【読書好きスタッフが選ぶ、1月に読みたい1冊】今月のテーマは、”大人が読みたい絵本”

掲載日:2021.01.26
【読書好きスタッフが選ぶ、1月に読みたい1冊】今月のテーマは、”大人が読みたい絵本”

みなさんこんにちは。ライフデザインズ編集部が独自の目線でおすすめしたい「本」をピックアップしてご紹介するこのコーナー。今月は”大人が読みたい絵本”をテーマに選書しました。

思わず涙があふれる感動作や、読むだけで癒される絵本など大人にこそ読んでほしいおすすめの絵本をご紹介します。

吉本ばななが贈る心が豊かになるショートストーリー
『切なくそして幸せな、タピオカの夢』

世界的作家の吉本ばななさんが、台湾の読者向けに書下した短編ストーリー絵本『切なくそして幸せな、タピオカの夢』。「人生は一度しかなく、なるべく幸せでいた方がいい。なるべく愛する人と、おいしく食べた方がいい――。」だれの胸の中にもある、亡き両親への思慕と子への情愛……自身の体験をもとに描かれたショートストーリーです。

読み終えたあと、心がすこしほっとして、穏やかな気持ちにさせてくれます。豊かな人生を自分らしく生きられるようになる。そんな一冊です。また、台湾在住のイラストレーター、Soupy Tangさんの絵がたっぷり見られるのもおすすめです。

谷川俊太郎の詩『生きる』から生まれた絵本

詩人・谷川俊太郎さんの代表作の一つ『生きる』を題材にした絵本です。足元のアリをじっと見つめること。気ままに絵を描くこと。夕暮れの町で母と買い物をすること……。子どもたちが過ごすすごす何気ない日常のなかにこそ、生きていることのすべてがある、その事実がたちあがってきます。

詩はもちろんとっても素晴らしいですが、詩の内容とリンクした内容もまた心に響きます。何気ない日常がなによりも特別に見えてくる不思議な絵本です。

ずっと大切にしたい絵本『ちいさいおうち』

『ちいさいおうち』は、1942年に描かれたアメリカの絵本作家バージニア・リー・バートンの代表作です。子供のときに読んだ記憶が忘れられず、少し前に改めて読み直しました。

物語は大工さんが建てた頑丈でちいさなおうちが、物語の主人公です。 おうちを通して四季が描かれていくのですが、少しずつ周りの環境が変わり、おうちの周りは空も見えなくなるほど都会になっていきます。どこでどんな風に生きるのか、自分らしさとは?など今改めて読むと、ハッとさせられることがたくさんあるはずです。

生きるとは何か、死ぬとは何か。『100万回生きたねこ』

1977年に出版された佐野洋子さんの絵本です。あまりに深いテーマと結末に心打たれる人が多く、発刊以来長い間読み継がれています。タイトルだけでも聞いたことあるという方は多いのではないでしょうか。

100万回、さまざまな人生を生きた猫が愛されることから、愛することを知る物語です。お子さんにとっては、猫の人生がころころ変わっていくさまが面白く感じ、大人にとっては生きていくのに自分にとって何が大切なのかなとか、考えさせらます。

全編がデッサンで描かれた『天国はおおさわぎ』

秩序第一な天国を舞台に、子どもの天使サラフィーノが大騒ぎをまき起こす物語です。ダ・ヴィンチやミケランジェロも登場する、ユーモラスなストーリーが魅力的です。また全編デッサンで描かれたイラストは、子供独特の泣き顔や困り顔など、どれも生き生きとそして今にも動き出しそうな力があります。

大切なたくさんのことに気づかせてくれる
『最初に夜を手ばなした』

難病を患っている作者の椿冬華さんの半生を描いた絵本『最初に夜を手ばなした』。作者の椿さんは、幼い頃から難病を患っており、難聴にはじまり、目も徐々に見えなくなっています。そのことを椿さんは、「夜を手ばなした」と表現しています。作品の中では、彼女が患っている数々の病気、疾患のことも、解り易く書かれています。

難病を患っている彼女は、外から見れば可哀想なのかもしれませんが、彼女が描く主人公はとても魅力的で生き生きとしています。そして生きる力に満ち溢れて、自分自身も勇気がもらえます、そして、他人事だと思って読んでいる私たちも誰にでも可能性のある事実。生きていくなかで大切なたくさんのことに気づかせてくれる一冊です。

育児中のママにおすすめ『ちいさなあなたへ』


『ちいさなあなたへ』は母であることのすべてがつまった絵本です。親でいることの喜び、不安、苦しみ、寂しさ普遍の真実がシンプルな言葉で語りつくされています。育児にちょっぴり疲れしまったとき、これから訪れる子育てへの不安などを感じてる方のは特に手にとっていただきたいと思います。

絵本の中には、壮大な母の愛が描かれており、いかに我が子を愛おしいと思っているのかが伝わります。母の日の贈り物や、妊娠出産時のプレゼントとして、手から手へ贈られつづけている普遍の名作です。

世界には知らない言葉で溢れてる『翻訳できない世界のことば』

筆者もお気に入りの一冊です。

世界にはひとことでは訳せない世界のユニークな単語がたくさんあります。それを集めて紹介しているのがこの作品です。例えば、アラビア語「ヤーアブルニー」という言葉は、その人なしでは生きられないから、その人の前で死んでしまいたいという美しくて暗い望みのこと。「ピサンザプラ」はマレー語で”バナナを食べるときの所要時間”だそう。一般的には2分くらいらしいのですが、バナナで時間表現をするあたり、国柄を伺えます。

言葉の背景にある文化や歴史、そしてコミュニケーションの機微を楽しみながら探究できる一冊です。


今回は大人が読みたい絵本”をテーマに選書しました。ぜひ気になる本を手にとってみてくださいね。

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