今回ご紹介するのは、2024年4月26日(金)に開館した「豊田市博物館」。豊田の歴史や文化、自然、産業などをテーマにした総合博物館です。
豊田市美術館に隣接する同館は、2022年に閉館した「郷土資料館」と、2023年に閉館した「近代の産業とくらし発見館」の機能を受け継ぎ、地元の歴史や文化、産業、自然など広いテーマの収蔵物を展示しています。
目次
コンセプトは、
”みんなでつくりつづける博物館”
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とよた記憶トラベル
コンセプトは、”みんなでつくりつづける博物館”。市民の記憶(エピソード・思い出)を集めた展示をはじめ、市民と一緒企画した展示や、市民のみなさん自身が企画した展示をするなど、子どもから大人まで、高齢の人、国籍の違いや障がいの有無に関わらず、すべての人が安心して利用できる博物館です。
「豊田市博物館」へのアクセス
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「豊田市博物館」外観
豊田市博物館があるのは、豊田市駅・新豊田駅より徒歩15分ほどの場所。豊田市美術館の北隣、豊田東高校跡地に建設されています。
<車の場合>
東名高速道路「豊田IC」より約15分
伊勢湾岸自動車道「豊田東IC」より約20分
東海環状自動車道「豊田松平IC」より約15分<駐車場(利用無料)>
乗用車:150台
※ 混雑時には、美術館の駐車場も利用できます。美術館駐車場から博物館までは徒歩約5分
障がい者用駐車場あり:10台
防災機能を備えた建物
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1階から2階はスロープになっているため、全体が見渡せます。
建物の設計は活躍されている建築家・坂茂氏。21世紀の博物館にふさわしい、明るく開放的な空間を特徴としています。建物には。豊田市産の杉をふんだんに使用。CO2の排出を抑えた建築です。
ランドスケープ設計は、豊田市美術館を手がけたピーター・ウォーカー氏が担当。美術館と連続するランドスケープデザインになっており、2つの敷地をゆるやかにつないでいます。
庭園からは、豊田市の街並み、猿投山を中心とした山並みの眺望が楽しめますよ。
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スケルトンの巨大展示棚
さらに、この建物は文化拠点としてだけでなく、防災拠点としても機能しています。災害時には博物館に災害対策本部が設置できるようになっており、環境配慮や省エネだけでなく、災害にも強い建物です。
この巨大な展示棚も建物を支える柱の役割を担っているのだとか。
交流スペース 「えんにち空間」
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えんにち空間
各ゾーンをつなぐ「えんにち空間」。ここでは、豊田の歴史や自然、ものづくりなどに関わるさまざまな活動を紹介しています。
この日は、挙母祭り(ころもまつり)の山車が展示されていました。
※展示は終了しています。
「とよたの自然と人々の営み」をテーマした
常設展示室
とよたモノ語り
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常設展示室
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豊田の暮らしがわかる展示棚
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実際に使われていたものが展示されています。
常設展示室では、「とよたの自然の人々の営み」をテーマに、豊田市の歴史や自然、人々のくらしについて様々な資料とともに、ジオラマや映像で紹介しています。
大迫力の展示棚には、3万年以上も前から人が住み、豊かな自然と人々の営みが共存する豊田での暮らしで使われた日用品や工芸品が展示されています。
とよた記憶トラベル
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とよた記憶トラベル
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壁一面に市民たちの記憶が展示されています。
「とよた記憶トラベル」では、今を生きる人々の記憶がそのまま展示されています。こちらの展示では、常に記憶を集めており、豊田市の今や昔にまつわるもの以外にも、以前に住んでいた地域や国の記憶も寄稿可能です。
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パソコンやスマホからの投稿も可能です。
常設展示室(とよた記憶トラベル)内のカウンターで、記憶カードへ記入できます。記入された記憶カードは、博物館で保管され、とよた記憶トラベル内に掲示したり、資料と一緒に紹介されることも。
ぜひカードに想いを寄せてみてくださいね。
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とよたの記憶トラベル
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時代ごとに証言者の映像が流れます。
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実物サイズの模型展示
また、記憶トラベルでは、展示と映像を組み合わせたコーナーも見どころです。各時代ごとに「証言者の語り」が映像展示として随所に添えられており、展示物がどのように使われていたのかがストーリー仕立てでわかります。
とよたたんきゅうラボ
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豊田で起きた大きな出来事もジオラマで再現されています。
とよたたんきゅうラボでは、豊田市の自然と暮らしを紹介。平地から山地まで1,000m以上の高低差がある豊田市では、たくさんの生きものが暮らし、自然と共に生きてきました。
ここでは、見て、聴いて、触って、においをかいで 「とよた」を探究します。大迫力のジオラマでは「とよたの自然と人々の営み」をテーマに、豊田の自然や歴史、育まれてきた文化や産業を、ジオラマや映像を交えつつ紹介しています。
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顕微鏡を実際に触れるのも嬉しいポイント!
