三重県鈴鹿市長太ノ浦(なごのうら)にあるスパイスカレー専門店「りぴぃーと」。
キッチンカーでの営業から始まり、間借り営業を経て2023年6月に店舗がオープンしました。
古民家をリノベーションしたおしゃれな店舗で食べるカラフルなカレーは、写真映えすること間違いなし!週に2日ほどの営業日であるため、「やっと行けた!」という声も多く、営業開始から見た目と味の両方でお客さんを魅了し続けています。
そんなスパイスカレーを作り出す「りぴぃーと」の店主の方にお話をお伺いしました。
※2024年4月取材時の情報です。
目次
タイミングと縁が重なって・・・
憧れの古民家で営業をスタート
‐ スパイスカレーを始めたきっかけを教えてください。
店主さん:「2020年からキッチンカーでキーマカレーの販売を始めたのですが、ちょうどコロナ禍に突入した年でもあり、ことごとくイベントが中止になってしまったんです。
コロナが落ち着いてきてからも、やはり影響は続いていました。でも、イベントで他の出店者の方々がとてもこだわってメニューを作られているのを見て、私もコロナ禍に負けないようにメニューの幅を増やしていこうと思ったことがきっかけです。
まずは独学でスパイスを一から勉強し始めて、キッチンカーでの販売や間借り営業をさせていただき、今に至ります。」
‐ 古民家を店舗にしようと思ったのはなぜですか?
店主さん:「もともと間借り営業をさせていただいていた場所が、古民家風のカフェスペースだったんです。このお店の建設にも携わってもらった工務店さんの建物で、古民家風の新築を立てる工務店さんだったんですよね。
その建物の雰囲気がとっても良くて。だんだんと古民家に惹かれて憧れを持つようになり、自分でお店を持つなら絶対にこんな風にしたいと強く思いました。
‐ この建物との出会いを教えてください。
店主さん:「この建物はもともと夫の友人の持ち物でした。ボロボロの長屋だったので取り壊す予定だったらしいのですが、それを聞いて『壊すなら貸してくれませんか』とお願いして、貸していただけることになりました。
リノベーションに関しては、大工さんしかできないところはプロにお任せし、できるところは私と夫で取り組みました。イベント出店や間借り営業もしながらリフォームを開始して、完成までは2年くらい時間がかかりましたね。内装も満足いくようにできたかなと思いますし、駅からも近いので気に入っています。」
間借り営業の際にお世話になっていた工務店さんの力を借りつつ、さらに電気やガスなども旦那さんの友人で自営業をされている方々にお世話になり、形になっていったとのことでした。
まさにタイミングが重なって出来た、いろんな人の想いが集まったお店なのだそうです。
もともと古道具に興味があったわけではないそうですが、お店を作るにあたって家具や小物を探し始めたところ、楽しさを見出して県外にも足を運びセレクトしたのだそう。
店内のところどころにある黒板には手書きの文字が。温かみが感じられる小物が取り入れられていました。
店名「りぴぃーと」に込められた想い
‐ 店名の由来を教えてください。
店主さん:「そのままなんですが、お客さまが何度も足を運んでくださるような居心地の良いお店にしたいなと思って付けました。実際に何度も来店してくださる方もいてありがたいです。」
‐ 実店舗を構えた現在もイベント出店を続けられている理由はなんですか?
店主さん:「遠方でお店にはなかなか来れない方やイベントでしか出会えないお客様もいるので、イベント出店は続けています。イベントで食べて美味しかったので店舗にも来ましたと言ってくださる方がいるのもありますね。
現在は店舗営業に加えて、月に1、2回は三重県内を中心にイベントにも出店しています。そこで出会ったお客さんやイベントから生まれるご縁もあるため、今まで行っていたイベントには行くようにしています。」
鮮やかさとコクが魅力のスパイスカレー
週ごとに変わるカレーのメニュー。できるだけ旬のものを使用して、彩りを大切にしながら作られています。
‐ どのカレーも魅力的ですが、人気メニューを教えてください。
店主さん:「えびとか海鮮系のカレーは人気ですね。
基本的にはチキンと海鮮系、豚orマトン、野菜のカレーといった4種類のメニューを用意しています。どのカレーもできるだけ旬の食材を使用しており、それぞれの素材のコクとうまみが感じられると思います。
スパイスに関しては教室に通って学んだこともありますが、もともとスパイスのような癖のあるものが好きなので、私の創作的なメニューも取り入れています。」
ランチメニューは4種類。すべてのランチに本日のおかずが付いてきます。カレーは4種類の中から好きなものを選択可能。
‐ おすすめはなんですか?
店主さん:「そうですね、4種類のカレーは全く違う種類のものを用意しているので、できたら4種類すべてを食べ比べてもらえると嬉しいです。混ぜながら食べても楽しいと思います。」
ボリューム満点のプレート。4種類のカレーやおかずの色味がそれぞれ全く異なり、カラフルで目から楽しめるのがポイントです。
プレートは京都のカレー専用の器を作られている作家さんに注文して揃えられたそうです。黒い器が色とりどりのカレーと食材を引き立たせていました。
写真のカレーのメニューは白いカレーから時計回りに
・チキンコルマ
・ホタテレモン
・キーママタル
・ビーツカリー
おかずのメニューはビーツカリーの下から時計回りに
・メドゥワダ(豆のドーナツ)
・メドゥワダの隣のソース:トマトのチャトニ
・ライスの隣の漬物:大根のピックル
・野沢菜のサブジ(野菜の炒め煮)
・かぼちゃとさつまいものポリヤル(ココナッツ炒め)
・紫キャベツのアチャール(漬物)
・スパイス卵
・カチュンバル(サラダ)
・豆カレー
※スパイス卵は本日のおかずには含まれません。
チキンコルマ、ビーツカリーはマイルドな味わいで、ホタテレモンとキーママタルは少し辛みが感じられるコクのある味わいでした。
カラフルな見た目はもちろん、それぞれのうまみが口に入れた瞬間に広がり、香りもゆたかで口に運ぶのが楽しかったです。
人気のスパイス卵。辛そうな見た目をしていますが、辛みはほとんどなくスパイスの風味ととろりとした半熟卵がとてもマッチしていました。
カチュンバルにはパイナップルも入っており、とても爽やかな味わい!スパイスを使った料理が多いなか、箸休めになりそうな一品です。
甘くない豆のドーナツであるメドゥワダにカレーを付けて食べるのも◎
旬の食材を使用したアチャール(インドやパキスタンなどの南アジアの漬物)も絶品!少し酸味のある濃いめの味が特徴的でした。ライスがますます進んでしまいそうです。
今後の展望
‐ 今後の展望を教えてください。
「お客さまに飽きさせないメニュー作りを続けていきたいなと思っています。営業日が少ないため『やっと来れました』と行ってくださるお客さんもいて。なので、せっかく来ていただいた方の期待に応えられるようにこれからも頑張っていきたいです。」
カラフルでまったく異なる4種類のカレーに、種類豊富なインドのおかずが楽しめる「りぴぃーと」。辛さに強いとは言えない筆者でも問題なく食べられたため、辛さが苦手な方もどの種類のカレーを選んでも楽しめるのではないかと思います。
雰囲気抜群の店内で、視覚と嗅覚、味覚を満たしてくれるスパイスカレーを、ぜひ堪能してみてはいかがでしょうか。