今京都では多くのコンセプトホテルが誕生しています。その中でもアート好きな方におすすめしたいのが、「ホテル アンテルーム 京都」。芸術・美術大学が多く、たくさんの若手アーティストたちが活動する京都にて、「常に変化する京都のアート&カルチャーの今」を発信するホテルとして、2011年4月にオープンしました。
もともとこちらのホテルは予備校の学生寮として使用されていました。築23年の建物をリノベーションし、ホテルとアパートの両方の機能を兼ね備えたユニークな施設として注目を集めています。
目次
アクセス抜群、京都駅から地下鉄で一駅
ひときわ目を引く女性のオブジェは、若手アーティストが制作したもの
「ホテル アンテルーム 京都(以下:アンテルーム)」の魅力の一つが、アクセスの良さです。
京都駅から地下鉄烏丸線に乗り換え、1駅目の九条駅から徒歩約8分。京都駅の八条口から徒歩で向かっても15分ほどの場所にあります。タクシーも初乗り料金。京都駅からのアクセスが抜群な九条エリアですが、周囲はとても静かな住宅街なので、ゆったりと過ごすことができますよ。
建物に入った瞬間からアートの世界へ
「Gallery 9.5」
「Gallery 9.5」
建物に入ると、エントランスからつながる「Gallery 9.5」が広がります。九条と十条の間にホテルがあることから名付けられた自由度の高い空間。ディレクションを担当したのは、彫刻家の名和晃平率いるSANDWICH。京都を拠点に活動するクリエイターを紹介する企画展をはじめ、さまざまな展覧会やイベントが開催されています。
この日は、神戸出身のアーティスト・平山昌尚氏の個展「壁画」が開催されていました。壁のドローイングは、平山氏がホテルに滞在し制作したもの。落書きのようなユーモアのある作風が特徴で、アート・イラスト・ファッション・デザインなどジャンル問わず活動を行っています。
ショップスペース「ANTE STORE」
ギャラリーの一角には、ショップスペース「ANTE STORE」があります。京都を中心に活動するアーティストの作品、関西では手に入りにくい関連アーティストの書籍やグッズを取り揃えています。ミュージアムショップのような品揃えは、見ているだけでもワクワクします。
ローテーブルは、キャリーケースをイメージしたデザイン。こうした細部にも遊び心が。
アートブックや京都にまつわる本などが集められています。
京都付近のアートイベントや、展示会のフライヤーがたくさん。
ショップの隣は、ライブラリースペースになっています。関西ではなかなか手に入らないアートブックや京都にまつわる本、世界中の本好きが集まる京都きっての名物書店「恵文社一乗寺店」によってセレクトされた書籍が並んでいます。無料で利用できるPCやプリンターもありましたよ。
建物全体がアート空間
「365日アートフェア」
「365日アートフェア」というコンセプトのもと、京都ゆかりのアーティストを中心に、約80組の作家による200点以上の作品が館内のいたるところに展示されています。なんと作品の一部は購入することも可能。
2016年7月の増床リニューアルでは、伝統文化が色濃く受け継がれる京都ということもあり、「和」の要素を加え、”京都の今”を体感できる空間に仕上げられました。「和」といっても一般的な和風、京風ではなく、現代アートと融合した新しい世界が体感できます。
それぞれの客室とラウンジなど共有部分をつなぐ廊下には、アート作品が展示されています。館内を歩いているだけで、美術館の中にいるような楽しさがあります。
蛍光灯を素材に使った鬼頭健吾氏のアートワーク
ホテルの顔である名和晃平による鹿の剥製を使ったオブジェ
トイレの壁にもアート作品が
お酒の種類が豊富な大人の空間
「ANTEROOM BAR」
1階には、バーラウンジ「ANTEROOM BAR」があります。150種類以上のウイスキー、クラフトビールや季節のカクテルなど、いろんな種類のお酒が楽しめる大人の空間です。
KYOTO BREWING CO. ¥600
「ウェルカムドリンクとしてドリンク一杯無料!」とのことだったので、京都醸造のクラフトビールをいただきました。この日は、「Session IPA 夏の気まぐれ」。アルコール度数が低く、スッキリ爽やか。ホテルで京都のビールを楽しめるのは、うれしいポイントです。
ドリンク類は客室への持ち帰りもOKとのことだったので、部屋に戻りゆっくりといただきました。
BARスペースにも、もちろんアートが展示されています。
