目次
2011年にスタートし今年で10回目を迎えた現代アートの祭典「ART NAGOYA」が、去る2020年2月15日〜16日の2日間開催されました。
2020年をめどに、ホテルナゴヤキャッスルは建て替えをするため、今年がホテルナゴヤキャッスルを会場として開催するのは最後。ライフデザインズでは、昨年同様今年もプレビューへお邪魔したので、会場の様子をレポートしていきます。
▼ART NAGOYA2019の様子はこちらから
名古屋城を望む9階客室フロアで開催
ART NAGOYAはホテルナゴヤキャッスルを舞台に、ラグジュアリー感を堪能しつつ気軽に現代アートを観覧できるアートイベントです。
その魅力は、ホテルの客室を会場に、名古屋や愛知県内はもちろん、東京・大阪・金沢・香川など、全国各地のギャラリーがイチオシする作家の作品が一同に会すること。
アートを実際に購入できるのも、大きな魅力の一つです。アートを購入するなんて、なんだか敷居が高いイメージがありますよね?
しかし、若手アーティストさんの作品は比較的買いやすいものも多く、意外にも手の届く価格もあるんです。
各客室には作家さんやギャラリーのスタッフさんやアーティストさんが在廊しているので、交流しながら購入できるのもART NAGOYAのおもしろさでもあります。
それでは、さっそくレポートしていきます!
エントランス着いて、目に飛び込んできたのがドローイングされた「VOLVO(Volvo V60)」の車体です!担当したのは、名古屋を拠点に活動されているアーティスト山田純嗣さん。
作品タイトルは 「(20-1) NILS AND VIDAR ニルスとヴィーザル」。ドローイングを銅板で重ねていく独自の技法 「インタリオ・オン・フォト」によって、スウェーデンの自然をテーマに緻密でうつくしい車体が表現されていました。
車体は北欧家具が置かれた、1Fのロビーからも作品を眺めることができます。
それでは、メイン会場の9Fへ行ってみましょう。廊下にはギャラリー名のみ記載されているので、どんな作品に出会えるのかな?と客室へ入るたびの楽しさもあります。
今年も昨年同様全国から全26ギャラリー+ワンピース倶楽部の購入作品が展示されていました。
ギャラリー&作品をピックアップ
ここからは、数あるギャラリーの中から、特に気になったものをいくつかピックアップしてご紹介していきます。
907号室|ワンピース倶楽部
こちらの客室は、現代アートマーケット拡大のために、楽しみながら、一年に一作品(one piece)購入する事を決意した、アートを心から愛する人たちの集まり「ワンピース倶楽部」のメンバーが昨年購入した作品が展示されていました。
中でも、気になったのが名古屋を中心に活躍する現代美術作家「荒木由香里」さんの作品。荒木さんは、ハサミやくしなどの既製品を使って、ものや空間と対話するように立体やインスタレーションの作品を制作されています。
910号室の「AIN SOPH DISPATCH ((アイン ソフ ディスパッチ))」でも荒木さんの作品が展示されていました。今回の作品もとてもすてきです!
908号室|JILL D’ ART GALLERY(ジルダールギャラリー)
名古屋市千種区にあるJILL D’ ART GALLERY(ジルダールギャラリー)。
その中で印象的だったアーティストさんがコラージュ作家、リキッドアーティストとして活動されている「山田サトシ」さんの作品。もともと、化学メーカーに勤務されていたそうで、自らのバックグラウンドを活かして生み出されたリキッドアートは、単にうつくしいだけでなく、流体力学的であり、数学的うつくしさがあります。
バスルームを利用して展示された作品も、ホテルならではの魅力です。空間すべてが一つのアート作品に生まれ変わります。
こちらは、愛知県出身の油絵作家「山内喬博(やまうちたかひろ)」さんの作品。あえて物語を持たないことで、物質感と絵画性で構築された、無機質な絵画空間を提供されています。
見ていると吸い込まれそうな、うつくしい色使いが個人的にもとても魅かれました。
美術作家・天野入華さんの作品。日常の中に現れる一瞬の美しい色や情景を意識し、すべての物や事における“佇まい”や“存在感”をテーマに制作されています。一見、植物のようにみえますが、金属でつくられているんですよ。
名古屋城に映えるように作品が展示されているのがとても印象的でした。