養護施設出身の若者たちがさまざまな問題を抱えながらも家族と仲間の絆、友情を築いていく様子を描いた映画『SOMEDAYS』が公開!
BOYS AND MENの勇翔さんと西尾まうさんがダブル主演を務め、さらにBOYS AND MEN の辻本達規さん、平松賢人さん、本田剛文さんらが出演するなど、名古屋にゆかりのあるキャスト陣の出演も注目の今作。
「名古屋ミッドランドスクエア」では、公開を記念して4日間にわたり舞台挨拶が開催!作品の見どころや撮影中のエピソードなど、さまざまなトークが繰り広げられるなか、初日にはBOYS AND MENの5人が劇中歌2曲を披露。初日の模様と、西尾まうさんと勇翔さんの主演コンビで行われた3日目の舞台挨拶の模様をレポート!
■あらすじ■
幼い姉弟に「必ず迎えに来るからね」 児童養護施設に預けられる幼い姉の松平香と 弟の松平勇人は すぐに母親が迎えに来ると思っていたが、母が迎えに来ることはなかった。 年齢で養護施設を退園した香と勇人は、二人で母親を探しながら 社会の片隅で懸命に生きていた。ある日、育った養護施設の廃園が決まり、閉園式の手紙が二人の手元に届いた。 閉園式でかつての仲間、佐藤良太、渡辺洋介、西川光と再会する。プロのダンサーを目指して施設の庭で夜ダンスの練習をしていた 5 人だったが、 生きていくためにいつの間にか夢を追いかけるのをやめていた。しかし、光だけはインディーズのダンスグループで夢を追いかけていた、ダンスグループ「SOMEDAYS」に初めてのオファーが入り 自分たちのように喜んだ香たちだったが、そのグループは仲間割れで解散してしまっていた。 「だったら俺たちが一緒にやってやるよ!」良太の一言で 即席の「SOMEDAYS」が再結成された。
目次
2023年マドリード国際映画祭で
曽根剛監督・西尾まうさんがW受賞!
『ミッドランドスクエアシネマ2』にて4日間に渡って行われた舞台挨拶。舞台挨拶初日には、西尾まうさん、勇翔さん、辻本達規さん、本田剛文さん、平松賢人さん、そして曽根剛監督が登壇しました。
松平香役を演じた西尾さんは、「今日やっと皆さんにこの作品を届けられて幸せです」とコメント。松平勇人役を演じた勇翔さんは、「撮影から1年以上経ち、やっと皆さんに観てもらえる日が来たということで、とてもありがたい気持ちです」と公開の嬉しさを滲ませました。
2023年マドリード国際映画祭で、最優秀外国映画主演女優賞と最優秀外国映画監督賞を受賞した今作。曽根監督は、「ものすごい緊張感で、心臓もバクバク。“どうなるんだろう?どうなるんだろう?”というなかで、最優秀監督賞と、最優秀主演女優賞の2つ受賞させていただけて本当にありがたかったです」と映画祭での心境を振り返りました。
素の部分やアドリブも満載!
撮影中に監督から“意外な指示”
– 演じたキャラクターとの共通点はありますか?
