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今回ご紹介するのは、名古屋の西区・浄心にあるタイカレー屋さん「ヤンガオ」。
タイカレーというと、グリーンカレーや、マッサマンカレーを想像しますが、そうではありません。タイ北部、チェンマイ地方のカレー「ゲーンハンレーカレー」が味わえるお店ということで話題になっています。ゲーンハンレーカレーは、ホロホロになるまで煮込んだ豚肉と、ジンジャーの爽やかさが調和する、一度食べるとくせになる不思議なカレーです。
6年間タイ・バンコクに在住したオーナーが届ける、タイローカルの世界をたっぷりとご紹介します。
場所は名古屋地下鉄「浄心」駅4番出口すぐ。こちらの看板が目印です。
階段で3階へ。なんとも鮮やかなイエローの壁が出迎えてくれます。
タイの食堂をイメージしたという開放的な店内。窓際にはカウンター席、壁際にはテーブル席があり、お一人様でもファミリーでも、ゆったりと過ごせます。
タイに住んで6年。
現地で出会ったゲーンハンレーカレー
オーナーの村松さん
もともとデザインの仕事をされていたオーナーの村松さん。タイ・バンコクへ転勤になり、6年ほど暮らしていただのだとか。
村松さん:「僕は転勤するまで海外に行ったことがなく、タイへ行くまでタイ料理を食べたことすらありませんでした。そんな中、現地で知り合った知人にローカルレストランに連れってもらったんです。そこで出会ったのが、ヤンガオカレーのベースにもなっている「ゲーンハンレーカレー」です。
ゲーンハンレーカレーとは、タイ北部にあるチェンマイの地方料理で、程よいスパイシーさと甘さのハーモニーが絶妙なカレーです。ゲーンハンレーカレーが好きすぎて、週に3回はゲーンハンレーカレーを食べていたんです。そのうち、チェンマイ出身のおばちゃんに作り方を教えてもらって、自分でカレーペーストをつくるまでになってしまいました。」
村松さん:「本当はこのお店はタイでスタートする予定だったんですよ。デザイン事務所の1階のミーティングスペースにキッチンがあったので、デザインの仕事をしながら週末だけカレー屋さんをやろうかなと考えていました。しかし、家庭の事情で日本へ帰国することになりました。もともとタイでやろうと思っていたので、「หยั่งเก่า(ヤンガオ)」とロゴもタイ語なんです。自分が触れたタイローカルを日本に届けよう、そんな想いでお店をオープンさせました。」
店内には、至る所に「หยั่งเก่า(ヤンガオ)」の文字が。いったいどのような意味なのでしょうか。
村松さん:「「หยั่งเก่า(ヤンガオ)」とは、チェンマイ地方の古い方言で「いつも通り」という言葉です。僕はタイの古い音楽が好きなんですけど、曲の中に「ヤンガオ」という言葉があったんです。実際にはあまり使われていない言葉なんですけど、若い子もなんとなくわかるという感じ。友人たちにも相談したところ「新鮮だね」という反応だったので、ヤンガオに決めました。
若い世代と年配の世代、地元の人と遠くの人とが自然に溶け込む、日常空間にしたいという想いを込めています。」