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名古屋市を中心にオーダー家具と空間デザイン設計を行っている「SCHOLE(スコレー)」。コンセプトは「365日、一秒でも早く帰りたくなる自分だけの理想の空間」。欲しい家具のイメージはあるけれど見つからない、市販の家具だけでは物足りない方に理想の家具を仕立てています。
今回は、スコレーのデザイナー内海さんにSCHOLEの空間づくりや商品について伺ってきましたのでお届けしていきます。
イタリアでの出会い
代表の内海真一さん。
まずは経歴からお伺いしました。
内海さん:「インテリア系の専門学校を卒業後、名古屋の施工会社でショッピングモール内の内装施工管理を担当していました。僕が担当していた場所は、物販のお店が多かったのでそこで、さまざまな職人さんたちと関わりながら空間づくりの基本を経験しました。
その後、21歳のときにイタリアへ渡りました。昔から海外のデザイン雑誌を見るのが好きだったんですが、中でもインテリアの本場であるイタリアには一度行ってみたいと思っていたんです。
滞在期間は1カ月でしたが、行くことを目的にしていたので、計画を何も立てていなかったんです。そんなとき、ミラノの学校に通っていた日本人留学生と知り合いました。その彼にイタリアを案内してもらい、フィレンツェにある多くの工房やイタリア北部の街や文化に触れることができたんです。現地の生活を体感したことは、その後の僕の人生に大きく影響を与えました。」
東京でインテリアの仕事を
イタリアから帰国後、イタリア料理の飲食店をメインで設計施工する店舗設計会社に入社した内海さん。そこでは設計と施工管理を担当していたそう。
内海さん:「イタリアつながりで入社したその会社には3年ほど勤めていました。あるとき、イタリアで知り合った友人から「日本に帰国して、今の勤め先で、人を募集してるから東京に来ないか?」と連絡があったんです。その連絡がきっかけで東京のデザイン会社に行くことにしました。
東京の会社は、自社店舗を運営しながらオリジナル家具をつくっている会社でした。僕は商品開発をメインに空間や家具、有名ブランドのディスプレイなどさまざまなプロジェクトに参加させていただきました。」
海外への出展
2005年からは海外の展示会にも出品されます。
内海さん:「東京の展示会に出品したことがきっかけで、フランスのVIA(フランス創作家具振興会)の推薦でパリの展示会に出展させていただいたんです。
そのとき製作したのが、嫁入り道具のひとつ、「鏡台」です。これを現代のライフスタイルに合わせ、リビングに置いても違和感のない形にリデザインしました。収納力に優れ、ミラー、テーブルトップ、3杯の引出しを備えています。
洗面台ではなく、鏡台の前で身だしなみを整える時間を、優雅に過ごすことを目的にデザインしました。このパリの展示会によってロンドン、上海といったさまざまば国へ出品する機会を与えていただきました。文化の異なる人たちからの評価は新鮮でとてもうれしかったですし、このときの経験が大きな自信にもつながりました。
2010年には、拠点を名古屋に戻して東京と名古屋を行き来しながらフリーランスとしての活動をスタートさせました。その頃から屋号をSCHOLE(スコレー)とつけて活動しています。
屋号に込めた想い
SCHOLE(スコレー)という屋号には内海さんのこんな想いがありました。
内海さん:「SCHOLE(スコレー)とは古代ギリシャ語で「余暇」を表す言葉です。自由な時間を過ごしながら、創造性を育むという意味を持っています。
仕事を終えて家に帰ってきたとき、自分だけの特別な時間を過ごせる場所を提案していきたいと想い名付けました。オーダー家具やインテリアって服みたいに簡単に変えられるわけではないので、お気に入りの空間で大切に過ごしていただきたいなと思っています 。」
ここからは実際に内海さんが手がけている商品や施工事例を紹介していきます。