今回ご紹介するのはスウェーデン観光名所の1つ、世界遺産でもあるドロットニングホルム宮殿。ストックホルム郊外のローベン島にある離宮で、美しいバロック様式の庭園を持ち、1686年に完成した当時の面影を色濃く残す素晴らしい宮殿です。
現代ではオペラや演劇が上演され、なんと本当に現国王のカール16世グスタフが住まわれているんです。その半分を観光で見ることができるという、なんともスウェーデンらしい、ロイヤルな国王と一般の人たちとの距離の近さを感じられる場所の1つとも言えます。
「ドロットニングホルム」はスウェーデン語で「王妃の小島」という意味。それは何故かというと、国王カール11世の母后ヘトヴィヒ・エレオノーラの命令でドロットニングホルム宮殿が作られたからです。その美しさから「北欧のヴェルサイユ宮殿」とも呼ばれています。
目次
ドロットニングホルム宮殿への行き方
郊外の離島にあり、行き方は地下鉄+バスかフェリーとなりますが、ここでは安くて早い地下鉄+バスのルートをご紹介します。片道37クローナ(約500円)で行けますし、乗り換えはありますが簡単です。
地下鉄+バスの行き方と値段
T-Centralen(ストックホルム中央駅)より緑のライン17番Åkeshovか19番Hässelby strandに乗車しBlommaplan(ブロンマプラン)駅で下車。そこからバスに乗ってすぐです。
地下鉄の緑のラインは、写真にもある通り17番18番19番があるのですが、18番はBlommaplanに行かないので注意が必要です。
ここに着いたら出口すぐにバスターミナルがあるので、そこから176番Stenhamra行き(F乗り場)か、177番Skärvik行き(B乗り場)のバスに乗れば、ドロットニングスホルム宮殿すぐ近くのDrottningholmのバス停まで行けます。
バスの中から宮殿が目視できるので、降り間違える心配は無いと思います。
さて、こちらがドロットニングホルム宮殿の入口。外はロイヤルガード達が警備していますが、中は入口のチケット売り場にスタッフが2名いただけで自由に、のんびりと見て回れ、筆者が訪れた際は人も少なくとても快適に見て回れました。
ドロットニングホルム宮殿の見どころ
歴代の国王が住んでいたため、当時の様式や流行が変わっていくごとに改築したので室内の装飾が各部屋各部屋でちょっとずつ違っています。ですので、どんどん足を進めて行っても部屋ごとに飽きる事がありません。また、天井画も圧巻です。
緑の広間
チケットカウンターから入ってすぐにある、美しい緑のシルク壁紙と白、ゴールドを基調とした部屋「緑の広間」。1747年に完成し、応接間の役目をしていました。
エントランスの階段
豪華に富を惜しみなく使った階段は、初代ニコデムス・テシーンが自身の代表的な建築物として作りました。まず宮殿内に入るとこの階段を上ってチケット売り場のある2階部分へ、そして2階から3階へ(部屋は2階と3階に分かれています)と行くわけですが、さすが当時国王がゲストを迎え入れた場所だけありその美しさに圧倒します。
ヘトヴィヒ・エレオノーラの寝室
ヘドヴィヒ・エレオノラ王妃は、冒頭でも紹介したこの宮殿を作るように命を出した王妃その人です。彼女の寝室は、この宮殿の中で最も壮麗な部屋の1つです。青とゴールドの装飾が大変美しいです。
彼女は23歳で未亡人となり、小さい子のシングルマザーとなりました。彼女の強い性格から、ドロットニングホルム宮殿は強く能力のある女性を反映しています。これはまさに今のスウェーデンを象徴しているようですね。
ロヴィーサ・エレオノーラの図書館
大変美しい図書館。こちらはヘドヴィヒ・エレオノラ女王のもの。
ドロットニングホルム宮殿には2人の女王がその足跡を残しました。1人は宮殿を建設したヘドヴィヒで、もう1人は宮殿を現代的なものにしたこのロヴィーサ・ウルリカ女王です。
1744年8月、ウルリカ女王はプリンス・アドルフ・フレドリクと結婚するためにスウェーデンに来ました。数日後、彼女は結婚祝いとしてこのドロッテニングホルム宮殿を受け取ったとされています。
