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今回は、名古屋市名東区にある器と暮らしの道具の店「mokodi(モコディ)」をご紹介します。
器を中心に、毎日の暮らしの中で使う道具や”もの”をセレクトしています。大分県の「小鹿田焼き(おんたやき)」や、沖縄県のやちむんをつくる「室生窯」などの窯元の器や、作家の作品など、オーナーの市川ご夫婦が全国各地を訪れて選りすぐったアイテムが並びます。
場所は、地下鉄東山線「星ヶ丘」から、徒歩12分ほど。閑静な住宅街の中にあらわれる白い外観が目印です。
店内に並べられた商品は、民芸の器や作家の一点ものなど、手仕事が感じられる普段使いのものばかり。思わず一つひとつじっくりと眺めたくなります。
中庭横の通路を通り進むと、奥のスペースにも器やキッチンアイテムが、ていねいに並びます。
お店誕生のきっかけとなった、小鹿田焼きとの出会い
mokodiオーナーの市川さんご夫婦
2006年の5月に誕生したmokodi。まずは、オーナーの市川さんご夫婦に誕生背景やコンセプトをお伺いしました。
ー お店誕生のきっかけを教えてください。
市川さん:「九州旅行のときに、大分県日田市の「小鹿田焼き(おんたやき)」に出会ったことがきっかけです。小鹿田焼きは、九州の山奥にある10軒の窯元集落でつくられている、江戸時代から続く焼き物のことです。
小川で水車を回し、杵と臼でドスンドスンと砂や土を砕いて土づくりをするという昔ながらの製法でつくられています。そして、小鹿田焼きの特徴は一家総出でつくるというところ。女性が土づくりをし、男性が土を捏ねて粘土にし、形をつくって焼き上げます。集落の中には、大きな共同窯があり、そこで窯元それぞれがつくったものを共同で焼き上げていきます。
その様子を見たときに、とても感動したんです。そのときに、小鹿田焼きのような素晴らしいものづくりをしている、全国の職人さんや作家さんを紹介できるお店ができたらなと思ったことがきっかけですね。」
mokodi誕生のきっかけとなった「小鹿田焼き(おんたやき)」。
どんな場所で、どんな人がつくっているのか。
ー mokodiのコンセプトはなんですか?
市川さん:「飽きがこず、永く使えるもの。現代の暮らしに合わせやすいものを中心にセレクトしています。
一時の「いいな」ではなく、ずっと「いいな」と思えるものをご提案したいと考えています。1年後に飽きていらなくなってしまうものではなく、10年後、20年後も大切にしたいと思えるものをご紹介したいですね。なので、商品は一度自分たちで使用してみて、使い心地を試すようにしています。
また、どんな場所でどんな人がつくっているのかをお伝えできるお店でありたいと思っています。今の世の中、モノはたくさん溢れています。だけど、どうやってどんな材料でどんな人がつくっているのか、わからないモノがほとんどですよね……。どんな方が、どんな想いでつくっているのかお伝えできるように、できるだけ窯元さんや作家さんの元にお伺いし、お話をお聞きするようにしています。自分たちが好きで扱わせてもらっている作家さんばかりなので、自然とそうなってしまうんですけどね。」