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今回ご紹介するのは、愛知県日進市にあるフランスの古道具を取り扱う「BROCANTE de GIGUE(ブロカント ジーグ)」です。
ブロカントとは古くなったからといって捨てるのではなく、その年月に価値を見出してインテリアとして楽しむヨーロッパならではの文化です。特に、フランスではブロカントは生活に密接しており、インテリアには欠かせない存在となっています。
BROCANTE de GIGUEのブロカントは、どれも店主のakiさんが一つひとつ現地まで足を運んで集められたものばかり。ブロカントの魅力にたっぷりと迫っていきたいと思います。
名古屋市内から車で約30分。名古屋第二環状自動車道「植田」インターから5分ほどの住宅街にあります。
「GIGUE」という店名は、フランスのバロック調の戯曲からとったのだそう。
お店の前には、ブロカントを説明する黒板が。
ていねいにディスプレイされた店内。店主のブロカントへの愛を感じます。
BROCANTE de GIGUEの誕生ストーリー
BROCANTE de GIGUEがオープンしたのは、2009年11月1日のこと。まずは、店主のakiさんにお店の誕生ストーリーを教えていただきました。
akiさん:「私の主人は店舗の設計施工の仕事をしているのですが、お店をつくる上で「〜風」ではなく、本物のアンティークをご提案できるショールームが欲しいと考えていました。そんなとき、たまたまこの物件に出会ったんです。ここは、もともとは昭和40年頃の古い喫茶店でした。私も主人も一目で気に入り、その日のうちにお借りすることに。そこから半年ほどかけて、週末にコツコツとすべて自分たちで改装しました。
主人は仕事柄アンティークに触れることが多かったですし、私自身も昔から古いものが身近な存在でした。父が神社仏閣専門の瓦屋をやっていたり、お茶やお花の先生をしていたり。なので、自然とブロカントにも惹かれていきましたね。今では、休みの日でもお店に来てしまうくらい、ブロカントは私にとって愛おしい存在です。」
最初は、ご主人のサポートという形でスタートしたBROCANTE de GIGUEですが、どんどんとブロカントの魅力に惹かれていったakiさん。今では商品の買い付けから販売まで、お一人で担われています。
ブロカントとの出会いは一期一会
買い付けの様子(フランス ボルドー サンタンドレ教会の前で開催されていた蚤の市)
BROCANTE de GIGUEの特徴は、どのブロカントもオーナー自らが現地から買い付けをしているというところ。そして、どれも驚くほど状態の良いものばかりです。
akiさん:「年に15日間ほどフランスに行き、直接買い付けをしています。自分で見たもの、自分が本当に良いと思ったものだけを仕入れたかったんです。
現地では電車とバスを乗り継いで、毎日ひたすら探します。まだ真っ暗な朝5時くらいから、蚤の市やマーケットをまわり、昼からショップを巡ります。日本と違ってかなりラフなので、100軒出展していると聞いていたマーケットが、実際に行ってみると2軒しか出展していないなんてこともしばしば。毎日夜にはヘトヘトでしたね……。それだけ探しても、全く出会えないこともあります。そうかと思えば、たまたま入ったお店で、驚くほどすてきなものに出会ったり。それくらいブロカントとの出会いは、一期一会なんです。」
akiさん:「自ら買い付けているので、すべての商品のストーリーをお話することができます。いつの時代のものなのか、どんな人から買ったのか、どんな想いで使われていたのか。それを伝えるのも私の役目だと思っているので、フランス語は得意ではありませんが、わかることはなるべく聞くようにしています。一つひとつに想いやストーリーがあるのがブロカントならではの魅力です。」
お気に入りが一つあるだけで、幸せになれる
こちらは非売品ですが、akiさんが大切にされているブロカントのひとつ。
ブロカントは自分にはハードルが高いと感じている方も多いのではないでしょうか。そこで、akiさんにブロカントの楽しみ方を教えていただきました。
akiさん:「よく自分の家には合わないんじゃ……という言葉もよくいただくのですが、家中すべてをブロカントにする必要はありません。深く考えず、まずは食器棚の一番上だけ、リビングの一角など、そこにだけ自分の好きなものをそろえてみてください。窓際に小さいビンがひとつあるだけでいいんです。お気に入りがひとつあると、その場所を眺めて幸せになれるじゃないですか。ブロカントの楽しみ方は、それで良いと思いますよ。」