【名古屋・亀島】モーニングがレトロで可愛い!創業昭和38年の老舗喫茶店「喫茶チロル」

名古屋 西区
掲載日:2022.06.30
【名古屋・亀島】モーニングがレトロで可愛い!創業昭和38年の老舗喫茶店「喫茶チロル」

地下鉄「名古屋」駅から歩くこと約5分、ルーセントタワーを越えた先に位置する「喫茶チロル」。数多の喫茶店が集まる名古屋駅周辺エリアで、昭和38年(1963年)から続く老舗喫茶店です。

昭和レトロで可愛い!とSNSでも話題沸騰中のモーニングサービスや、昔懐かしい喫茶店ならではのドリンクや食事が楽しめます。

雪山ロッジをイメージした店内
昭和レトロな家具や雰囲気にうっとり

「COFFEE・SNACK CHIRORU」と書かれたお店の看板が目印。ショーウィンドウにはメニューと共に、ドリンク・フードの食品サンプルが飾られています。

お店の入り口隣には小さな小窓が設置されており、外から切手や印紙・はがきが購入できるようになっています。昭和レトロチックな雰囲気がたまりません。

温かな電球色で照らされた店内、真っ赤なソファが目を引きます。先代オーナーがスキーヤーだったということもあり、内装は大好きなスキー場のロッジをイメージしてデザインされたそうです。

広々としたテーブル席で、お隣さんとの距離も気にすることなくゆったりとくつろげます。

レトロ好きの心くすぐる喫茶店名物”ゲームテーブル”もありましたよ!現在は、ブラウン管が故障してしまったため遊ぶことはできないとのこと。それでも見かけると嬉しくなり、ついつい座りたくなる喫茶店の特等席。

昭和38年創業
『喫茶店チロル』のあゆみ

昭和38年創業の喫茶チロルは、おそらくこの亀島地区で一番歴史の長い喫茶店なのではないでしょうか。

今回は二代目店主の加藤さんにお話を伺いました。取材にあわせて創業当時の貴重なお写真も用意してくださいましたよ。

-名古屋駅で59年続く老舗喫茶店、お店の歴史について教えてください。

加藤さん:「当時、この辺りの道路はまだ舗装もされておらず、コンクリートではなく砂利道だった、そんな時代。これは創業時の写真です。チロルは1階がお店で、2階が居住スペースになっています。写真では切れてしまっていますが、写真左側にはUCC(上島珈琲)の会社が隣にありました。

ある日、UCCの会長さんから初代店主の父に”喫茶店を経営したいからこの場所を貸してくれないか”と相談をされたそうなんです。その頃、まだ父は別の仕事をしていました。しかし、その相談がきっかけとなり、好奇心旺盛な父は、誰かに場所を貸すならば自分で喫茶店をやりたい……と。喫茶チロルをオープンすることに決めたそうです。」

加藤さん:「ご安心ください。その後も会長と父は仲が良く、チロルを始めてからもよくお店に遊びに来てくれました。そんな私の父と母が2人で始めたこのお店も、おかげさまで今年59年目を迎えることができました。

お店を始めたころは”喫茶店”というものはまだまだ少なかったんですけどね。私が小学生高学年ごろだったかな。​喫茶店ブームが巻き起こり、同じ町内に4〜5店舗もの喫茶店がオープンしたこともありましたよ。あの頃は今のようにおしゃれなカフェなんてありませんでしたからね。カップルのデートといえば喫茶店が定番だったのではないでしょうか。」

お父さまと会長が写るセピアに色褪せた写真は、「この色褪せ具合が良いんだよね」と、お父さまお気に入りの一枚なんだとか。

-お店の名前の由来は何ですか?

加藤さん:「スキーヤーたちのメッカ、アルプス山脈が連なるオーストリアの”チロル地方”から。スキークラブを作ってしまうほどのスキー好きだった父が名付けました。お店の隣では親戚のおじさんが建設会社を経営していましたが、場所を移すということになり、空き家になった時にはそこでスキー・スポーツ用品店も営んでいたこともあります。」

加藤さん:「他にも父は、空手”普現流”の宗家としても活躍していました。今はお弟子さんが継承し、多くの人たちに指導を続けてくれています。とにかくとても楽しい人です。本当にアクティブな人でした。」

※「宗家」とは、自ら流派を立ち上げた創始者の敬称のこと

シルバープレートが可愛いチロルのモーニング

チロルでは一人ひとり、鉄製プレートにのせてモーニングを提供しています。レトロな雰囲気がとってもカワイイと人気で、ネットで見かけてご来店されるお客さんも多いとのこと。

加藤さんいわく、もの心ついた時から”モーニング”といえばこのスタイルだったので、他のお店でもプレートに乗ってくるのが普通だと思っていたんだそうですよ。

モーニングサービス(7:00~10:30)

お好きなドリンクをご注文いただくと、トーストとゆで卵がついてきます。焼きたてのトーストは”フワッ&サクッ”。表面で溶けたバターがジュワっと広がり美味しさ倍増。

モーニングサービスのポイントは、やっぱりこのパンの厚さ!『モーニングで提供するパンはできるだけ厚く』が先代店主のこだわりだったそうです。今でもしっかりと引き継がれています。プラス50円で小倉もしくはいちごジャムをトッピングできますよ。

お店のロゴ入りカップはノリタケの特注品。シンプルなデザインがシックで素敵。

コーヒーは、”ネル”と呼ばれるコットン素材の布製フィルターを使用して、丁寧にドリップしています。ペーパーフィルターと比べ、口当たりがなめらかで、しっかりとしたコクを味わえると人気の抽出方法です。チロル秘伝の配合でブレンドされた贅沢な一杯をゆっくりと味わってみてください。

一押しのメニューをご紹介!!

