いなべの自然を感じながらいただく、一夜限りのレストラン「EAT WITH NATURE」

いなべ市
掲載日:2021.12.21
いなべの自然を感じながらいただく、一夜限りのレストラン「EAT WITH NATURE」

三重県いなべ市の魅力を発信する一般社団法人「グリーンクリエイティブいなべ」主催の新たなプロジェクト「EAT WITH NATURE」。

「いなべの自然で育まれた命を、いなべの自然を感じながらいただく。五感でいなべとつながる体験を。」をコンセプトにした、1日限定のレストランを開催するイベントです。

そこで今回ライフデザインズ編集部は、第一回目となる「EAT WITH NATURE」に参加しきましたので、その様子をレポートしていきます。

「グリーンクリエイティブいなべ」とは?

EAT WITH NATURE

「グリーンクリエイティブいなべ」とは、いなべの豊かな自然、里山、農産品などの地域特有の資源(=グリーン)を都会的なものに磨き上げていく感性(=ローカルセンス)によって都会の人々を魅了するモノ・コト・トキに創りあげること(=クリエイティブ)をコンセプトに活動されている地方創生団体です。

2019年にオープンした、いなべ市の商業施設「にぎわいの森」を拠点に、SDGsの目線で地域資源をカジュアルに活用して、都会の人たちを魅了するまちづくりをされています。

この取り組みに共鳴した人たちがいなべ市へと移住し、カジュアルな店舗をオープンさせるなど、新たなムーブメントが起きています。

いなべを五感で感じるイベント
「EAT WITH NATURE」

EAT WITH NATURE

そんな、いなべの魅力をさらに感じてほしいとの思いから発足したプロジェクトが今回の「EAT WITH NATURE」です。

いなべのフィールドで活躍する生産者やシェフたちによるおもてなし。場所を変え、人を変え、季節を変え。その日、その瞬間しか味わうことのできない食を通じた体験を提供していただけます。

記念すべき第1回は、いなべの地に新たな風を吹き込んだ3名によるおもてなし。八風農園の寺園風さんと畑を歩き、大自然の中育った野菜が持つ本来の旨味を感じ。猟師の安田佳弘さんと里山を歩き、鹿の息遣いを感じ。最後に、フレンチシェフ泓 昂溫さんが火を使った演出で鹿と野菜を最高の料理に仕上げます。

それではさっそく、レポートしています。

にぎわいの森を出発!

EAT WITH NATURE

参加者は「にぎわいの森」へ集合。受付を済ませたら、概要パンフレットと軍手を受け取ります。

EAT WITH NATURE


参加者全員集まったら、バスに乗って出発です。
少し車を走らせるだけで、窓からは豊かな自然が広がります。

みんなの食卓をそろえる
「八風農園」の寺園風さん


最初に到着したのは、「八風農園」。広大な畑は、約5ヘクタールほどあるのだそう。自然系農法を用いて、旬の野菜、古代小麦、ライ麦、米を、無農薬・無化学肥料、自然派農法で年間80種類ほど栽培されています。

到着したら、八風農園の寺園さんと竹細工職人の西川さんが出迎えてくれました。

収穫に使う竹籠を制作された竹細工職人の西川さん。

すべて西川さんが制作されたもの。

まずは西川さんから竹籠の種類や、竹についての説明をしていただきました。

その後、実際に竹ヒゴづくりの実演もしていただきました。竹細工は竹ひご取りがとても重要なため、竹ひごの取り方でできあがる竹籠の出来栄えが変わってくるそうです。


細さの異なる竹ひごを編み込んでつくる竹細工は、非常に職人の手間暇のかかっている伝統の細工です。

こちらが収穫に使う竹籠です。制作工程をお聞きすることで、ものに対する愛着も一層に湧いてきます。

新規就農者として農園や食堂を営む寺園風さん。2013年に名古屋からいなべ市に移住して、この土地に農園を開いたのだそう。

寺園さん:「八風農園が掲げるコンセプトは『みんなの食卓を揃える』ことです。野菜だけでなく、小麦やライ麦、お米、にわとりやひつじも飼育しています。できるだけ自給自足をしたいと思っているので、醤油づくりや、お酒づくりにも挑戦しています。

今日はみなさん野菜の収穫体験をして、採れたての野菜もその場で食べてみてください。」

西川さんの竹籠を手に、いざ収穫体験に挑戦です!

