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名鉄瀬戸線「清水駅」より徒歩約5分、名古屋市北区にあるSAKUMACHI商店街の一角に、2021年1月30日にオープンした「kaffi NORDU(カフィ ノルドゥル)」をご紹介します。
アイスランドの日常をテーマに営まれているカフェで、ローケーキやヴィーガンランチが味わえます。
「カフィ ノルドゥル」は、名東区でもともと営まれていた「アイスランドマーケット」の姉妹店。アイスランドでアートを学んでこられた雪さんがメニュー開発や内装デザインなど、立ち上げから深く関わってこられたそう。
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スタッフの岡田さん(左)とアーティストの雪さん(右)
まずは、スタッフの岡田さんにお話をお聞きしました。
−「カフィ ノルドゥル」のコンセプトを教えてください。
岡田さん:「飾らないアイスランドの日常です。観光客向けではなく、今のアイスランドで日常的に好まれているものを提供しています。
木のぬくもりや天井の高く広い空間は、アイスランドのカントリーサイドをイメージしています。」
−どんなことにこだわっていますか?
岡田さん:「毎日食べられるような、体にも地球にもやさしいものを提供することです。
アイスランドをはじめとした北欧ではヴィーガンが進んでいるんです。体にやさしいものが好まれていて、ロースイーツもそのひとつ。それに加え、アイスランドでは地熱発電を取り入れるなど、地球にやさしいライフスタイルも見習うべきものがたくさんあります。」
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テイクアウトは紙の容器で提供するなど、環境に配慮しています。
岡田さん:「食事もですが、自然や動物・環境に対する考え方であったり、ライフスタイルそのものがSDGsにつながっているのがいいなと思っています。現代の飾らないアイスランドを表現することで、その魅力を多くの人に知ってもらいたいですね。」
ヴィーガンとは:植物性食品のみを食べる、動物から得たものを口にしない食生活こと。
ローケーキとは:生を意味する「raw」。小麦粉や卵、白砂糖などを使わずに、生のナッツなどを使った、48℃以上の加熱をしないでつくるケーキ。血糖値の上昇を緩やかに抑える食材を中心に、添加物を使用しません。
SDGsとは:持続可能な開発目標の略。国連加盟国が2030年までに達成することをかかげた目標。
アイスランドはどんなところ?
「自然が豊か」という表現をはるかに超える、驚異なほどのアイスランドの自然は、まるで違う星のよう、と岡田さん。
氷の世界をイメージしていた筆者に、国名の由来を教えてくれました。諸説あるそうですが、バイキングがアイスランドの地に移住した時に、わざと魅力的でない名前をつけておけば、多くの人は来ないだろうと。そのくらい魅力があったということですね。
アイスランドのカントリーサイドは季節によっては緑も多く、とても美しい。店内やメニューブックにある雄大な景色の写真に、思わず見入ってしまいます。
お店にはアイスランド大使が訪れ、お墨付きだそうですよ。
アイスランドの美しい景色に思いを馳せ、
いただくお料理
雪さんは小さな頃から絵を描くのが大好き。アートを学ぶために滞在していたアイスランドでお世話になった師匠が、世界で活躍する芸術家のエーリン・ハンスドッティルさんでした。
自然の恵みたっぷりなランチ「エーリンさんセット」
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エーリンさんセット 1,100円(税込)
エーリンさんが日常的に好んで食べていたものを取り入れヴィーガンに仕立てた、自然の恵みたっぷりなランチ。メインは北欧らしいオープンサンド。「アイスランドのベジライフの洗練されたところを表現しました。」と雪さん。
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ニンジンをサーモンに見立てたものや、きゅうりのカシューナッツクリーム、ニンジンのラペを合わせたトマトを、アイスランド風のしっとりとしたパンにのせて。焼き立てを召し上がれ。
カボチャスープには、アイスランドの人が大好きな生姜がふんだんに使われています。体をあたためる滋養のスープ。
サラダには、野菜やナッツから作るミートボール風の具材がごろごろ、ほんのり甘いカシューナッツクリームをトッピング。
フレッシュ野菜はもちろん、ナッツやスパイスのコクや味わいなど、さまざまな味や食感に大満足のランチでした。
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アントンさんセット 1,200円(税込)
ベルリンでお世話になったというアントンさんのランチもおすすめ!