フードは「ソーセージの盛り合わせ(¥500)」や、チップス・ポップコーン・チョコレートなどをお代わり自由で楽しめる「おつまみブッフェ(¥300)」など、リーズナブルに楽しめます。
20:00〜25:00(24:30 L.O.)と遅い時間まで営業しているので、観光帰りや、夕食の後の一杯としてくつろげるのもうれしいですよね。
機能的かつアート心たっぷりのお部屋
北館:シングルルーム
客室は、シンプルデザインの北館61室、日本の美をモダンに表現した南館の67室の合計128室。もともと学生寮だったこともあり、コンパクトでありながら機能的な室内です。
ベッド周りの壁面がクッションになっているので読書をしたり、もたれたり、ソファのように使えます。古材風のデスク、ペンダントライト、むき出しの配管など、シンプルな中にもこだわりを感じる空間です。
客室に飾っていたアート作品は、田中和人『GOLD SEES BLUE #48(左)』『GOLD SEES BLUE #49(右)』でした。
ドアサインなど細部にまで、デザインのこだわりが。
ペーパーホルダーもアイアンの雰囲気がすてき。
各客室には、約70組の若手アーティストの作品が、200点以上飾られています。それらの作品はすべて購入でき、購入されたアーティストは、新たな作品を展示数するルールになっています。
アートに浸るコンセプトルーム
Concept Room No.152(蜷川 実花 庭付ツインルーム)
2016年のリニューアルでは、国内外で活躍する8組のアーティストがホテルの一室全体を制作・コーディネートした「コンセプトルーム」が新設されました。
名和晃平、蜷川実花、ヤノベケンジ、金氏徹平、BAKI—BAKI+井上正博、宇加治志帆、宮永愛子、矢津吉隆(KYOTO ART HOSTEL kumagusuku)の8組のアーティストは、それぞれの世界観を、作品だけではなく、調度品に至るまでディレクションし、ホテルの一室全体を使って表現しています。
Concept Room No.154(名和 晃平 庭付ツインルーム)
Concept Room No.664(IBUSHI-GIN ツインルーム)
Concept Room No.666(宇加治 志帆 ツインルーム)
引用元:https://hotel-anteroom.com/rooms/
地元食材が楽しめる朝食レストラン
「ANTEROOM MEALS」
アンテルームでは、朝食もおしゃれでおいしいと評判です。アートに囲まれた開放的な空間で、日替わりのピタパンサンドやスムージーをはじめ、地元食材をふんだんに使った、栄養満点の朝食を楽しめます。(¥1,000(税込))
スムージーやサラダには、環境負荷の少ない野菜を扱う野菜提携企業の「坂ノ途中」から届く旬の食材がふんだんに使われています。
野菜たっぷりのスムージーも付いてきます。
サラダのトッピングが豊富で嬉しかったです。湯葉チップス(写真中央)や、白味噌のドレッシングなど京都の素材を使用したものもありました。
メインディッシュを3種類の中から、好きなものを3個まで選びます。(少なめにオーダーした後に、追加リクエストもOK!)
この日のメインディッシュは、「ゆで塩豚と夏野菜サラダ コチュジャンみそソースのピタサンド」「コーンおにぎり 新生姜と切り干し大根のサラダ」「ガトーショコラ」の3種類。連泊の人も多いので、飽きの来ないようにメニューを工夫されているそうです。
食後のガトーショコラが絶品でした。
スープやサラダ、ドリンクやデザートはブッフェスタイルになっています。コーヒーや紅茶などは、客室に持ち帰りも可能です。
アートに囲まれながらの朝食はとてもぜいたくな時間でした。アンテルームに宿泊する際には、ぜひ朝食もセットにしてみてくださいね。
京都観光はレンタサイクルで!
無料レンタサイクル(先着順。1〜2時間まで利用可)
有料レンタサイクル(AM9:00~PM7:00 利用料金:1300円(ホテル返却)
アンテルームでは、自転車のレンタルもしています。有料レンタルの他に、無料のチョイ乗りレンタサイクルがあるので、ちょっとした買い物などに便利ですよ。
「ホテルアンテルーム京都」は、まるで現代美術館の中に宿泊しているような不思議な空間でした。ギャラリースペース・館内のアート展示・朝食など、何度訪れても楽しませてくれるホテルです。京都旅行の際には、「ホテルアンテルーム京都」でアートに浸ってみてはいかがでしょうか。