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昔なつかしいレトロな道具からみたことないものまで展示されています。
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土器の模様をつけられるコーナー
お子さんが楽しめる体験コーナーも充実しています。顕微鏡で虫や花を観察したり、実際に使われていた道具に触れてみたり、土器の模様をつけたりと、楽しみながら学べます。
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パネルをまわせばどんぐりの木を学べます。
どんぐりが展示されているコーナーでは、パネルを回しながら豊田に自生する15種類のどんぐりが学べます。
とよたストーリー
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現在豊田市博物館が建つ、旧愛知県立豊田東高等学校の制服
今の豊田市はどのようにして形づくられたのか。ここでは、自然や歴史、人々のくらしをつないだストーリーから「とよた」のいろいろな魅力を発見していきます。
近現代の産業に注目しながら、豊田市が人口42万人のまちに成長していくあゆみを紹介しています。
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ガラ紡
綿糸を紡ぐ効率性を飛躍的に向上させた糸を紡ぐ機械 「ガラ紡」の展示。現在でも、このガラ紡を使った生地を手がけている会社が全国でいくつか存在しています。
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初代カローラ
車好きにもたまらないのが、「初代カローラ」の展示。トヨタ自動車が世界的なロングセラーを記録することになった車種でもあります。
こちらの展示は定期的に車を入れ替えていくのだそう。
みんなの研究室
2階は誰でも利用できる「みんなの研究室」。博物館の資料の閲覧や活動の打合せに利用できるスペースと、資料の収蔵スペースがあります。
屋外展示
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むかしの家 (旧平岩家住宅) 市指定文化財
屋外にもさまざまな展示があります。
こちらの建物は豊松町(松平地区)の農家であった平岩家の主屋を移築したもの。
市域でも数少ない近世の民家建築で、18世紀後半ー19世紀前半(江戸時代中期ー後期ごろ)に建てられたと伝えられています。
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土蔵
土蔵は、民家に付属する建物です。家の中の大切なものを収めるため、外壁を漆喰などで仕上げ、防火・防湿・防盗などの機能を持っています。
この建物は、1907(明治40)年ごろ、喜多町(挙母地区)に建てられたものです。木造2階建てで、ヒノキやマツなどの木材が使われています。
水害が多かった挙母地区の土蔵のため、石垣の上に建てられ、床を高くしていることが特徴です。
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樫尾1号墳
野見山町(高橋地区)にあった直径約10mの円墳。古墳時代終末期の8世紀はじめに、川沿いの平野を開拓した有力者を葬るために築かれたと考えられます。
中は人が立てないほど小型になっています。ぜひ覗いてみてくださいね。
ミュージアムショップ
「888mitsubachi」も要チェック!
ミュージアムショップでは、豊田市でしか手に入らないおみやげが勢ぞろい!豊田の選りすぐりのアイテムがセレクトされています。
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銅鐸とよはく飴 680円(税込)
手呂の銅鐸をイメージした飴ちゃんセット。
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各220円(税込)
博物館好き缶バッジ(全9種類)。
豊田市の推しを集めた博物館オリジナル缶バッジです。
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にぎたえしるく湯-ゆずの香り 880円(税込)
稲武産の繭から保湿成分を抽出して配合した入浴剤。天然シルクから抽出した保湿成分が肌にうるおいを与え、乾燥を防ぎます。
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各440円(税込)
豊田特産物がステッカーになって登場!
ポップでちょっぴりシュールなデザインがかわいい。
営業時間 10:00~17:30
ミュージアムショップにはカフェも併設されています。コーヒーや軽食だけでなく、スイーツ、ワイン、ビールも楽しめますよ。
営業時間 10:00~17:30(注文は17:00まで)
豊田市博物館は「見て」「触って」学べる施設です。子どもから大人まで楽しめるさまざまな体験プログラムも随時開催しています。
ぜひ、豊田市博物館で豊田の歴史や文化に触れてみてくださいね。