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秋が徐々に深まる季節になってきましたね。11月になれば、各地で紅葉が見頃を迎えます。そんな紅葉の時期にぜひ訪れていただきたいお寺が岐阜県多治見市にある「虎渓山 永保寺 」です。
鎌倉時代1313年(正和2年)に建てられたこちらのお寺は、鎌倉末期に建てられた「観音堂」と「開山堂」は国宝に指定。池泉回遊式庭園は日本にとって、芸術上また観賞上価値の高い国の名勝として指定されている岐阜県を代表する名寺です。秋には紅葉が見頃を迎え、樹齢約700年の大銀杏をはじめとする紅葉が境内に色づきます。
永保寺の歴史
永保寺本堂
まずは簡単に永保寺の歴史からお話します。
永保寺の正式名称は『臨済宗南禅寺派 虎渓山永保寺』。「虎渓」の名前の由来は、臨済宗の禅僧・夢窓疎石がこの地を訪れた際、中国 蘆山(ろざん)虎渓の風景(現在は世界遺産)に似ていたことに由来すると言われています。
永保寺は、1313年(正和2年)臨済宗の禅僧・夢窓疎石によって建てられたお寺です。夢窓疎石は、庭園の名手としても名高く、鎌倉の瑞泉寺、京都の苔寺や天竜寺など多くの名庭園を世に残しています。2003年(平成15年)には、火災によって「本堂」と「庫裏(くり)」が全焼してしまいます。しかし、永保寺の再建を願う市民たちの協力によって、募金活動が行なわれ、2007年(平成19年)に庫裏、2011年(平成23年)6月に本堂が火災が起こる前と同じ姿で再建されました。
現在では、国宝観音堂内や境内を使った「禅式結婚式」を挙げることができるお寺としても人気を集めています。ここからは、実際に永保寺で参拝してきましたので、その様子をお届けしていきます。
永保寺は多治見駅から約10分の場所にあります。バスも随時運行中。駐車場(無料)は線路を渡る手前に完備されています。
庭園が見事な「永保寺」
車を停めたら歩いて永保寺の境内へ向かいます。
境内に入ると見事な庭園がお出迎えしてくれます。こちらの庭園は、池泉回遊式庭園(ちせんかいゆうしきていえん)」と呼ばれるもので、夢窓疎石の特徴を残す名庭園として国の名勝に指定されています。
池をのぞくと鯉たちが集まってきました。
庭園内の池は「臥龍池」の中央にある橋が「無際橋」。この橋は、煩悩にまみれた此岸(しがん)の世界と、煩悩から解放された彼岸(ひがん)の世界を結ぶ橋と言われています。日本百名橋にも選ばれており、とても趣があります。
角度によって橋の表情が異なるので、みなさんいろんな角度から橋を撮影されていました。
岩の上に建っているのは六角堂です。こちらには、千体地蔵が祀られています。願いをかける人が地蔵を借り、願いが叶うと新しい地蔵を添えて返されています。
橋を渡ると、見えるのが観音堂です。別名「観音閣」「水月場」とも呼ばれており、国宝に指定されています。禅宗独特の屋根の反り具合がとても美しいです。
観音堂の奥にひっそりと佇むのが、同様に国宝に指定されている「開山堂」です。室町時代初期の禅宗様を伝える代表的な建造物と言われています。堂内には永保寺の創建に携わった夢窓疎石と元翁本元の仏像が安置されています。
高さ25m、樹齢約700年のイチョウの木も見応えが十分。紅葉の時期から少し遅れた12月頃になるとイチョウの葉が黄金色に輝きます。