石版画のワークショップ に参加。Stone Letter Project #6「ロストイントランスレーション」を探る
目次
workshop 2 100年前の石版を刷ろう
お昼の休憩中にギャラリーへ行くと、ちょうど「workshop2」が始まる時間で、好きな石の画像を印刷させてもらいました。
会場にいらっしゃったのはLbHのメンバーの坂井淳二さんと田中栄子さん。
細かい絵のこちらの版は、銅版画で作ったものを転写したのではないかとのお話がありました。タバコのパッケージに使用されていたのでしょうか。Peaceのパッケージも!
お揃いのエプロンが並んでいるのでお借りして刷らせてもらいます。
まずは好きな柄の石を選びます。
指導してくださったのはLbHのメンバーの坂井淳二さん。
ローラーを転がしてインクをたっぷりローラーにつけます。
石の上にインクをのせて
紙をのせ、プレス機を通すと……。
オレンジのインクがきれいです!
刷った紙は持ち帰らせてもらえます!
お隣のプレス機ではLbHのメンバーの田中栄子さんが来場した方の選んだ石を刷る準備をしていました。
展示会場入り口には、ショップがあります。
LbHのおしゃれなエコバックや、活動をまとめた冊子、衣川さんの作品や作品集、石版を見ることができます。
LbHの冊子と衣川さんの小作品集。石版の展示も。
他にも素敵な作品、商品がたくさんあります。
ぜひお立ち寄りくださいね。
今回のワークショップは1日かけて様々な体験ができて充実した1日でした。
LbHのみなさんにお会いできて、贅沢な時間でした。
学生時代、授業でリトグラフを教えてもらった時は、他にもピンクの液を塗ったり、粉をかけたり、一度黒いインクをのせたり……。工程がなかなか覚えられず、壁に貼ってある手順の紙をみて必死に制作していましたが、原理はシンプルだということがわかりました。
自分でもまた挑戦してみようかな。と思いました。
今私たちが目にしている多くの印刷物は、先人たちの発見や企業努力により、短い時間で、安く、大量に印刷ができるようになりました。
そんな中でも、石版の技術は歴史の中で役割や形を変えながら伝えられてきました。そこには石の温かみやインクの風合いがあり、多くの人を魅了してきたからです。
workshopに参加することで、リトグラフのしくみをより理解することができました。
少しでもトランスレーションできていたら光栄です!家でもできそうな石版画、みなさんもぜひ試してください。科学的な要素もあり、夏休みの自由研究にもいい題材だと思います!
LbHの活動はこれからも続きますので、今回ワークショップに参加できなかった方は、instagramやfacebookをフォローしてまたの機会にぜひご参加くださいね。
みなさんも一緒にこれからの活動を応援していきましょう!
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ストーンレタープロジェクト #6 「ロスト イン トランスレーション」
Lighter but Heavier
2023年5月6日(土)- 16日(火)
12時15分 – 18時
名古屋芸術大学
Art & Design Center West
〒481-8535愛知県北名古屋市徳重西沼65番地
TEL:0568-24-2897
Stone Letter Project #6
Lost in Translation
1798年にリトグラフを発明したアロイス・ゼネフェルダーはその後1818年には『石版全書』を出版し、石版印刷技術を世界に広めることに尽力しました。その理由は彼のビジネス的観点からでもあるのですが、それ故に技術を正確に伝えることに努めたと言えます。ゼネフェルダーの試行錯誤の末に発明された石版印刷には、正確な技術を記した『石版全書』という原典があることで技術が正しく伝播し、のちに産業印刷の主軸となりました。日本に本格的に石版印刷技術が広がった明治時代にも多くの技法書、石版印刷業指南書が出されています。それをもとに職人から職人へと技術が伝承されたことが容易に想像ができます。産業印刷として発達した石版印刷はその後も多くの技法が開発され、およそ110~70年ほど前に金属版を利用したオフセット印刷に移行し現代に至ります。石版印刷工房の中で職人が培ってきた特別な技術は役目を終えたその時点で伝承されることなくやがて消えていきました。今回展示する京都市立芸術大学所蔵のおよそ100年前の、おもにタバコのラベル印刷に使用された石版の表面にも、その役目を終えた瞬間がそのまま固定化されており、現代のリトグラフの技法では使われていない技法をたくさん見つけることができます。
現在、石版技術は美術大学といくつかの版画工房で保存、継承されていますが、美術大学においては作品制作に適した技法を選び伝えているともいえます。私たちが学生として学んだ技法も教員として大学の授業で伝えていることも、選ばれたほんの一部にすぎず、歴史のなかで職人や技術者によって培われた膨大な技法はほとんどロストしている、と考えると眩暈を覚えてしまいます。
今回のStone Letter Project #6では” Lost in Translation”というタイトルを掲げました。伝えるうちに欠落していく情報、伝えたくてもうまく伝わらない、ということが直訳に近いところでしょう。これはLbHの活動の中でいつもつきまとう問題であり、実感でした。リトグラフという技法の説明のし辛さ、明快に言えない表現としての特徴、リトグラフを語るときに感じるこの歯切れの悪さは何に由来するものなのか。この伝わらないことへの違和感があったからこそLbHは多くの作家や学生とコラボレーションやワークショップにおいても「全てを知るもの」としてではなく「共に考えるもの」として行い、そこで得たことを不完全であっても次に伝えることを運動のように重ねてきたのだと思います。このStone Letter Project #6でも”Lost in Tranlation”を自覚しながら、石版に初めて触れる方々の驚きや感想を共有し、なお伝えることを懸命に行う展覧会を目指します。
Lighter but Heavier
リトグラフ(Lithograph)
石版画あるいは石版印刷。Lithoはギリシャ語で石を意味し、graphは印刷を意味する。藩の構造からは平版に分類される。アロイス・ゼネフェルダーがリトグラフを発明した当初は石灰石をはんにしていたが、次第に金属版へ移行し、現在はアルミニウムプレートが使用される。
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