古材、古道具をレスキューし、再び命を吹き込むリサイクルショップ「リビルディングセンター」|長野県諏訪市

2018.3.12
ReBuilding Center JAPANスタッフ集合写真

愛知県・名古屋から特急を利用すれば、2時間30分ほどで到着する長野県諏訪市。JR上諏訪駅から徒歩約10分の場所に、『ReBuilding Center JAPAN(リビルディングセンタージャパン)』はあります。1階はカフェと古材売り場、2階と3階は古道具や建具などを販売するリサイクルショップになっています。約半数は県外からの来場で、週末には東海エリアからも多くの方が訪れるといいます。今回は、ReBuilding Center JAPAN(以下:リビセン)の魅力をたっぷりとご紹介いたします。

 

 

『ReBuilding Center JAPAN』とは

 

ReBuilding Center JAPAN約20年前に移転した建設会社の3階建てビルをリノベーション。知人の方に紹介してもらい、代表・東野さんの一目惚れだったそう。

 

レスキューした建具をパッチワークした大きな窓レスキューした建具をパッチワークした大きな窓。ポートランドのリビセンにも、この様な窓があるそうです。


リビセンは、という「“ReBuild New Culture”=次の世代につないでいきたいモノと文化を掬いあげ、再構築し、楽しくたくましく生きていけるこれからの景色を、デザインしていきます。」という理念のもと、解体される古い建物や住宅から古材や建具、家具などを救済=レスキューし、販売しているお店です。

 

手がけたのは、もともと空間デザインユニット「medicala」として活躍されていた東野唯史(アズノタダフミ)さん、華南子(カナコ)さんご夫妻。おふたりはこれまで、全国各地でゲストハウスやレストランを手がけられてきました。各地を訪れる中で、数々の空き家やビルが壊される現状を知り、どうにかして救いたいと考えていたそう。そして、新婚旅行の際に訪れたアメリカ・ポートランドにある「ReBuilding Center 」に感銘を受け、日本でも同じものを作りたいと『ReBuilding Center JAPAN』の計画がスタートしました。

 

カフェに置いてある冊子リビセンのオープンまでの軌跡は、1階のカフェに置いてある冊子でも知ることができますよ。リノベーション中の様子が、たっぷりと紹介されています。


リビセンを日本でやると決めてから、オープンまでの期間はたったの10カ月ほど。リノベーションは、5名のスタッフさんと、全国から駆けつけたのべ約470人もの「お助け隊」と呼ばれるお手伝いの方の手によって2カ月で行われました。現在でも、床材を貼ったり、テーブルを造作したりなど、リビセンのリノベーションは続いています。

 

お施主さんの気持ちも一緒にレスキューする

 

レスキューの様子取材当日もレスキューされた家具や、古道具が到着していました。


リビセンでは、解体が決まったお家や店舗などの古い建物から、古材や古道具を引き取りにいくことを、「レスキュー」と呼んでいます。引き取りに行ったものは、売れる状態にして店頭で販売。レスキューの範囲はお店から1時間以内のところで、月に10件ほど行かれています。リビセンの活動は少しずつ街の人にも伝わり、今ではご近所の方からも声をかけてもらうことが増えたそう。

 

レスキューのストーリー売り場に置かれていた、レスキューのストーリー


そして、リビセンで販売されているものには、すべてにストーリーがあります。「どんな場所でどんな人に使われてきたのか」「どんな想いが込められているのか」など、お施主さんと話ながらレスキューしているそう。

 

「皆さん解体したくて、解体するわけではないんですよね。ご先祖さまから大切に引き継いだお家でも、維持ができなくなったり、仕事で引っ越さなければならなくなったり……。お話することで、少しでもそういう気持ちも救えたらなって思っています。」と、スタッフの金野さん。建具や道具だけでなく、お施主さんの気持ちもレスキューしているんですね。

 

では、ここからは実際にお店の中をご紹介していきます。

 

※商品は随時変わります。

 

1F:レスキューした材木が並ぶ「古材売り場」

 

古材売り場


リビセンのベースにあるのが、こちらの古材売り場。重機を使わないで人力でなんとかなる範囲でレスキューをしています。そのため、取り扱っている古材の多くは床材などの板材や床柱などで、躯体に関わらないものがほとんどです。レスキューしたものを、一つずつくぎを抜き洗い販売しています。材料選びに困ったときには、スタッフさんが相談にのってくれるので、DIYが初めての人でも挑戦してみてくださいね。

 

床材

床材床材は1枚から購入が可能です。和室の畳の下地材などを、丁寧に手作業でレスキューしています。

 

材木

材木こちらの箱の中はどれでも¥300。ちょっとした小物づくりや、お子さんの工作の材料として購入される方が多いそう。

 

大きな木材木材には、木の種類や金額が書かれています。大きな木材はテーブルの天板に。

 

諏訪の御柱祭で使われた御柱の一部諏訪の御柱祭で使われた御柱の一部。お役を終えた御柱は輪切りにされ、地元の有力者やお店に配られます。まさに、諏訪を象徴する古材。

 

