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1978年に名古屋・覚王山で創業した「えいこく屋 紅茶店」は、200種類以上の世界各国の紅茶を取りそろえる紅茶専門店。
紅茶が好きな人も、そこまで詳しくない人も、ここにくれば紅茶の奥深い世界の魅力に引き込まれます。今回は紅茶の選び方から、自宅での美味しい紅茶の入れ方などもご紹介します。
1978年から続く覚王山の老舗紅茶専門店
当時まだ珍しい紅茶専門店としてオープンした「えいこく屋 紅茶店」。現在会長で創業者の荒川氏が、スリランカから個人で紅茶の輸入をはじめ、現在はインド料理店を営んでいる隣の店舗でスタートさせました。そこからほどなくして現在の場所に移り、今に至ります。
店内の棚にはたくさんの種類の紅茶がディスプレイされています。インドやスリランカをはじめ、ドイツ・オランダ・中国など7カ国を中心に、さらにそこから産地ごとに分かれたものなど、その数200種類以上。
お店の人気商品のひとつ、インドのダージリン。現地から直接買い付けをしていて、定期的に現地の茶園にも足を運ぶほどのこだわりです。
一口にダージリンといっても、とれるシーズン(春・夏・秋)によって味が違います。
3・4月の春にとれたものは初摘みの「ファーストフラッシュ」といい、緑茶のような風味。きちんと発酵もしてあるので味わい深く、日本人好みの人気が高いお茶です。
また夏にとれたものは「セカンドフラッシュ」といい、ダージリンの中でもベストシーズンといわれています。味も乗り、香りも残っていて安定しているのが特徴。
そして秋は「オータムナル」。渋みが一切なくまろやかになり、発酵が進んで色も濃く味わい深いお茶です。12月末に日本に入荷されるため、冬は特におすすめだそう。
スリランカのセイロンティーは8月、インドのニルギリは1・2月の「ウィンターフラッシュ」がベストシーズンと、産地や種類によって旬のベストな飲み頃があるのも要チェックです。
中国紅茶は聞き慣れませんが、世界三大銘茶のひとつ「キームン茶」も取り扱っています。花の蘭の香りに似て、最後にスモーキーさが香るという、国内でも数少ない取り扱い店舗のひとつです。
そのほか、本格スパイスや調味料などもあり、自宅で本格的に料理を楽しみたい方にもピッタリ!
自分に合う紅茶はどうやって選べばよい?
紅茶にそこまで詳しくなければ、数ある中からどうやって自分好みの紅茶を選べばいいのか悩ましいところ……。そこでスタッフさんに紅茶を選ぶ際のポイントをお聞きしました。
ミルクティーかストレートティーか?
<ミルクティー派/コクや深い味わいを楽しみたい方>
スリランカの「サバラガムア」や「ルフナ」がおすすめ<ストレートティー派/香りを楽しみたい方>
インドのダージリンやスリランカの「ヌワラエリヤ」や「ウバ」がおすすめ
まずはミルクティーかストレートかによって大きく分かれ、そこからさらに細かく産地による違いなどみていくといいそう。
いろいろ楽しんでみたい!という方には飲み比べセットもあります。スリランカのセイロンティーの産地別によるティーバッグが7種類入ったもので、ストレートティーからミルクティー向けまで入っているので、まずはいろいろ飲んでみて自分の好みを見つけてみるのもいいですね。
自宅での美味しい紅茶の入れ方
自宅で美味しく紅茶を飲みたい!という人のために、美味しい紅茶の入れ方も聞いてみました。
まずは蓋付きのカップ、もしくはティーポットとカップを用意します。できればあたためておくのがベスト!
茶葉3グラム(1人前)をカップ、またはポットに入れます。
100度に熱したお湯180cc(1人前)を注ぎます。
お湯を注いだら、蓋をして5分蒸らします。ここがポイントで、蓋をすることで香りを逃がさないようにします。
5分経ったら、茶葉をこして紅茶を注ぎます。
※写真のテイスティングカップは注ぎ口が特殊なので茶葉がカップに入らないようなつくりになっています。通常は茶こし器などで対応。
最後の1滴まで出し切ります。うまみが凝縮しているそう。ちなみにミルクティーの場合、お湯の量を100ccにして、あとからミルクを加えたらOK。
茶葉をとりだし、茶葉の色やお茶の色、香りを楽しみながらいただきます。
今回はわかりやすいように2種類のお茶をいれていただきました。
右がダージリンのファーストフラッシュ、左がオータムナム。見た目の色の違いも一目瞭然ですが、飲んでも同じダージリンとは思えないほど、味が全く違います!
今回いただいた春・夏・秋摘みの3シーズンが1箱で楽しめる飲み比べセットもありますよ(2g× 4P × 3種/1,296円)
おすすめ紅茶3選
スタッフさんに、えいこく屋のおすすめの紅茶を尋ねてみました。
ミルクティー派の方へのおすすめは、スリランカのセイロンティー「ルフナ」。コクがあり、甘めで味をしっかり楽しみたい方におすすめ。なかなか国内でも取り扱いが少ない希少な紅茶です。
ストレートティーで楽しみたいなら、さきほどもご紹介したインドのダージリン「オータムナム」。今の時期(冬場)がまさにベストな飲み頃で味もまろやかで香り高い仕上がり。
そして2022年の寅年にピッタリな「アッサムタイガー」。こちらもミルクティー向けとのことですが、別名「ゴールデンチップティー」とあるように、茶葉の中にゴールデンチップという、薄い色の金の芽が入っているのが特徴だそう。金の芽による甘い香りと深いコクの力強い味わいです。
紅茶のことをあまり詳しく知らない方も、知れば奥深い紅茶の世界。紅茶は全発酵しているので、特に冬の寒い時期には体をあたためてくれる飲み物。いろいろ飲み比べたり、はちみつやしょうがなど入れて、自分のお気に入りの紅茶や飲み方で楽しんでみてくださいね!
余談ですが、お店では珍しいものもいただけます。それはお店周辺の地図を描いた、昭和初期のMAP。希望者は無料でいただけるそう。かつてお店前の道路は日泰寺の参道でもあり、本物のゾウも歩いたこともあったとか。そういった歴史に触れてみるのも面白いですね。
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