創業当時から変わることのないチロルの喫茶めし。ひと口たべるとポッと心が温かくなる、そんな喫茶めしです。

人気の日替わりランチをはじめ、ちょっと小腹が空いたときにおすすめの軽食メニューなど、今回は豊富なメニューの中から筆者イチオシをご紹介!

日替わりサービスランチ(税込み800円)

(サービスランチには、プラス300円でコーヒーが付きます。)

※平日13:00~14:30、土曜日のみ11:30〜14:00


・月曜日 みそかつ・とんかつ定食

・火曜日 焼きそば定食

・水曜日 からあげ定食

・木曜日 えびフライ定食

・金曜日 焼肉定食

・土曜日 みそかつ・とんかつ定食

みそかつ定食(月曜日・土曜日)

男女問わず人気のみそかつ定食。サクサク衣がどえりゃ〜ウマい名古屋を代表する地元めしです!ほんのり甘いみそだれをたっぷりつけて召し上がれ。

刻んだ油揚げとネギが入った赤だしも◎。名古屋駅に近いこともあり、出張で名古屋に訪れるサラリーマンの方々にも愛されている一品です。

日替わりランチに該当しない日でも注文可、価格は異なりますのでご注意ください。(火曜日と金曜日は除く)

きしめん(税込み600円)

軽食メニューを眺めていると、 喫茶店ではなかなかお目にかかれない一品を発見しました。みそかつに続き、同じく名古屋めしの代表とも言える平たいめんが特徴の”きしめん”です!

あつあつのお出汁スープの上でかつお節がおどります。ほどよい塩味とツルッとしたのど越し&もっちり噛みごたえのあるめんは、かなり絶品。名古屋に住んでいても食べる機会が少ないきしめんを、喫茶店で気軽にいただけるのは嬉しいですね。

食事メニューはすべて13時から16時までご注文いただけます。

イチオシドリンク

クリームソーダ(税込み600円)

子どもから大人までみんな大好きなこちら。色鮮やかなブルーが珍しい、とっても涼やかなクリームソーダ。絶対に欠かせないバニラアイスもぷかりと浮かびます。なめらかな甘みのアイスクリームと、キリっと喉に刺激を与えてくれる炭酸は相性抜群。喫茶店定番のドリンクです。

ブルーのグラデーションがとってもキレイ。

一時は青だけではつまらないかな?と、赤や緑など色を変えて提供をしていたこともあったそう。しかしある日、以前アルバイトをしてくれていたスタッフさんが娘さんと来店されてクリームソーダを注文。青色のクリームソーダを見て「やっぱりコレ!チロルのクリームソーダは水色でないと!」とひと言。それからお店ではずっとブルーのクリームソーダを提供しているんだそうです。『喫茶チロルといえば、青色のクリームソーダ』がいまでは常識となりました。

”名古屋の喫茶店”の顔

「名古屋の喫茶店」として、いままで多くの取材を受けてきた喫茶チロル。店内の本棚には掲載誌がたくさん並びます。

-印象に残っている取材はありますか?

加藤さん:「そうですね……。『東京から来ました。取材させていただいてもいいですか?』と、飛び込みでの取材があった時はびっくりしましたね。“純喫茶とパンの本”という雑誌の取材でした。東京の名店や、名古屋の喫茶店などがたくさん掲載されていてとても読み応えがありますよ。ぜひ手に取って読んでみてください。」

-こちらの書籍はサイン入りですね!

加藤さん:「はい。愛知県在住のライター、大竹敏之さんにいただきました。この方は名古屋の喫茶店についての書籍を発刊されていて、ライターさんとしても有名な方でしたので彼については一方的に知っていました。なので取材依頼があったときは、え!あの大竹さんが?!という感じでほんとうにびっくり。とても嬉しかったです。」

大竹さんも取材当時、お店のメニューの中にきしめんを見つけると、「喫茶店できしめんが食べられるというのは珍しいですね。」と、びっくりされていたそう。

喫茶チロルも掲載されている大竹敏之さん著『名古屋の喫茶店完全版』は、喫茶店がお好きな方におすすめの一冊、要チェックです。

柔らかい笑顔がとっても印象的だった加藤さん。これからも皆さんにとって落ち着ける憩いの場になれたら嬉しいですとにこりと笑って話してくれました。

最近は、20代〜30代の若い世代のお客さんも増えてきているそうです。レトロブームはもちろんのこと、美味しいコーヒーと静かでゆっくりと過ごせるオアシスを求めて、今日も喫茶チロルにはいろんな世代のお客さんが訪れます。喫茶店愛好家に年齢の垣根はなさそうです。

スポット詳細

【喫茶チロル】
住所  :〒451-0046 愛知県名古屋市西区牛島町5-3
電話  :052-561-2802
定休日 :日曜日、祝日、振替休日
駐車場 :なし
営業時間:7:30〜11:00(L.O.)10:30/13:00〜16:00
※土曜日は8:00〜14:00まで
行き方 :地下鉄名古屋駅より則武方面へ徒歩約5分、地下鉄亀島駅より徒歩5分

愛知県名古屋市出身、岐阜在住。広告代理店で営業編集を経験。現在は仕事の傍ら、ライターとして執筆活動中。趣味は漫画・アニメ・映画をみること。音楽を聞くことも大好きで、レコードやCDをこつこつ収集中。

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