【展覧会レポート】「キース・ヘリング展 アートをストリートへ」へ行ってきました!(松坂屋美術館)

掲載日:2024.10.23
【展覧会レポート】「キース・ヘリング展 アートをストリートへ」へ行ってきました!(松坂屋美術館)

2024年9月28日(土)から11月16日(土)までの期間、名古屋・松坂屋美術館にて、「キース・ヘリング展 アートをストリートへ」が開催中です。

今回はキース・ヘリング展へ行ってその魅力に迫ってきました!

キース・ヘリング展の概要

明るく、ポップなイメージで世界中から愛されているキース・ヘリング。キース・ヘリングは「アートはみんなのために」という信念のもと、1980年代のニューヨークを中心に地下鉄駅構内やストリート、つまり日常にアートを拡散させることで、混沌とする社会への強いメッセージを発信し、人類の未来と希望を子どもたちに託しました。

彼は人類の未来と希望を子どもたちに託し、約10年間のアーティストとしての活動期間の中で、社会に潜む暴力や不平等、HIV・エイズに対する偏見や支援不足に最後まで闘い続けました。

本展では、幅6メートルに及ぶ大型作品を含む約150点の作品を通じて、ヘリングのアートを体感する貴重な機会が提供されます。彼の作品に込められたメッセージは、時空を超えて現代社会に生きる人々の心を揺さぶり、今なお響き続けています。

イベント名:キース・ヘリング展 アートをストリートへ
■開催期間:2024年9月28日(土)~11月16日(土)※会期中無休
■開館時間:10:00~18:00 ※入館は閉館の30分前まで
■会場:松坂屋美術館(松坂屋名古屋店 南館7階)
■主催:松坂屋美術館、メ~テレ
■特別協力:中村キース・ヘリング美術館 
■協力:ぴあ ■企画:朝日新聞社、東映
■名古屋展HP:https://www.nagoyatv.com/program_sp/keith-haring.html
■展覧会公式HP:https://kh2023-25.exhibit.jp/

音声ガイドは俳優 磯村勇斗さん

キース・ヘリング展の音声ガイドは俳優の磯村勇斗さんが務めています。

【音声ガイド概要】
音声ガイドは、会場レンタルとアプリ配信。

・会場レンタル版:展覧会会場入口にて、専用ガイド機を気軽にレンタル !
貸出料金:お一人様 1台 650円(税込)
・アプリ配信版(IOS/Android)「聴く美術」700円(税込)
配信期間中であれば、いつでもどこでも、何度でも聞ける!

詳しくはこちら

展覧会のみどころポイント

① ヘリングを一躍有名にしたサブウェイ・ドローイング

キース・ヘリングの名前が世界に広く知られるきっかけとなった「サブウェイ・ドローイングプロジェクト」。日本初公開となる5点を含むサブウェイ・ドローイングのまとまった展示は必見です。

1980年、キース・ヘリングは、人々の日常の一部として見てもらうことのできる場所として、ニューヨークの地下鉄駅構内の空いた広告板に貼られた黒い紙にチョークで描く「サブウェイ・ドローイング」をスタート。公共施設へのグラフィティは違法行為のため、警官に捕まらないよう素早く描き、地下鉄に飛び乗って次の駅へと向かいました。

コミカルで人々の思考や想像力を刺激するイメージは、瞬く間にニューヨーカーを魅了。有
名になるにつれてドローイングは剥がされ、売買されるようになったため、1986年にこのプロジェクトは中止されました。

② ブラックライトで浮かび上がる作品を会場で体感 《 無題 》

フランシス・ベーコンやジャン=ミシェル・バスキアの展覧会を手がけた80年代のソーホーの大手画廊、トニー・シャフラジ・ギャラリーより1983年に出版された版画シリーズ。本作には蛍光インクが使われており、ブラックライトにより光を放ちます。

この作品シリーズには、ピラミッドやアンクの十字架など生命のシンボルが描かれ、光り輝く妊婦やダンスの動きが盛り込まれることで、母親たちの強さを讃えています。身体の動きを表現する線(アクションライン)が効果的に使われているのも必見ポイント。

③ 幅6メートル、圧巻の超大作!
『スウィート・サタデー・ナイト』のための舞台セット

『スウィート・サタデー・ナイト』のための舞台セットは、黒人歴史月間にニューヨークの芸術劇場ブルックリン・アカデミー・オブ・ミュージックで行われたダンス・パフォーマンスの舞台背景として制作されたものです。

『スウィート・サタデー・ナイト』は、1985年に上演された黒人のストリートダンスと、社交ダンスの誕生300周年を記念したパフォーマンス。本作には横幅6メートルを超える大画面いっぱいに黒い線でダンサーが踊るように描かれており、この作品の前で踊られたブレイクダンスが作品に息を吹き込みました。