作業スペース作業スペースでは、古材のサイズを整えたり、リビセンがデザインした店舗用の家具が製作されていました。

 

2F:古道具売り場

 

古道具売り場


2階3階には、レスキューした家具や道具が所狭しと並んでいます。すべての売り場面積を合わせると、約1,000㎡にもなり、毎月10件程度のレスキューによってラインナップが更新されていきます。基本的には、無垢材、鉄、陶器、ガラスなど、次の世代につなげていきたい素材でできたものばかりです。

 

レスキューしたタンスレスキューの依頼が特に多いというタンス。こうした大きな家具は配送も可能ですので、スタッフさんに相談してみてくださいね。

 

和ダンス少し修理が必要なものもありますが、ほとんどはそのまま使える状態です。

 

いろいろな形のアイアンパーツいろいろな形のアイアンパーツ。オブジェにしたり、ペーパーウェイトにしたり。

 

古道具売り場古道具や、レトロな鏡など。お施主さんから、「これも引き取ってくれるの?」と驚かれることも多いそう。

 

下駄スケート信州らしいアイテムを見つけました。元オリンピックスケート選手の実家からレスキューしたという「下駄スケート」。

 

古いミシン台古いミシン台はテーブルやディスプレイ棚としても活躍します。脚を外して、オリジナルのテーブルにしても。

 

いろいろなタイルいろいろなタイル 5枚¥100〜 ご近所のおじいさんが「良かったら使って」と持ち込みレスキューしてくれた一品。

 

小物づくりにも人気!『レトロガラス』

 

レトロガラス

 

2階の奥はガラスコーナーになっています。大正・昭和の時代につくられたガラスは手作業によってつくられているので、独特なゆらぎがあり、レトロな柄も魅力的です。こちらのガラスは、計り売りで4,000円/㎡。ガラス小物をつくったり、建具のガラスをはめ直したり、用途はさまざま。いろんなタイプのガラスからお気に入りの一枚を探してみてくださいね。

 

ガラスコーナーガラスのサイズが合わない場合は、ガラスカットも依頼できます。(30cm以内:¥200/カット、30cm以上:¥400/カット)

 

レトロガラスレトロガラスならではの、ほっこりとしたデザイン。

 

リノベーションに!古民家の修理に!『建具コーナー』

 

建具コーナー


ガラスコーナーの横は、建具が集められています。お値段は¥2,000〜。リノベーションの際に、こうした古い建具を一枚入れるだけでも、グッと空間がすてきになりますよ。その他にも、ガラス同様、古民家の修理などに使われる方も多いそう。

 

建具コーナー値段は、¥6,000〜¥8,000のものが中心。

 

建具コーナーガラスが入っていないものは、レトロガラスと組み合わせて、自分だけのオリジナル建具にしても。

 

懐かしさにほっこり『食器&キッチン雑貨コーナー』

 

食器&キッチン雑貨コーナー


2階の階段横は、お茶碗、グラス、お皿などを集めた、食器&キッチン雑貨のコーナーになっています。古い民家の解体が多いので、食器の個数も4枚、8枚など、複数枚そろっているものが多かったです。家族分そろえられるのはうれしいですよね。

 

レトロな柄がかわいらしいお茶碗レトロな柄がかわいらしいお茶碗たち。¥300〜

 

手書きのポップ店内に置かれているスタッフさん手書きのポップもほっこりします。

 

湯のみ茶碗湯のみ茶碗¥300〜。レスキューする機会が多いので、ラインナップは頻繁に変わります。

 

フォークやスプーンフォークやスプーンなど ¥100。6本で¥500とまとめ買いするとお得です。

 

3F:古道具売り場

 

古道具売り場


3階は椅子、木箱、照明、テーブルなど、持ち運びしやすい家具や古道具が販売されています。車でそのまま持ち帰られる方も多いそうですよ。革やファブリックの状態もよく、まだまだ現役で活躍するものばかりです。

 

古材を貼り合わせた壁古材を貼り合わせた壁は、お助け隊と一緒に製作されたもの。

 

椅子やテーブルの脚椅子やテーブルの脚など。古材の板と組み合わせて、自分だけのテーブルや、ベンチにしても面白いですよ。

 

編み込みのかご編み込みのかごは、がさっと収納に便利。編み方もいろいろなので、好みのものを探してみてくださいね。

 

木箱木箱も年月が経ったからこその味わい。小さなものから、大きなものまで、サイズはいろいろ。木箱好きにはたまりません。

 

茶箱茶箱は湿気を防ぐため、内側にブリキが貼ってあります。保存箱や収納箱に最適な優れもの。

 

ステンドガラスの照明照明もレトロな雰囲気がかわいらしいステンドガラスの照明。

 

古材で作る楽しさを体験できる『ワークショップ』

 

ワークショップワークショップの様子

 

