いつも、どこでも、心を込めて。名古屋を代表する銘菓をつくる『青柳総本家』の工場見学へ行ってきました。

2019.2.21
かえるまんじゅう

名古屋の定番土産「ういろう」。その中でも、日本一のういろう生産量を誇るのが名古屋を代表する銘菓をつくる老舗「青柳総本家」です。

 

しろ、くろ、抹茶、上がり、コーヒー、ゆず、さくら〜♪ 名古屋出身の人であれば、一度はこの「青柳ういろう」のCMを耳にしたことがあるのではないでしょうか。今回は、主要商品の「青柳ういろう」をはじめ、「カエルまんじゅう」「きしめんパイ」などロングセラー銘菓の誕生秘話から、青柳総本家の歴史、工場見学までさせていただきました。

 

名古屋が誇る名産品を今一度じっくりと掘り下げていきます。

 

 

明治12年創業。”変わらぬ味”を守り続ける青柳総本家

 

青柳ういろう

 

はじめに、青柳総本家の歴史をご紹介します。

 

青柳総本家が創業したのは、1879年(明治12年)のこと。初代後藤利兵衛氏が徳川慶勝公から「青柳」の屋号を贈られ、大須門前通りで蒸し羊かん業を、数年後には看板メニューであるういろうづくりをスタートさせます。

 

1931年(昭和6年)に、3代目の後藤為彦氏が国鉄名古屋駅構内でういろうの立ち売りを開始。このことがきっかけとなって、ういろうが名古屋名物になっていきます。


新幹線新幹線へ商品を積み込む当時の様子

 

1964年(昭和39年)に東海道新幹線が開通すると、青柳ういろう1店だけが許可を得て車内販売を開始。ういろう=「名古屋名物」として全国に広く知られるようになります。

 

 

柳に飛びつくカエルの姿

 

柳に飛びつくカエル

 

「青柳総本家」のトレードマークといえば「カエル」ですが、このロゴは「柳に飛びつくカエル」の姿を表しています。これは、春日井市出身の歌人「小野道風(おののみちかぜ・とうふう)」の故事によるもの。

 

道風が散歩をしていると、何度も柳に飛びつく「カエル」の姿を発見。何回も飛びついては落ちを繰り返す姿を、馬鹿なカエルだと思って見ていると、ヒョイっと柳に飛びつき成功させるのです。この姿を見た道風は、努力を継続することの大切さを思い知らされたという逸話に由来しています。

 

この故事が、「目標に向かって何度でも努力を繰り返す青柳のチャレンジ精神」を象徴しており、1951年(昭和26年)に愛知県出身の画家杉本健吉画伯によってデザインされます。このカエルがもととなり、「カエルまんじゅう」や「カエルサブレ」が誕生しました。


それでは、ここからは実際に工場見学をしていきましょう!


後藤知成常務

 

今回、案内してくださったのは、常務取締役の後藤知成さんです。本日はよろしくお願いいたします。

 

守山工場守山区にある本社工場。

 

後藤さん:「2012年に犬山から移転した本社工場では、原料から包装までを一括して管理・生産を行っています。製造スタッフは90人ほどで、ういろうをつくる工場と焼き菓子をつくる工場の2箇所に分かれています。」

 

 

和モダンテイストの社員食堂

 

社員食堂
広々としたぬくもりのある社員食堂

 

まずは、食堂から案内していただきました。

 

後藤さん:「こちらは、社員食堂です。工場内は、衛生面の配慮(建物の外から虫が入らないように)から窓を設けていません。窓がないので、働いていると外の天気もわからない環境です。なので、食堂は自然光が入る明るく広い空間にしています。畳スペースやマッサージチェアもあるので、社員ができる限りリラックスできる空間を目指しました。」

 

 

国産の米粉を使用したこだわりのういろう

 

ういろう生地づくりの様子

 

青柳総本家では、職人さんたちの手作業によってお菓子づくりをしています。

 

後藤さん:「ここでは「生ういろう」をつくっています。青柳ういろうは国産の米粉を使用しているのですが、お米を収穫した年の天候や気温によって味や舌ざわりに違いがでます。ですので、職人たちは、微妙な違いを見極めながら生地を仕込んでいきます。

 

「生ういろうは」賞味期限が10日ほどのもので、昔ながらの製法にこだわっているため、生地づくりから、蒸し上げ、すべての工程を職人たちの手作業で行っているんです。」

 

 


カメラが曇ってしまうほどの熱気の中、生地が練り上げられていきます。

 

ういろう

 

蒸し器

 

蒸し器で約1時間。ういろうは硬すぎず、柔らかすぎてもいけないため、温度調節も季節に合わせて調整していきます。

 

ういろう


蒸しあがったういろうは、手作業でていねいにカット。

 

 

 

カットしたういろうも一つずつ梱包されていきます。これだけの作業を職人さんたちの手作業でだけで行われているのはとても驚きでした。

 

 

 

 


こちらは、約20日日持ちする「青柳ういろう ひとくち」をつくっている様子。生地の調整は、生ういろうと同様に、職人さんたちによって微妙な加減を手で調整しながら練り上げていきます。


後藤さん:「もともと、創業当時は、竹の皮に包んで販売していたんです。しかしそれでは、わずかしか日持ちせず、お土産に持ち帰ることができませんでした。そこで、東海道新幹線の開通後に独自に開発したのがういろうのフィルム密封製法です。「より遠くの人にもういろうを」という想いの元開発した密封製法によって、おいしさは変わらずに、ういろうの日持ちを伸ばすことに成功しました。」

 

ういろう

 


こちらは、2〜4月までの季節限定商品「季節の味くらべ 春」をつくっているところです。

 

