビジネス書などの本格的な本など多彩な本がラインナップ。その中でも西村さんご夫妻がおすすめする本を紹介します。
「つみきのいえ」
文: 平田研也
絵: 加藤久仁生
出版社:白泉社
第81回米国アカデミー賞短編アニメーション部門受賞、2008年フランス・アヌシー国際アニメーション映画祭クリスタル賞(最高賞)、こども審査員賞をダブル受賞、2008年度第12回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞などの短編アニメーション「つみきのいえ」を絵本にした一冊。
郁弥さん:「絵のタッチも好きで、旅話のような人生の本として、大人でも読める絵本です。」
風の帰る場所
著:宮崎駿
「風の谷のナウシカ」から「千と千尋の神隠し」までを振り返るインタビューを完全ノーカットの形で収録した一冊。
智古さん:「私自身ジブリ映画が大好きで、宮崎駿 監督もすごく好きなんです。風の谷のナウシカから千と千尋の神隠しまでのバックボーンを知ることができる、ジブリ好きにはおすすめの一冊です。」
君の悲しみが美しいから僕は手紙を書いた
著:若松英輔
「悲しむことの大切さ」について優しく伝える一冊。思想家・若松英輔が、苦しみの中にいるあなたに贈る11通の手紙です。
郁弥さん:「大事な人が亡くなった後に想うこと、悲しみよりも愛が勝る。どんな悲しみも愛おしくなる一冊です。」
おいしい料理と、こだわりの本に囲まれたナチュラルカフェ。ゆったりと過ごすことができるので、一人カフェとして利用することもおすすめです。素敵な出会いをここで味わってみてはいかがでしょうか?
写真 / 清水しげみ(ワンライフコミュニケーション株式会社)