彼女は貴婦人が必要とする以上の大変教養豊かな人物で、6カ国語を学び、その興味は建築、歴史、美術、演劇、地理、数学、哲学、生物学などに及び、この彼女の図書館をたまに見せびらかすために、そしてたまに知識人達が出会う場所として使用しました。
国立ホール
美しい天井画にも、部屋の装飾にも四方に沢山飾られた大きな肖像画も全てが圧倒の一言。美しいホールは、当時大規模なパーティーやセレモニーホールとして使用されてきました。
18世紀にはさまざまな用途で使用されましたが、最大の出来事の1つは1744年のプロセイン皇太子アドルフ・フレデリックの結婚式です。
この美しく素晴らしい天井画は、ヨハン・シルヴィウスによって描き始められ、1699年にエヴラール・ショーヴォーにより完成されました。
The Hall Of Generals
ドロットニングホルム宮殿には、歴代の王がその成功の記念として作られたいくつかのホールやギャラリーがありますが、ここはチャールズ12世の最も著名な記憶に残る戦いに敬意を表する記念室の1つです。宮廷画家のデイヴィッド・フォン・クラフトが、ここの肖像画のほとんどと、窓と窓の間に飾られたカール12 世の全身肖像画を制作しました。
どの部屋も天井画の描画が素晴らしいです。
オスカーホール
1897年に、建築家のアギ・リングレンがバロック様式のインテリアを設計した部屋です。神話のリアンダ ーにインスピレーションを得てデザインされています。壁の美しいタペストリー は1630年代半ばに布で織られました。
美しい宮殿の中からは、窓の向こうに広がる庭園や海が見渡せます。
ここからの景色は、建設された当時からほぼほぼ変わっていないのでしょう。歴代のロイヤルたちが、この景色を見ているわけですね。
他にもこのような説明の無い部屋でさえ、とても美しく当時の豪華さを反映した部屋を見て回る事が出来ます。
The Chinese Drawing Room
エレオノラ王妃の寝室の真上に位置するこちらの部屋は、王妃の寝室から隠された階段で行き来が出来るようになっています。18世紀半ばまで、アドルフ・フレデリック王の寝室として使われていました。
こちらは下の部分が引き出せるようになっており、開けると小さなベッドになり当時のお遣いの少年がこのベッドで寝ていたそうです。
至る所の装飾がスタイリッシュで美しいドロットニングホルム宮殿。
青い応接室
1777年頃にこの部屋は作られ、グスタフ3世や側近達のプライベートな応接室として使用されました。
こちらは入口。階段を上がるとゴージャスなエントランス内に入る事が出来ます。ロイヤルガードがいます。
表側の入り口から、庭園のある宮殿の反対側に行く道。
そしてここは入り口と反対側に広がる整えられた美しいバロック様式の庭園。庭園も見て回る事が出来、とても広く自然豊かですので、宮殿を見るだけなら1時間ほどあれば十分ですが、庭園や周りをゆっくり探索するとなると半日はドロットニングホルム宮殿に時間をとっても良いと思います。
こちらは庭園にある柵なのですが、こんな小さなところも王冠になっていてロイヤルなんです。ぜひ探してみて下さい。
こちらは入口にいたスタッフの方。こんなに素晴らしい、贅沢な世界遺産の宮殿だというのに、入口にロイヤルガードがいた以外は、中は各々観光客だけが自由に気ままにまわれるようになっており警備員やスタッフがいなかったのが大変印象的でスウェーデンぽいなと感じました。
ロイヤルギフトショップ
こことガムラスタン(旧市街)のストックホルム宮殿でしか手に入らないスウェーデンロイヤルグッズをチケット売り場横、そして近くにあるカフェ兼お土産屋さんで購入することができます。こちらは宮殿内チケットカウンター横のお土産売り場。
こちらは宮殿とバス停の間位にあるカフェのお土産売り場。ぜひここでしか買えないロイヤルグッズをお土産に買って下さい。
このようにカフェがすぐそばにありますので、ここでランチも可能です。
今回ご紹介していない素晴らしいお部屋も宮殿内にはありますし、筆者が実際に行ってみてこれは足を伸ばしていく価値がある場所だと強く思ったので、是非観光でお越しの際はドロットニングホルム宮殿へ足を運んでみて下さい。