前回からご紹介しているスウェーデンのUppsala(ウプサラ)。人口で国内第4位を誇る都市です。多くの学生が通うウプサラ大学は北欧最古の大学としても知られており、アーランダ国際空港もすぐ。空港からは、ストックホルム市街地へ行くよりも近く、電車で18分で到着できてしまいます。
そんなアクセスしやすいウプサラの街へ訪れたら是非行ってみて欲しい…ではなく、むしろ「ここを訪れる為にウプサラを訪れて下さい!」と言っても大げさでは無いほど素晴らしい場所があります。それはUppsala domkyrka(ウプサラ大聖堂)。
まずどこがすごいかと言うと……、縦長の写真をぜひご覧ください!
いかがでしょう、この迫力。近くに寄ると全体が入りきらないほどの大きさを誇る大聖堂は、なんと高さ、そして長さともに118.7メートル。スカンジナビア諸国1の規模を誇る教会建築です。この大きな大きな大聖堂の建築は1287年にはじまり、多くの人の手により完成までに1世紀以上もが費やされました。
現在でも遠くからその姿を見つけることができる位の高さを誇る大聖堂ですので、平屋建ての多かった中世にはさぞ大きく見えたことでしょう。
中に入ってみると、ハッと息を飲むほどの大きさと美しい装飾。なんといっても天井が高く、全体の色調も白がベースで大変明るいので、大聖堂の中ではありますが解放感があるのがこのウプサラ大聖堂の特徴のひとつでもあります。高さと明るさを求めたゴシック建築ならではの造りとなっています。
こちらは大聖堂内のパイプオルガン上部とその周り。高い天井の隅々までにも施されているペイントや装飾。毎回ここへ足を運ぶと、思わず当時の建築に関わった人達に思いを馳せてしまいます。完成までに160年以上を要していますし、現代のそれと比べると、当時の建築技術では楽なものでは無かった事でしょう。
こちらは合唱等の演奏時に使用するオルガン。きっと古くから使われてきたことでしょう。さまざまなボタンが沢山ついていますね。両サイドのボタンは、音の響きを変えるもののようで「Pedal」「Swell」「Choir」「Great」「Solo」という5つのセクションに分かれています。
こちらの2枚は身廊(しんろう)部分。入口から主祭壇まで続くこの身廊、大聖堂が大きなだけあってとても長いです。
こちらの蝋燭の向こうが主祭壇です。長い身廊を歩いてたどり着くこちらには、大きな、そして透明なキラキラと光る石が沢山施された十字架が中心に掲げられ、荘厳な雰囲気を出しています。
ウプサラ大聖堂は、中世から17世紀後半まで多くのスウェーデン王と王妃の戴冠式が執り行われた事もあり、何人もの王や著名人が埋葬されています。
こちらは先ほどの主祭壇の後ろ側。太陽の光が贅沢に差し込む位置に、ヴァーサ王朝の祖として知られ16世紀に王となったグスタフ1世とその妃が眠っています。大変美しい装飾も至る所に施されています。
他にも植物学者のカール・フォン・リンネや12世紀のスウェーデン王聖エリクなどが埋葬されています。
こちらは大聖堂内のドアに貼られた、大聖堂を訪れた人の願いを認めた紙。「すべてのアパートの値段が安くなって、すべての人が住居に恵まれますように」と左手前に書かれています。すべての人が、安らげる家を持つことが出来るようにという願いですね。
さて、こちらの大聖堂には、入口にこのようなお土産屋さんがあるんです。ここでは、ウプサラ大聖堂や、天使やマリア様などに因んだ手作りの品が購入できるようになっています。
写真手前にかかっているようなオーナメントから、本にポストカードに宝石など。結構品数も置いてあるので、ご旅行中でしたらご自分用にや、お土産を選ぶのにもってこいの場所です。
このような可愛らしい木で出来たスウェーデンのお土産も購入することができます。
外へ出ると、大聖堂で結婚式を執り行う予定のグループがいたり。
教会や大聖堂では、よく結婚式や赤ちゃんの洗礼式が行われます。
今回ご紹介したウプサラ大聖堂。入場は無料で、希望であれば有料でガイドをつける事もできます。中に置いてあるパンフレットには、日本語のものもあったと記憶しているので、ぜひお手に取ってみて下さい。大聖堂の説明等が書かれていますよ。
ウプサラ大聖堂までの行き方は、ウプサラ駅を出てそのまま繁華街方面へ。すぐに川に突き当りますので川を渡り……と、川を渡る時点ですでに大きなトレードマークのとんがり屋根が見つかりますので、迷う心配はないと思います。ウプサラ大聖堂に着くまではショッピングエリアが広がっていますので、道中、帰路ともに楽しいデイトリップとなるでしょう。