農園を歩きながら、寺園さんが野菜の種類を教えてくれます。


気になる野菜を収穫しては、その場で食べてみます。

どの野菜もみずみずしくて、とってもおいしい!
参加者の方たちも思い思いに野菜を収穫して、食べていましたよ。

水菜やにんじん、どの野菜もイキイキとしています。普段土に触れる機会がないので、こうして土と触れ合っているだけでもとても癒されます。

こちらが収穫した野菜たちです。採った野菜は持ち帰りができるので、後日おいしくいただきました。普段は、スーパーでしか野菜を買わないので、土がついたままの野菜を食べることはとても新鮮で、有難い気持ちになりました。

夜のレストランでは八風農園の野菜がいただけるので、どんな風に生まれ変わるのか楽しみです。


八風農園では、この土地で育てられた作物も一年を通じて食べていただきたいとの想いから、定期販売もされています。季節ごとに変わる採れたての野菜が楽しめますよ。

▼定期販売はこちらから
https://matsukazecompany.com/happu

【松風カンパニー】
https://matsukazecompany.com/

いなべの森の中で自給自足の生活を営む、
猟師の安田佳弘さん

続いては猟師の安田さんが暮らす里山へ。バスから降りると更に山深くなった、いなべの空気が感じられます。

安田さんもまた、いなべ市に魅了されて大阪から移住した一人。現在、安田さんは猟師として狩猟しながら、この地で捕らえたシカやイノシシなどを解体し販売する「鈴原⼭⾁店」、奥さんとともに「MY HOUSE」という山の麓の雑貨と喫茶店を営まれています。


さっそく山の中へ入り、鹿の足跡を辿っていきます。

鹿やイノシシが暮らす里山へ入ると、一気に世界が変わります。


いたる所に彼らたちの痕跡がみつかります。こちらの水たまりではイノシシが木に泥を擦り付けた跡がみられます。安田さんは木の上にテントを張ってイノシシの生態を観察したこともあるのだそう。恐るべし行動力です。

こちらは、鹿のフンです。猟をするときは、何を餌にしていたかも参考にしながら、鹿の跡を追いかけていくそうです。

山を歩くと、獣害防止のため土手「猪鹿垣(ししがき)」の跡や山水を水田用水にひくために整備された石積みの水路跡など、ここで暮らしていた人たちの痕跡が残っていることも教えてくれました。


険しい山道を登るのは大変でしたが、冒険気分でとてもたのしかったです。

山を登った先には、安田さん家族が暮らす美しい里山が広がります。自給自足的生活をしたいと思っていた安田さんにとって、この場所は最高のロケーションだったそうです。

安田さんが営む「MY HOUSE」や「鈴原⼭⾁店」は、自分たちで建てたというのだから驚きです。

安⽥さんにとって狩猟は「⽣業」であると同時に、⾥⼭を保全するための「営み」でもあります。動物を捕まえ解体し、食べるまでの時間は本当に手間もかかり大変だけど、おいしいと喜んでくれる姿をみるとすべて報われると言います。


続いては、野草茶をいただくため周辺の野草をみんなで摘んでいきます。この日選んだのは、カキドオシと笹の葉。

一体どんなお茶になるのでしょう。


参加者のみなさんと火を囲みながら、野草茶をいただきます。

火を囲みながらいただく、野草茶は最高のご褒美です。
飲みやすくてとてもおいしかったです。

最後はお土産に、八風農園の玉ねぎと安田さんの鹿肉を使ってつくったソーセージをいただきました。

MY HOUSEでは、⿅や猪などの「⼭⾁」をメインに⼭菜や果実、⽊の実やキノコなどの⼭の恵み、地物や野菜を使ったランチやおやつが楽しめます。また、安田さんの自然教室「My Forest College」も開催中ですので、ぜひチェックしてみてくださいね。

【MY HOUSE】
https://www.facebook.com/myhouse.cafe.zakka/

一夜限りのレストラン

あたりはすっかり日が落ちて、ふたたび「にぎわいの森」へと戻ってきました。一夜限りの野外レストランのはじまりです。
 

野外レストランを担当するのは、超人気ビストロ「フチテイ」のオーナー泓 昂溫さん。火を使った演出で鹿と野菜を最高の料理に仕上げます。


そして、森の中のレストランはとにかく素敵!特別な高揚感で参加者の方々もワクワクしながら料理を待ちます。

八風農園の野菜、安田さんが仕留めた鹿がおいしいフレンチになって提供されます。

暖かいスープ、前菜、メインの鹿肉の赤ワイン煮、デザート……。
いなべのフィールドで活躍する生産者やシェフたちによるおもてなしは、言葉では言い尽くせないほど感動的な時間です。


「EAT WITH NATURE」では、今後も、場所を変え、人を変え、季節を変え。その日、その瞬間しか味わうことのできない食を通じた体験ができます。

第二回、三回と、今後も続いていきますので、ぜひ参加してみてくださいね。きっと特別な時間になるはずです。

スポット詳細

Life Designs (ライフデザインズ)は、”東海エリア(愛知・岐阜・三重)の暮らしをもっと楽しく”をテーマに、情報発信するライフスタイルメディアです。

おでかけやランチの参考など、読者のみなさんの日常に寄り添えるメディアでありたいと思っています。運営しているのは、食・おでかけ・趣味に日々全力な編集部員たち。自分たちが東海エリアで生活する中で、出会ったモノや場所、琴線に触れたことをメディアを通してお届けしていきます。

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