④ キース・ヘリングと同じ時代のアーティスト

キース・ヘリングがアンディ・ウォーホルから受けた影響は大きく、1986年にニューヨークでの「ポップショップ」のオープンの際に、商業的だと批判を受けたときも、キース・ヘリングが「アートは大衆のためにある」という自身の信念を貫けるよう後押ししたのはウォーホルでした。

また、幼少時から影響を受けたミッキーマウスとウォーホルが融合したキャラクターであるアンディ・マウスを生みだしています。

会場には、キース・ヘリングがアートワークを手がけたレコードジャケットも展示されています。制作中はスタジオでつねに音楽を流していたのだとか。

伝説のクラブ「パラダイス・ガラージ」にて、DJ・ラリー・レヴァンのプレイによる最後の夜を記録したレコードのジャケットも、キース・ヘリングが手掛けています。

⑤ 社会へのメッセージも発信したポスター

キース・ヘリングは、大衆にダイレクトにメッセージを伝えるため、ポスターという媒体を積極的に利用しました。彼の題材は、核放棄や反アパルトヘイト、エイズ予防、さらには「ナショナル・カミングアウト・デー」を祝福するなどの社会的なテーマから、アブソルート・ウォッカやスウォッチとのコラボレーション広告といった商業的なものまで多岐にわたり、100点以上に及びます。

特に、社会へのメッセージを発信したポスターは数多く、キース・ヘリングがはじめて制作したポスターは1982年に自費で2万部印刷した核放棄をテーマにしたもの。セントラル・パークで行われた核兵器と軍拡競争に反対する大規模デモで自身によって無料で配布しました。

アートの力を信じ、心を動かし、世界を平和に導くことができると考えたキース・ヘリングは、ポスターだけでなく、子どもたちとのワークショップや壁画など多様な媒体を通じてメッセージを送り続けました。

⑥ キース・ヘリングの集大成 《 無題 》

ニューヨークでの最後となる個展のために制作された三角形の大作《無題》は、下書きをせずにリズミカルなラインで描かれていくこれまでの作品とは異なり、かたちと色づかいを事前に慎重に構成した上で描かれています。

また、17点の《ブループリント・ドローイング》は「ニューヨークでのはじまりを啓示するタイムカプセル」だとキース・ヘリングはテキストに残しています。資本主義に翻弄され不平等さや争いがはびこる社会や、テクノロジーが人間を支配するような未来がモノクロームでコミックのように淡々と描写されています。

最後の個展に出品された大作《無題》や、《イコンズ》に描かれた世界中で愛されている光輝く赤ん坊、通称ラディアント・ベイビーは、鑑賞する人それぞれに異なる意味を持っています。

キース・ヘリングは、現在を未来として、未来を現在として描くことで、彼の思いを表現しました。このようなキース・ヘリングのメッセージは、没後30年以上が経った今でも歴史と共に巡っています。

本展覧会のみでしか手に入らない
オリジナルグッズも要チェック!

ラウンドプレー 各1,540円(税込)

© Keith Haring Foundation. Licensed by Artestar, New York.

本展のためだけにデザインされたアイテムや、お土産にぴったりなお菓子などが登場!展覧会のロゴや、へリングの作品があしらわれた特別なグッズは要チェックです。

会場併設ショップには、ほかにもキース・ヘリングのアイテムが勢ぞろいしていますよ。

ベイクドクッキー缶  各1,350円(税込)

全2種。《アンディ・マウス》の絵柄がかわいい缶に入ったベイクドクッキー。蝶番付きの缶は、食べ終わった後も小物を整理するのに便利です。

タンブラー 1,980円(税込)

『スウィート・サタデー・ナイト』のための舞台セットの絵柄が大きくあしらわれた、美濃焼のタンブラー。

スクエアプレート 各1,650円(税込)

全3種。《アンディ・マウス》の絵柄があしらわれた美濃焼のプレート3種。白いプレートのリムがまるで額縁のようで、インテリアにもぴったり。

今回はキース・ヘリング展の様子をご紹介しました。ぜひこの機会に足を運んでみてはいかがでしょう。

All Keith Haring Artworks ©Keith Haring Foundation

【松坂屋美術館】
開館時間:10:00~18:00 ※入館は閉館の30分前まで
会場  :松坂屋美術館(松坂屋名古屋店 南館7階)
https://www.nagoyatv.com/program_sp/keith-haring.html

イベント名:キース・ヘリング展 アートをストリートへ
■開催期間:2024年9月28日(土)~11月16日(土)※会期中無休
■開館時間:10:00~18:00 ※入館は閉館の30分前まで
■会場:松坂屋美術館(松坂屋名古屋店 南館7階)
■主催:松坂屋美術館、メ~テレ
■特別協力:中村キース・ヘリング美術館 
■協力:ぴあ ■企画:朝日新聞社、東映
■名古屋展HP:https://www.nagoyatv.com/program_sp/keith-haring.html
■展覧会公式HP:https://kh2023-25.exhibit.jp/

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