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Life Desingsで2018年にも取材させていただいた、ロックな花屋「in bloom(インブルーム)」さんが、11月22日の「いい夫婦の日」に合わせて、移動販売のできるフラワートラックをオープン。フラワートラックは、これからイベントや医療施設、幼稚園などさまざまな場所で花や植物の移動販売を行う予定とのことで、詳しいお話を聞いてきました。
また、前回の記事とはお店の見た目もガラリと変わり、さまざまな変化があったとか。たえず進化を続けるin bloomさんについて、改めてご紹介いたします!
今回も「in bloom」のオーナー、菅野勇人さんに取材にご協力いただきました。ロックなファッションがキマっていますね!
「旅する花屋」をテーマに、
あちこちへ花を届けるフラワートラック
2021年11月22日にオープンしたフラワートラックは、花屋らしくないロックな見た目が印象的なデザインです。
-フラワートラックのアイデアを思いついた経緯を教えてください。
菅野さん:「最初からフラワートラックが作りたい!と思っていたわけではなくて、たまたまイベントで見かけたキッチンカーがすごく格好よくて、いいなと思ったのがきっかけでした。いかにも”キッチンカー”という感じではなくて、すごくおしゃれなデザインで。そのトラックを作っている会社を紹介してもらったものの、特にそれから進展はありませんでした。」
-いつごろからフラワートラックのプロジェクトが動き出したのでしょうか?
菅野さん:「実際に動き出したのは今年に入ってからです。去年、新型コロナウイルスの影響で、送別や入学・卒業シーズンの売り上げは落ち込んだものの、ステイホーム期間は部屋に花を飾る人が増えたので意外と小売の売り上げが良く、そのときに次は何がしたいかなと考えました。お店を移転したり2店舗目を構えたり、という気はなかったので、トラックを作り行った先で花を売ったほうが楽しいだろうなと思いついて、そこから設計やデザインが進みはじめました。」
-フラワートラックはどのような場所へ行く予定ですか?
菅野さん:「介護施設や病院で入院している方にお花を配ったり、幼稚園で子どもに花を選んでもらいアレンジ教室を開いたりしたいですね。移動できることがトラックの強みなので、普段花になじみがない人や花屋に来られない人のために、こちらから動いて行けることが大きいと思います。あとはこれまでみたいにイベントにも出ますし、フジロックにも行きたいです(笑)。」
-フェス会場にあっても違和感ないデザインです!でも、花屋さんと知ったらロックファンも驚きますね。
菅野さん:「そうですね(笑)。あとは各方面から来て欲しいという問い合わせもいただいています。ただ、私たちのお店もあるので、トラックが稼働できるのは休日がメインになるのと、運営形態など細かい部分を決めていないので、これから詰める必要がありますね。」
-トラックでは生花も販売しますか?
菅野さん:「はい。これまでのイベントでは水が使えなかったので、販売できるのはドライフラワーがほとんどでした。それが、今回のトラックは上にタンクを積んで、中には蛇口も設置して生花も扱えるようになりました。お客さんのイメージに合わせて花束を作ることも可能です。イベントで生花があると見た目も華やかになりますし、ほかの花屋さんではなかなかできない試みなので楽しみですね。」
フラワートラックは、名古屋アンティークマーケットで初のお披露目!
「in bloom」のフラワートラックは、11月20日(土)、21日(日)に東別院で開催された名古屋アンティークマーケットに出店し、初のお披露目となりました。当日はクリスマスにちなんだオーナメントや正月に飾れるしめ縄などのほか、ドライフラワーや色鮮やかな生花も並び、多くの人で賑わっていました。
トラックの前に集まる人は年齢層も性別もさまざま。自分用に好きなカラーの花や植物を購入している男性も多くいました。
フラワートラックの今後の予定はInstagramまたはお店の公式サイトで発信するとのこと。気になる方はぜひチェックしてください!
Instagram:https://www.instagram.com/inbloom_flowers_rocknroll/
お店の増築、養蜂、自家製ドリンクまで!?
進化を続けるin bloom
-in bloomさんは3年前にも取材させていただきましたが、それから何か変化はありましたか?
菅野さん:「変化したことばかりです。まずは、お店の広さが2倍くらいになりました。以前は外から見てもすぐに花屋とはわからなかったのですが、まずはそこを改善して、ドライフラワー専用の部屋、生花専用の部屋も増築しました。あとはテイクアウトのみのドリンクを作るキッチンも増えています。」
どこを見てもドライフラワーで埋め尽くされている空間は圧巻!