さくら風味のういろうに大納言小豆を加えた風雅な味わいの「桜味」。芳醇な桃の香りのういろうに、桃の果肉をちりばめた「若桃味」の2種類です。

 

ういろいう


ういろうが流し込まれると、一つずつ留められていきます。

 

 

 

できあがったういろうを箱に梱包してようやく完成です。手間暇をかけたういろうが出荷され、全国の人々に届けられていきます。

 

 

きしめんパイ

 

お次は、焼き菓子工場の方へ移動しました。ここでは、「カエルまんじゅう」「きしめんパイ」など焼き菓子を中心に製造しています。

 

 

本格的な味わいの「きしめんパイ」

 

きしめん

 

 

きしめん

 

軽やかな食感が楽しい「きしめんパイ」は、名古屋名物のきしめんをモチーフにしたパイです。

 

 

 

生地はきしめんのように太く長くカット。パイ生地は幾重にも重ねて焼き上げられていきます。特製のかつおぶしエキスの入ったタレを塗ることで、本格的なきしめんさながらです。

 

 

 

きしめんパイ

 

焼きたてほやほやのきしめんパイを見せていただきました。香ばしい香りがしてとってもおいしそうです。職人さんの笑顔もすてきです!

 

 

一枚ずつ丁寧に焼き上げられた「青柳 小倉サンド」

 

小倉サンド

 

こちらでは、筆者も大好きな小倉サンドをつくっていました。喫茶店の定番メニュー小倉トーストをイメージした焼菓子です。なんと、クッキーは型抜きをして一枚ずつ焼き上げられ、クリームとあんも手作業で行われていました。

 

小倉サンド


後藤さん:「小豆の数も決まっているんですよ。小豆は両サイドに2個ずつ、真ん中に3つの合計7個とバランスよくサンドできるように工夫しています。この作業ももちろん職人さんたちが1個ずつ配置していきます。」

 

 

人気の定番土産「カエルまんじゅう」

 

かえる

 

最後は「柳に飛びつくカエルのマーク」をモチーフにした、人気のおまんじゅう「カエルまんじゅう」の作業工程をみさせていただきました!名古屋土産の定番としても大人気ですよね。

 

味はこしあん味ですが、季節によっては限定のお味もいただけますよ。

 

まんじゅう


じっくりと焼き上げられていく様子は、フォルムがとってもかわいく癒されました。

 

 

 

 

焼き上げられたカエルまんじゅうにはまだ顔がありません。目や口は一つずつ焼印をされていきます。まさか、お顔が手作業だったとは思いませんでした。今回は、ご好意により特別に焼印体験をさせていただきました。

 


まずは、職人さんの手本を見ながらコテの使い方を教えていただきました。

 

 

手が震えないように、しっかりと片手で抑えて焼印をします。慎重に慎重に。目の位置に合わせて押すのは想像以上に難しいです……。一個押すだけでも緊張しました!

 

かえるまんじゅう

 

こちらが完成したカエルまんじゅうです。なんとか成功?です笑

 


今回、工場見学をさせていただき、青柳総本家の魅力を再発見することができました。今まで当たり前に、名古屋土産として購入していましたが、想いを知ること、職人さんたちが丁寧に心を込めてつくっている姿を拝見したことで、今まで以上に大好きに。そして、こんなにも素晴らしい名古屋土産のある名古屋という街が誇らしくなりました。

 

 

お土産としても、地元の人にとっても日常で愛される銘菓を

 

 


最後に今後の展開をお伺いしました。

 

後藤さん:「ういろうは名古屋のお土産としては需要が高いのですが、地元で楽しまれることは比較的少ないお菓子です。また、若者の間で「ういろうは名古屋名物」という認識が薄れているのではないかと危機感を覚えています。だからこそ、今後は地元の人たちにももっと「ういろう」を楽しんでいただきたいと思っています。

 

その中の取り組みのひとつが、「KITTE名古屋」に2017年4月にオープンしたカフェ併設の直営店と2018年9月にオープンした「喫茶Willows」です。こちらの店舗では、店舗限定メニューや「ひとくち生ういろう」を提供しています。カフェを設けることで、日常使いとしても地元の方々に青柳総本家を利用していただきたいという想いがあります。

 

また、名古屋市内の小学校の給食でういろうを出したり、地元の大学生とコラボレーションもしています。過去には東京ガールズコレクションのコラボ商品や「青柳ういろうforアスリート」を開発し、ウィメンズマラソンの参加女性に食べていただいています。伝統は大切にしながらも、さまざまな取り組みを通して、多くの人たちに青柳総本家の商品を伝え続けていきたいです。」

 

ミルク風呂「カエルのミルク風呂(390円)」は、「カエルまんじゅう」をアレンジしたスイーツ。こしあんとミルクシェイクの組み合わせが絶品です。

 

 

全ラインアップのそろう守山直営店

 


 

 

本社工場のすぐ側には守山直営店があります。ここでは、日常使いの「ひとくち生ういろう」をはじめ、全商品ラインアップがそろっています。


ういろう

 

職人さんがその年、その季節に合わせて選びぬいた素材を使用したこだわりの「ひとくち生ういろう」はわざわざ足を運んでも食べたい逸品です。

 

生ういろう

 

試食をさせていただきましたが、もっちりとしたやさしい食感と上品な甘さが引き立ちとってもおいしかったです。ぜひお近くの店舗で実食してみてくださいね!

 

【守山直営店】

住所  :名古屋市守山区瀬古1-628-1
営業時間:9:30〜18:00
定休日 :毎週水曜日(祝日の場合は営業)
電話番号:052-791-9111

 

 

各店舗の詳細はこちらから
https://www.aoyagiuirou.co.jp/store/#moriyama

【青柳総本家】
https://www.aoyagiuirou.co.jp/