「おいしいコーヒーをもっと気軽に」をコンセプトに名古屋の喫茶文化を支えてきた「イトウ珈琲商会」の本店横に、同社直営の「イトウ珈琲喫茶室」が2023年12月8日(金)にオープンしました!地下鉄桜通線・高岳駅から徒歩約5分のこちらのお店では、おいしいコーヒーが飲めるだけでなく「名古屋の喫茶文化の発信場所」としてさまざまな取り組みがおこなわれています。
今回は、そんな「イトウ珈琲喫茶室」の魅力を詳しくご紹介します。
※2024年3月取材時の情報です。
目次
地下鉄桜通線・高岳駅から名古屋高速線沿いに北へ歩いて約5分、名古屋市東区の高岳北交差点付近にあるのが、今回ご紹介する「イトウ珈琲喫茶室」です。
専用駐車場はありませんので、お車でお越しの際は近隣のコインパーキングをご利用ください。
こちらのお店は、1951年から続く名古屋の老舗ロースター「イトウ珈琲商会」直営の喫茶店。同社は喫茶店に業務用コーヒーや食材の卸売をおこなっている会社です。
名古屋の喫茶文化を支えたい!
空きスペースを利用して喫茶室をオープン
「イトウ珈琲喫茶室」は、「イトウ珈琲商会」の本店横にある元焙煎工場を改装して、2023年12月8日(金)にオープンしました。喫茶室を始めたきっかけや想いをお聞きしました。
– 「イトウ珈琲喫茶室」をオープンした経緯を教えてください。
「会社として名古屋市内に小さなカフェを出店したいという考えがあり、ちょうど本店横に空きスペースがあったのでこちらを利用しました。販売所に来たお客さんからも、『ここでコーヒーが飲めたらいいのに』という声をいつもいただいていたため、その声に応えたいという想いもあったんです。」
– こちらのお店では「名古屋の喫茶文化を元気にする取り組み」もおこなっているとお聞きしました。
「まずは視覚的に名古屋らしいメニューを提供することで、名古屋の喫茶文化を知ってもらいたいと思っています。当店の『プチやま 小倉バター』は喫茶店の定番メニュー「小倉トースト」をアレンジした商品なので、名古屋らしさを感じていただけるはずです。」
「またコーヒーに関しても、弊社の卸先で一番選ばれている人気の豆を使用しているため、『名古屋の喫茶店で親しまれている味』になっています。」
そのほかにも、「プチやま 小倉バター」に使われている粒あんやレジ横で販売しているお菓子などには、今までお付き合いしてきた地域の取引先さんの商品を使用しているそう。
「もうひとつは、名古屋で新しく喫茶店を始めたい方への支援をおこなっています。たとえば後継者を探す喫茶店さんを紹介したり、この喫茶室を業務体験ができるトレーニング場として提供したり。
昔から卸業を営み、何百もの取引先がある弊社だからできる『橋渡し役』を担うことで、名古屋の喫茶文化を盛り上げていきたいと考えています。」
喫茶室の2階では、「コーヒーインストラクター3級」を取得できる講演会も開催予定。70年以上続く老舗ロースターとしての経験と人脈を活かし、名古屋の喫茶文化を支えるステキな喫茶室となっています。
アイデンティティが光る
レトロなこだわり空間
イトウ珈琲喫茶室の店内は、焙煎工場の面影が残るレトロで落ち着いた空間になっています。
「イマドキのおしゃれな喫茶店とは少し違いますが、70年以上続く企業の歴史を大切にしたくて、あえて創業当時のイメージをそのまま残しました。」
カフェの中には、イトウ珈琲商会で昔から使われていた焙煎機やショーケースなども置かれており、まるで歴史博物館のよう。
「もう1つのこだわりポイントは、昨年の夏に閉店された元取引先『喫茶ビクター』さん(名古屋市中村区)から譲り受けたテーブルと椅子を使っていることです。」
豆のクリーニングや皮の張り替えはしたものの、60年以上前から使われている年代物と聞いて驚きです。
天井に飾られたモビールやオリジナルグッズのロゴにも、創業年の「1951」という数字が。かわいくてレトロなデザインは、イトウ珈琲喫茶室の雰囲気とよく合い魅力的です。
