古材、古道具をレスキューし、再び命を吹き込むリサイクルショップ「リビルディングセンター」
目次
古材で作る楽しさを体験できる『ワークショップ』
ワークショップの様子
ワークショップが行われる工房は、大きな窓から諏訪の自然豊かな景色が見えます。
ワークショップの様子
リビセンでは、木箱づくり、テーブルづくりなど月1回ほど古材を使ったワークショップが開催されています。古材の使い方のノウハウがたくさん詰まっているので、木箱づくりや、椅子づくりを体験することで、床もカッコよく貼れるコツが掴めのだそう。古材を初めて使う方、DIYをもっと楽しみたい方におすすめですよ。ワークショップには、岡山や秋田など全国から参加者が集まります。
古材との出会いの場にもなるカフェ「live in sense」
リビセンには、カフェが併設されています。「古材に興味がない人にもリビセンに来てもらえるきっかけになればいいな」という想いが込められています。カフェにある大きな窓の外は古材売り場&工房になっているので、食事やお茶をしながら、古材が運ばれていく様子や、古材が家具になっていく景色などが見られます。カフェを通して、レスキューなどリビセンの活動を知ってもらうことも多いそう。「この前も若いカップルがカフェにあるようなテーブルをつくってみたいと、古材を買っていってくれました」と笑顔で話すスタッフの金野さん。リビセンの想いは着々と、カフェを訪れた人たちにも伝わっています。
カフェカウンターは、リビセン2階の天井板を剥がしたもので、つくられています。カフェには、こうした古材を使った家具やリノベーションのアイディアが満載です。
テーブルの周囲に使われた穴の空いた材は、隣町の岡谷で盛んだった養蚕業で長年使われていたもの。
石膏(せっこう)ボードをはがしてRC(鉄筋コンクリート)の下地をそのまま活用した壁。
カフェの中央にあるペチカストーブは、レスキューしたものの使い切れない端材も無駄なく利用するための工夫。ペチカストーブは、薪を焚いたときに出る熱をレンガで作られた長い煙道に蓄熱保温する仕組みになっています。
「古材が見える大きな窓がある建物でカフェができること」を条件に物件を探していたというくらい、リビセンには欠かせない存在のカフェ。カフェ担当の華南子さんは、オープン前の4カ月間は現場作業のサポートの一方、ひたすらカフェで出すカレーづくりの研究に没頭していたといいます。
フードメニューはこちらのカレーのみ。鶏肉、玉ねぎ、スパイスを丁寧に煮込んだカレーは、果物が入っているのかと錯覚するくらい、甘い風味がじわっと口いっぱいに広がります。
カレーと並んで人気メニューのミルクたっぷりの優しい味のチャイ。
リビセンの理念と共感するモノたち
カフェの隣は、雑貨コーナーになっています。リビセンの理念と共感するものを基準に、全国のすてきなものや、おいしいものが集められています。
インドの実験器具メーカーがつくっているVISION GLASS。ここに並んでいるものは、傷が付いていたり、歪みがあったりという理由で日本に来てから検品ではじかれてしまったものたち。そんな行き場を失ったガラスたちを「No PROBLEM」という名前で展開しています。
長野県松本市で工房を構える,大久保ハウス木工舎の木べら。南京鉋(かんな)という両手を使う鉋で一本一本制作されています。
入荷したばかりの、長野県産のりんごジュース。少しずつ商品が増えています。
リビセンはただ古材や古道具をレスキューして販売しているお店ではありません。目指すのは、古いものを大切に使うという理念、文化を広げていくこと。だからこそ、リビセンには訪れる人に、古材やDIYに触れてもらうための工夫がたくさんありました。 自分たちの手でリノベーションした建物、お助け隊とつくった古材を貼り合わせた壁、工房をながめられるカフェ、古材を使った家具など。リビセンを訪れて、「古いものを大切にするって良いな、自分でも古材に挑戦できるかも」という気持ちが溢れてきました。家づくり、リノベーション、家具づくりに古材や古道具を取り入れてみるのも、選択肢の一つとして面白いのではないでしょうか。