-まるで別のお店のように変わったんですね!
菅野さん:「そうですね。お客さんの数が増えたのもあり、お店を広くしました。お客さんが増えるにつれてやりたいことも増えていって……。自分の性格上、興味を持ったらすぐに行動に移しちゃいますね。」
-テイクアウトのドリンクも始めたとのことですが、どんなメニューがありますか?
菅野さん:「かき氷やスムージー、コーヒー、それに自家製のハチミツを入れたレモネードなどがあります。ドリンクはお店の外の一角でも飲むことができますよ。」
-どれもおいしそうですね!……いま、自家製のハチミツって言いましたか?
菅野さん:「実は、2019年から会社の屋上で日本ミツバチの養蜂をしているんです。」
-確かにメニューにも「自家養蜂蜂蜜」と書いてありますね。なぜ、養蜂をはじめたのでしょうか?
菅野さん:「きっかけは、好きなバンドのメンバーが養蜂をはじめたというのを、SNSで知ったからです。それで、興味を持って調べてみたら『週末養蜂』という言葉もあって、自分でもはじめられそうだな、と。銀座や錦など、都心部のビルの屋上で養蜂をしているところもあるみたいです。なので、うちの会社の屋上に日本ミツバチが寄ってくると言われる蘭の花と巣箱を準備して置いといたら、ほんとにハチが来ちゃいました(笑)。」
-養蜂はハチのお世話など大変ではないのでしょうか。
菅野さん:「日本ミツバチの場合は、特別なことはしません。場所を提供して、居心地が良いように環境を整えてあげることくらいです。あれこれ世話を焼くと、かえってハチのストレスになってしまうので。西洋ミツバチは害虫に弱く世話も大変みたいですが、日本ミツバチはそうではないので、基本はほったらかしです。」
-どれくらいの量のハチミツがとれますか?
菅野さん:「日本ミツバチは年に1〜2回しか蜜がとれないので、去年は4キロほどでした。西洋ミツバチは年間で50キロくらいとれるのに比べると、日本ミツバチの蜜はだいぶ希少ですね。」
-それがレモネードで味わえるのは嬉しいですね!
菅野さん:「そうですね。あとはハチミツの小瓶やハンドクリームも作っています。特に、日本ミツバチの蜜蝋を使ったハンドクリームはあまり作っている人がいなくて、かなりレアだと思います。これらは数量限定ですが、イベントでも販売する予定です。」
-3年間で数々の変化があって驚きました!なぜこんなにも変化を続けるのでしょうか。
菅野さん:「私の場合、特に明確なビジョンがあったりビジネス的な考えで行動したりするのではなく、興味からはじまることが多いですね。フラワートラックもテイクアウトのジュースもハチミツも、全部そうです。興味があることは全部やってみたい。しかし、いろんなことはやりつつも、目的は『花や植物の魅力を伝えること』。なので、興味ではじめたことを手段として、生活に花を取り入れるハードルを少しでも低くしていきたいと思っています。」
-「in bloom」の今後のビジョンはありますか?
菅野さん:「うーん……、特にないですね(笑)。ただ、これまでみたいに変化は続けていくと思います。興味を持ったことと花を絡めながら。文句も言わずに助けてくれるスタッフもありがたいですし、自分を含めて『in bloom』の雰囲気が好きで足を運んでくれる方も多いと実感しています。なので、今後も自分たちらしさを大切に続けていきたいですね。」
-菅野さん、貴重なお話をありがとうございました!
進化し続けるロックな花屋「in bloom」
今後の展開もチェック
名古屋市西区にお店を構える「in bloom」は、来店するお客さんの4割を男性が占めるロックな花屋さん。オーナーの菅野さんの人柄も素敵で、趣味の話をしにお店に来る人もいるそう。
花を贈る習慣は、日本ではまだなじみ深いとは言えないかもしれません。しかし、自分が花をもらえば嬉しいですし、部屋に植物があると優しい気持ちにもなれます。
「in bloom」のフラワートラックは、今後イベントへの参加も予定しているそうなので、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。
店内や事務所の外壁には、菅野さんが自ら書いた”カンクシー”(?)の作品も点在しています。お店に行ったら探してみてくださいね。