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こんにちは!世界遺産白川郷にある創業明治末期の旅館「城山館」で若旦那をしている三輪了です。
世界遺産・白川郷で旅館を営んでいると、「次は飛騨高山に行くんです」というお客様がたくさんいらっしゃいます。その時に僕が必ずオススメしている場所、それが「飛騨高山美術館」です。ということで、ライターデビュー記念すべき第1回目の今回は、飛騨高山美術館をご紹介します。
アール・ヌーボーとアール・デコの
ガラスと家具の美術館
取材日はあいにくの雨模様であまりうまく写真が撮れませんでしたが、直線がとっても印象的でうつくしい外観です。
飛騨高山美術館は1997年に開館した、19世紀末から20世紀初頭までのガラス工芸とインテリアを中心に収蔵・展示している私立の美術館です。「アール・ヌーボーとアール・デコのガラスと家具の美術館」と表現すると分かりやすいかもしれません。また、ウエディングやビアガーデンなどさまざまな企画・イベントを行っており、地元の利用者も多く『地域に開かれた美術館』として地元から人気があります。
エントランスの前には、2階建てロンドンバスが展示してあります。このバスは1967年製。以前は高山駅と美術館の無料シャトルバスとして活躍していました。現在はその役目を終え、来館者をやさしく出迎えています。スタッフさんに一声かければ車内の見学も可能です。4歳になる息子はこのバスが大好きで、いつもバスの前で写真を撮りたがります。
6回連続でミシュラン三ツ星を獲得!
館内に入るとその開放的な空間に驚かされます。
と、ここでさらに驚きの事実をご紹介!
実は、こちらの美術館は、施設・ホテル・レストランの格付けで知られるあのミシュランガイドブックにて、最高ランクの三ツ星を獲得しているのです。しかも、2007年、2009年、2011年、2013年、2015年、2017年と6回連続で三ツ星に輝いています。三ツ星は「わざわざ旅行する価値がある」施設という意味を持つので、それほどの評価を受けている美術館なんです。
シャンゼリゼのガラスの噴水
広々とした階段を上がると、まず最初に登場するのが、ガラスの噴水です。こちらは目玉となる展示品のひとつ、ルネ・ラリック作の「シャンゼリゼ・ショッピング・アーケイドの噴水」です。1926年パリのシャンゼリゼ通りに、ショッピング・アーケイドのモニュメントとしてつくられたアール・デコの最高傑作といわれています。噴水からは今でも水が流れ、七色に変化する天井のライティングに照らされた噴水と、その水音はとてもとても幻想的です。
前述したとおり、こちらではウエディングも行っているのですが、その挙式はこの噴水を囲んで行われます。僕も何度かこちらで行われた結婚式に参加したことがあるのですが、この噴水の存在感はまさに圧倒的!会場を厳かな雰囲気包み込みこんでしまうので、他では体験できない唯一無二の結婚式を行うことができます。
アール・デコから現代ガラスの部屋
噴水ホールから右の部屋に入っていくと、アール・デコから現代ガラスの作品が展示してある部屋に。僕たちの日常生活で使用する花器やランプ・香水などのアイテムが、芸術作品として表現されているので、決して「遠い芸術品」ではなく「身近な芸術品」として鑑賞を楽しむことができます。
ルネ・ラリック 香水瓶
藤田 喬平 「流動」
藤田 喬平 「飾箱 紅白梅」
通常、美術館の展示室の中では写真撮影NGがほとんどですが、こちらの施設は写真撮影はOKという、とても太っ腹な美術館! インスタ映えする写真が撮り放題です(笑) 。ただし、フラッシュ撮影は不可ですのでご注意ください。
自然光の中で作品鑑賞!
展望ギャラリー
続いてのお部屋は展望ギャラリーです。
通常の美術館では、紫外線が作品に悪い影響を与えるということから、自然光をシャットアウトした展示をしています。しかし、こちらではさまざまに変化する自然光の中でガラス作品の魅力をもっと感じて欲しいとの想いから、紫外線をカットする特殊な窓ガラスを用いることで、自然光の中での展示を可能にしています。
キャプション:マウロ・ボナベンドゥー 「球」
アール・ヌーボーのガラスの部屋
続いてのお部屋はアール・ヌーボーのガラスの部屋です。エミール・ガレを中心としたアール・ヌーボーの花器やお皿、ランプなどの生活装飾品がずらりと展示されています。
エミール・ガレ 「フランスの薔薇」
こちらがエミール・ガレの代表作、「フランスの薔薇」です。繊細な色使いでとてもうつくしいのですが、どこか切なさも感じさせる作品。この作品のテーマには、当時、普仏戦争によってフランスの一部であったロレーヌ地方がドイツによって併合されてしまった悲しみが込められているため、もの悲しさが感じられる作品になっています。
ルイス・C・ディファニー ランプ「リリー」
こちらは来館者に人気が高いルイス・C・ティファニーの作品です。
ドーム兄弟 「冬景色」
僕が一番見入ってしまったのは、非常に細かな描写がされているドーム兄弟の「冬景色」。見れば見るほど、その繊細さに引き込まれていく、不思議な作品です。