ワークショップが行われる工房ワークショップが行われる工房は、大きな窓から諏訪の自然豊かな景色が見えます。

 

ワークショップワークショップの様子


リビセンでは、木箱づくり、テーブルづくりなど月1回ほど古材を使ったワークショップが開催されています。古材の使い方のノウハウがたくさん詰まっているので、木箱づくりや、椅子づくりを体験することで、床もカッコよく貼れるコツが掴めのだそう。古材を初めて使う方、DIYをもっと楽しみたい方におすすめですよ。ワークショップには、岡山や秋田など全国から参加者が集まります。

 

古材との出会いの場にもなるカフェ「live in sense」

 

live in sense

live in sense

 

リビセンには、カフェが併設されています。「古材に興味がない人にもリビセンに来てもらえるきっかけになればいいな」という想いが込められています。カフェにある大きな窓の外は古材売り場&工房になっているので、食事やお茶をしながら、古材が運ばれていく様子や、古材が家具になっていく景色などが見られます。カフェを通して、レスキューなどリビセンの活動を知ってもらうことも多いそう。「この前も若いカップルがカフェにあるようなテーブルをつくってみたいと、古材を買っていってくれました」と笑顔で話すスタッフの金野さん。リビセンの想いは着々と、カフェを訪れた人たちにも伝わっています。

 

live in senseのカフェカウンターカフェカウンターは、リビセン2階の天井板を剥がしたもので、つくられています。カフェには、こうした古材を使った家具やリノベーションのアイディアが満載です。

 

古材を使ったカフェのテーブルテーブルの周囲に使われた穴の空いた材は、隣町の岡谷で盛んだった養蚕業で長年使われていたもの。

 

下地をそのまま活用した壁石膏(せっこう)ボードをはがしてRC(鉄筋コンクリート)の下地をそのまま活用した壁。

 

ペチカストーブカフェの中央にあるペチカストーブは、レスキューしたものの使い切れない端材も無駄なく利用するための工夫。ペチカストーブは、薪を焚いたときに出る熱をレンガで作られた長い煙道に蓄熱保温する仕組みになっています。


「古材が見える大きな窓がある建物でカフェができること」を条件に物件を探していたというくらい、リビセンには欠かせない存在のカフェ。カフェ担当の華南子さんは、オープン前の4カ月間は現場作業のサポートの一方、ひたすらカフェで出すカレーづくりの研究に没頭していたといいます。

 

オリジナルのカレーフードメニューはこちらのカレーのみ。鶏肉、玉ねぎ、スパイスを丁寧に煮込んだカレーは、果物が入っているのかと錯覚するくらい、甘い風味がじわっと口いっぱいに広がります。

 

優しい味のチャイカレーと並んで人気メニューのミルクたっぷりの優しい味のチャイ。

 

リビセンの理念と共感するモノたち

 

カフェの隣の雑貨コーナー


カフェの隣は、雑貨コーナーになっています。リビセンの理念と共感するものを基準に、全国のすてきなものや、おいしいものが集められています。

 

VISION GLASSインドの実験器具メーカーがつくっているVISION GLASS。ここに並んでいるものは、傷が付いていたり、歪みがあったりという理由で日本に来てから検品ではじかれてしまったものたち。そんな行き場を失ったガラスたちを「No PROBLEM」という名前で展開しています。

 

大久保ハウス木工舎の木べら長野県松本市で工房を構える,大久保ハウス木工舎の木べら。南京鉋(かんな)という両手を使う鉋で一本一本制作されています。

 

長野県産のりんごジュース入荷したばかりの、長野県産のりんごジュース。少しずつ商品が増えています。

 

ReBuilding Center JAPAN

 

リビセンはただ古材や古道具をレスキューして販売しているお店ではありません。目指すのは、古いものを大切に使うという理念、文化を広げていくこと。だからこそ、リビセンには訪れる人に、古材やDIYに触れてもらうための工夫がたくさんありました。 自分たちの手でリノベーションした建物、お助け隊とつくった古材を貼り合わせた壁、工房をながめられるカフェ、古材を使った家具など。リビセンを訪れて、「古いものを大切にするって良いな、自分でも古材に挑戦できるかも」という気持ちが溢れてきました。家づくり、リノベーション、家具づくりに古材や古道具を取り入れてみるのも、選択肢の一つとして面白いのではないでしょうか。

 

【ReBuilding Center JAPAN】
住所  :〒392-0024 長野県諏訪市小和田3-8
最寄り駅:JR中央本線 上諏訪(かみすわ)駅 徒歩10分
定休日 :水曜日・木曜日
営業時間:cafe 11:00~18:00 古材 11:00~18:00
tel   :0266-78-8967
http://rebuildingcenter.jp/

名古屋からの行き方
◉電車:名古屋駅→ワイドビューしなの長野行→塩尻駅→あずさ20号→上諏訪駅→徒歩10分(計2時間ちょっと)
◉クルマ:名古屋駅から中央道を通って諏訪ICか岡谷ICで下車25分(2時間半~3時間)