みんなが食べられる「ローケーキ」
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ローケーキ「お庭遊びケーキセット」 600円(税込)
みんなが食べられるものを提供したいとの思いから、たどり着いたというローケーキ。48℃以上の加熱をしないのが特徴です。
加熱することで消えてしまうような酵素や栄養をそのまま取り入れられるので、ヘルシー志向の高い人たちにもおすすめ。小麦粉や卵を使っていないので、アレルギーなどがある方にも。
お庭遊びケーキセットは、3種のお好きなケーキがミニサイズで楽しめます。今回は、レモン、きゅうり、いちごをチョイス。
レモンのケーキはローでヴィーガン。アイスランドのリコリス塩がつかわれています。きゅうりのケーキは、意外とアイスクリームが好きが多いというアイスランドで出会ったきゅうりのアイスからアイデアをもらったのだとか。上にはチョコが乗っています。
「アイスランドの岩と苔の景色を思いうかべて食べてほしい」と雪さん。
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アイスランドの風景
どれもチーズは使ってないのに、ナッツのコクが最大限に活かされ、まるでチーズケーキのよう。新鮮な果物や野菜のテイストが、やさしくもしっかりとお口の中に広がります。
他にも、アイスランド生まれの乳製品「スキル」や、アイスランドのオムノムチョコレートを使ったものなど、アイスランドらしいものばかり。
雪さん:「ヨーロッパでのヴィーガンの火付け役はアイスランドの人なんですよ。アイスランドの自然で原点に近い暮らしは、火を使わずにつくるローケーキもそうですが、モダンでありながらサスティナブル。
サスティナブルって難しいイメージですが、ケーキを通してだと伝わりやすいかなと願いを込めています。
ケーキを口に入れた時に広がる自然の味わい。それはアイスランドの大自然に包まれたときの感覚にとっても似てるんですよ。静かでありながら刺激的なアイスランドをイメージしながら味わってみてください。」
サスティナブルとは:「持続可能な」、「ずっと続けていける」という意味。今の、世界的にめざしているサスティナブルな社会とは、資源を大切に、環境を守り、この先もずっと美しい地球で、平和で豊かに暮らしていける社会のこと。
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カウンターのステキなガラスの器には、こだわりの素材で手づくりされた焼き菓子がずらり。
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ドリンクには、手づくりジンジャーエールをはじめ、エアロプレスという抽出方法で淹れる浅煎りのスペシャルティコーヒーや有機ハーブティ、100%ジュースなど、体にやさしいものばかり。
思い出のアート作品が飾られる店内
店内の壁にはアート作品が飾られています。コンセプトは思い出、雪さんなりの日記のようなもの。アイスランドやベルリンでアーティスト活動をしていた時の作品や昔の思い出が描かれていて、そのやさしいタッチに心が和みます。
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大きな窓から光が差し込む店内、春は若葉のグリーンがとても美しい。四季を楽しんで。
アート作品を楽しみながら、おいしいお料理をいただく。日常にこんな贅沢があるとうれしいですね。
surf&snowショップ「3939」
隣接するsurf&snowショップ「3939(サクサク)」の店内にもイートインスペースがあり、「カフィ ノルドゥル」のお料理がいただけます。
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自然の恵みに感謝するスタイルは、どちらのお店も共通。
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すべてのメニューがテイクアウトOK。
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お土産にも喜ばれます。
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灯台のロゴ。北欧に必ずある港町をイメージし、灯台の明るい光のような存在でありたいとの思いが込められているそう。灯台が放つオーロラの光は、人間の個性や自然が発信されているイメージだそうですよ。雪さんのデザイン。
北欧を伝えるお店はあっても、ここまでアイスランドに特化したお店はめずらしいですよね。今のアイスランドの日常を体感できる「カフィ ノルドゥル」で、体にやさしい自然の恵みたっぷりなランチやスイーツを味わい、ゆったりとしたくつろぎ時間をぜひ過ごしてみてください。
※内容は取材時のものです(2021年4月)
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