世界的デザイナーはどんな家に住んでいた?飛騨高山に再現された「フィン・ユール邸」見学レポート。
目次
計算され尽くした空間設計はまだ続く
続いてパーソナルエリアへ。右側すぐはお手伝いさんの部屋です。東側に窓があるのは、やはり朝早くから活動するためでしょうか。
その隣はキッチン。勝手口のドアは上下で扉が分かれていて、防犯の観点からも便利そうです。
青いソファの奥に見えていたのが、ダイニングです。忙しかったであろうフィン・ユール氏もここでゆっくり食事をしていたのでしょうか。
棚板から浮いているような棚はフィン・ユールらしいデザイン。
窓側には食事を温め直せるウォーマーも。これは欲しい!
お隣はゲストルーム。
廊下には、ウォークインならぬウォークスルーのクローゼットが。ちょっと斬新ですが、すでにフィンユールに心酔しているので全然気にならないです。
なぜここに椅子?と思いましたが、着替え中にボーッと座りたいこともありますよね。
ガイドさん:「ここは靴を履く場所でしょうね、多分。」
そうでした、ここはデンマーク。
お風呂やトイレ、地下室へと続く階段もありますよ。
そして最後に寝室へ……失礼いたします。ベッドが2つ。広さはありますが、休息のためのシンプルなお部屋という感じです。
柔らかい曲線のベッドは、フィンユールの設計図をもとにつくられています。靴を脱いで、寝転んでみても良いそうです。
豊かな暮らしはアイディア次第!
私が取材に訪れたのは、秋の曇りの日。室内の照明がほとんどついていないにも関わらず、随所に明るさを感じました。
これは、寝室からクローゼット、お手伝いさんの部屋までを一直線に見た風景です。
ガイドさん:「ちょっと向こうの扉を開けてみますね。」
急に奥行きと開放感が現れました。延長線上に窓があるだけでこんなにも印象が違うんですね。
反対側からの風景。主人とお手伝いさんの部屋にも対等の空間をつなげているフィン・ユール。彼の優しさが垣間見れた気がします。
ガイドさん:「魅力はまだあります。寝室の窓から外をのぞいてみてください。」
庭と、リビングの大きな窓と赤いベンチが見えます。
ガイドさん:「次はリビングから見てみましょう。」
先ほどこちらをのぞいていた寝室が見えます。
ガイドさん:「フィン・ユール邸は、家のどこにいても家の外壁を眺めることができます。同じように、どこにいても家族の気配を感じることができるんです。」
家の外と中の調和はここにもありました。そして家族愛……。
明るい部屋はより明るく。光と色と角度を味方につけた家はこんなにも快適でした。
閉塞感のある場所には窓を。
暗くなりすぎる場所には自然のカラーを。
部屋を広く見せるためには角度を。
北欧の暮らし・一流デザイナーの住まい・豊かさの概念。飛騨高山のフィン・ユール邸には理想の家づくりのヒントが満載です。マイホームの新築やリフォーム、空間づくりを検討中の方は、一度に見学に来てみてくださいね。