勇翔さん:「勇人という役は、昔ちょっとお母さんと別れていたという設定がありました。そういった家族との距離感みたいなのが、僕も同じような時期があったりしたので、自分自身と役が重なりましたね」
西尾さん:「弟に支えられてる姉という部分では、私自身も今回のキャストやスタッフの方々に本当に支えられたので、シチュエーションがナチュラルだなって思って演じてました。後先を考えずに楽しいことを常に求めて演じていたので、とてもナチュラルに演じることできて、すごく楽しかったです」
辻本さん:「逆に違いを探す方が難しいかもしれないです(笑)“とにかく先陣切ってやろう!”と突っ走っちゃう部分や、僕が掛け声をしてるのに誰も反応しないシーンとか、自分と重なる部分があったので、すごく自然体で演じることができました」
本田さん:「洋介というキャラクターは、軽い奴にも見えるし、職業がホストなんです。インスタでも、“本田くんのホスト役を楽しみにしてます”とか、“今まで見たことない本田くんが見れそう”とメンションをしていただいていたんですが、ホストのシーンが全然ないんですよ(笑)一発シャンパン開けるぐらいのシーンが、あった方が良かったんじゃないかなと思います(笑)洋介はチャラい一面ものぞかせるけど、一番センシティブな一面も持っているキャラクターだと思います。人としての弱さみたいなところも描かれているので、そのあたりは作品の中でも重要なポイントなので、楽しみにしていただきたいです」
平松さん:「劇中では、僕が元々音楽をやっていて、このメンバーでチーム「Somedays」を結成するという設定。メンバーに教えたり、進行役を担うシーンも多かったので、そういう部分がBOYS AND MENでの自分自身の活動と似ていました。BOYS AND MENのダンスリーダーを担当しているので、ダンスシーンではすごくナチュラルにお芝居ができたと思います。曽根監督も“ダンスシーンは自由に、おまかせします”という雰囲気だったので、撮影をしながらメンバー達にダンスを教えていって、そこに教わる良太役の辻本達規がいて、“どういう振り付けだったっけ?”という自然な会話を交わしながら、シーン全体のお芝居がまとまっていった感じでした」
曽根監督:「この作品では、それぞれのキャラクターが、そのまま素を出して演じていった方が良い作品になるんじゃないかと思いました。それぞれの個性を活かすように、脚本をちょっと変えてみたり、アドリブで演じてもらったりもしました」
本田さん:「監督から“台本を覚えないでください”って言われた時は驚きました(笑)」
辻本さん:「僕は嬉しかったですね!覚えなくていい!早く寝れるって(笑)」
曽根監督:「辻本さんの役は、長い台詞が多いので、覚えようとすればするほどキャラクターから離れちゃうんですよね。なので、辻本さんは台詞を覚えずに動いてもらった方がいいなと。毎回、台詞が違っていて面白かったです(笑)」
「物語も音楽も楽しんでほしい」
スペシャルライブで劇中歌を披露
登壇陣のトーク後は、ステージ前で5人によるスペシャルミニライブを披露。西尾さん、勇翔さん、辻本さん、平松賢さん、本田さんの5人によるスペシャルミニライブが開催!劇中歌としても起用された、「Somedays」と「未来」の2曲を披露しました。
エンディング挨拶では、本田さんは「“家族”という言葉の定義は、人それぞれ。血の繋がりもあるし、そうでない家族もいると思います。やっぱり家族は大切だし、大切な人を大事にしたいと思える映画だと思います」と“家族”の在り方についてコメント。
辻本さんは「みんなすごく魅力的なキャラクター。その中でも僕が演じた佐藤良太は、本当にいい奴なので、よかったら佐藤良太の気持ちになって、この映画を観てください」と話し、平松さんは「劇中歌が配信されていたり、いろんな角度から楽しめる作品。ストーリーを深掘りしたい方は、分厚いパンフレットも用意されていますよ」と辻本さんに続き、“今作の楽しみ方”を観客たちに伝授しました。
曽根監督からは、「物語も音楽も、そしてキャストの方々の演技も楽しんでいただきたいと思います」とコメント。続けて、「「未来」という曲の歌詞、そして劇中での余韻を楽しんでいただきたいと思います」と今作へと想いを語りました。
雨予報のマドリードが奇跡の快晴!
勇翔さんが夢中になった“あるもの”とは?
3日目の舞台挨拶では、西尾まうさんと勇翔さんの主演コンビが登壇。トークは、マドリード国際映画祭が行われた、スペイン・マドリードで過ごした日々を振り返るところからスタートしました。
– 映画祭以外の時間は、マドリードでどのように過ごしていましたか?
勇翔さん:「1日目はマドリードの文化を知るために色々な場所を観光して、2日目は、マドリードの街なかで今作の公開時に上映する、特別映像の撮影をしていました。でも、撮影場所が観光地なので、2日目も観光しているような気分でした(笑)」
西尾さん:「撮影当日の天気予報は雨予報だったんです。朝は少し雨が降っていたんですが、撮影が進むにつれて、どんどん雨雲がなくなって……!途中から太陽も見えはじめたので、すごく綺麗な映像が撮れたと思います」
– 撮影中に印象に残っている出来事はありますか?