イトウ珈琲喫茶室にとって、企業が歩んできた歴史が重要なアイデンティティとなっていることがわかります。
希少な豆とこだわり焙煎で
直営店ならではの極上コーヒーを提供
– コーヒーへのこだわりについて教えてください。
「イトウコーヒーでは、『直火式焙煎機』を使って豆を焙煎しています。味の変化がゆるやかで、時間がたっても嫌な味にならない焙煎を心がけています。」
「直火式焙煎」は生豆の香りを引き出せる反面、炎や熱風が直接豆に当たるためコントロールが難しい焙煎方法。高度な技術と経験のあるロースターだからこそ提供できるおいしさがあるとのことです。
カフェラテやカフェモカのほか、デザートの珈琲ゼリーや珈琲シロップには同社自慢のコロンビア産「カラコール豆」のエスプレッソが使われています。コーヒー全体の3%ほどしか採れないという希少価値の高い豆を、これほど贅沢に使えるのも老舗ロースター直営店ならではの特徴です。
コーヒーの種類は、今後も増えていく予定だそう。ほかでは味わえないこだわりのコーヒーを、ぜひ体験してみてください。
「イトウ珈琲喫茶室」のおすすめメニュー3品
イトウ珈琲喫茶室のおすすめメニュー3品をご紹介します。
あなたはどっち派!?「ONの珈琲」と「OFFの珈琲」
イトウ珈琲喫茶室では、「ONの珈琲」と「OFFの珈琲」という2種類のホットコーヒーをラインナップ。「Coffee」の文字の中に「OFF」の文字が入っていることから命名されたこちらのメニューは、それぞれ提供時間が異なるのもおもしろい特徴です。
開店(10時30分)〜13時頃までが提供時間の「ONの珈琲」は、コロンビア・ブラジルを中心とした一番人気の豆を使ったブレンドコーヒーです。ほどよい苦さとすっきりとしたキレ味が特徴的で、1日のスタートにぴったりなコーヒーとなっています。
対して「OFFの珈琲」は13時頃〜閉店(18時30分)までの提供で、芳醇な甘みとコク、酸味のバランスがよい自慢の一品。ゆっくりとコーヒーを味わいたい時間帯にピッタリです。
同じホットコーヒーでも、飲み比べると味や風味の違いは一目瞭然!それぞれの時間帯で、違いを楽しんでみてはいかがでしょうか。
レジ横では四角い形がかわいい「喫茶室マグ」や店員さんがつけている「喫茶室缶バッチ」などのオリジナルグッズも販売しています。
名古屋の定番メニューをかわいくアレンジ!「プチやま 小倉バター」
名古屋らしい喫茶メニューの代表格「小倉トースト」をかわいくアレンジした「プチやま 小倉バター」は、コーヒーと一緒に楽しんでほしいイトウ珈琲喫茶室のおすすめメニュー!本間製パンの「プチ山」を使った厚切りトーストはサクフワで、粒あん&とろけるバターとのマッチングも最高です。
バターを塗ってトーストした「プチ山」に、トッピングを載せてさらにリベイクするのが「プチやま 小倉バター」のこだわりポイント。
リベイクすることでバターがトロッととろける固さに仕上がり、コクとうま味が口いっぱいに広がります。
コーヒー好きは見逃せない!
豊富なラインナップの小売専門販売所
コーヒー好きの方は、イトウ珈琲喫茶室に隣接する小売専門の販売所も要チェックです。
店内には、北区の焙煎工場で焙煎した業務用コーヒーのほか、購入後にこちらの販売所で焙煎してもらえるハイクラスのスペシャルティコーヒーなど多数のコーヒー豆が売られています。
店頭には、コーヒー豆の自動販売機も置かれています。いつでも豆を買えるよう数年ほど前に設置したところ、珍しいとかなり話題になったそうです。
昨年には、名古屋の喫茶文化を発信する取り組みのひとつとしてお土産商品も発売しました。
名古屋らしいちょっと濃い目のコーヒードリップバッグと名古屋の喫茶店の代表的アイテムである豆のおつまみ(各2袋)がセットになっています。こちらの本店のほか、名古屋城にある「金シャチ横町」のお土産屋さんでも販売中です。
老舗コーヒーロースターとしてのこだわりと歴史、さらに名古屋全体の喫茶文化を大切にするイトウ珈琲喫茶室。ここでしか味わえない雰囲気とこだわりのコーヒーをぜひ堪能してみてください。