勇翔さん:「色々あるんですが、アドリブでの撮影が印象的に残っています。実は今作では、アドリブで撮影したシーンがそのまま使用されていたりするんです。例えば、養護施設を出ながら勇人が良太や洋介たちと「久しぶりだね」と会話するシーン。会話の内容は、全部アドリブなんです。あと、ダンスレッスン中のシーンも基本的にアドリブ。洋介と勇人が二人で喋ったあとに、野球みたいなことをするシーンもアドリブで、いきなり洋介役の辻本が“野球やろうぜ!”みたいなことを言い出して。“いきなりか!?”って驚いたけど、カメラは回ってるし、やらないと!と思って頑張りました(笑)」
西尾さん:「私は、勇人が車を運転するシーンです。想像以上に勇翔くんが運転を楽しんでいまして……(笑)“そんなに運転する必要ある?”というくらい、長めに運転していたという印象です。曽根監督も楽しんでいて、「あっち行ってみよう、こっちにも行ってみよう!」と色々な指示を出して、そのたびに勇翔くんが元気よく「はい!」って答えていました」
勇翔さん:「僕自身、車の運転が好きなんです。普段乗っているような車ではない車種だったので、すごく運転をしたくて(笑)運転の撮影中は、「久しぶりの運転だ~!」と楽しんでいました。次の撮影場所へ車で移動をするときも、運転させていただいていました」
– 勇翔さんは車がお好きなんですね!
勇翔さん:「「勇翔の峠道」というYouTubeチャンネルを開設して、色々な車を紹介したりしています。マドリードでも街なかに並んでいる車が気になって、「勇翔の峠道」の撮影をしちゃいました」
西尾さん:「めちゃくちゃ興奮していましたよね!私や曽根監、スタッフさんがいるなか、1台ずつ車を眺めながら、“これもマニュアル、これもマニュアル……!”とつぶやきながら、動画を撮影されていていました(笑)」
家族の大切さはもちろん、
さまざまな“家族の在り方”を知ってほしい
– お芝居の面で、撮影が大変だったシーンはありますか?
西尾さん:「物語の最後で、香が配信をするシーンです。撮影を行ったタイミングも、今作の撮影の終盤でした。曽根監督から、“台本通りでなくていい。今作の撮影をしていくなかで感じたことを、そのまま言葉にしてほしい”と指示をいただいていたので、責任重大なシーンだなと。プレッシャーもありましたし、“しっかり伝えたい!”という自分の想いも強かったので大変でした」
勇翔さん:「僕はまた、車の話に戻ってしまうんですけど……(笑)車を運転しながら、お芝居をするって難しいなと思いました。車を運転することは好きなので、運転すること自体は問題ないんですけど、役として、台詞のある状態で、運転するとなると、少し緊張する部分もありました。一緒に乗っている、西尾さんなど5人の命を預かっている身なので……。“ここを右に曲がる”、“ここは左に曲がる”というように道順や運転の流れが決まっていたら、多分そこまで苦労することはないと思うんですけど、道順などは自由だったんです。実際に運転しているのは僕だけど、僕の心は勇人としてお芝居をしている。実際の行動と感情にギャップがあったので、そのあたりのバランスをとることが難しかったです。」
– 最後にメッセージをお願いします!
西尾さん:「この映画は、1回だけでなく、2回、3回観ても面白い作品。観るたび、色んな発見や新しい感じ方ができる映画だと思います」
勇翔さん:「多くの方にこの映画を観ていただいて、改めて家族の大事さを感じていただけたら嬉しいです。血の繋がりだけではない、“家族の在り方”を考えていただいて、受け止めていただけたら嬉しいです」
曽根監督や出演者同士の和やかな会話にアットホームな雰囲気が漂っていた舞台挨拶。勇翔さんが最後に話していた、「血の繋がりだけではない、“家族の在り方”」のひとつを垣間見えたように思います。家族はもちろん、“家族のように”寄り添ってくれる人に、改めて感謝を伝えたくなる物語です。
映画『SOMEDAYS』は、池袋HUMAXシネマズほかにて全国順次公開中。