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名古屋市名東区の住宅街にポツリと現れる三角屋根の建物。北欧ヴィンテージ家具店「favor(フェイバー)」です。デンマークを中心に、現地でオーナー自らが買い付けたこだわりの北欧家具や雑貨がずらりと並びます。全国からお客さんが訪れるほど、ヴィンテージ家具好きにはたまらないお店です。今回はオーナーの安井拓さんに、お店誕生のきっかけ、北欧ヴィンテージ家具の魅力などお話を伺いました。
そして今回は特別に、今年の5月に完成したご自宅も案内していただきました。こちらは後半でご紹介しますので、お楽しみに!
自分が「本当に良い!」と
思ったものだけを届けたい
1階はショールームと家具をリペアする工房。2階は家具倉庫になっています。
オーナーの安井さんご夫婦(ご主人の安井拓さん、奥様の安井友子さん)
はじめにお店の誕生のきっかけを教えていただきました。
安井さん:「大学卒業後、最初は大手の住宅会社に就職し営業職をしていたんです。
地震に強い、性能が良いなどは素晴らしいと思ったのですが、やっていくうちに建築デザインが好きな自分が住みたい家ではないと思うようになりました。自分が好きだと思っていないものを売ることにすごく抵抗があって……1年ほどで辞めてしまいました。「お店をやりたい!」という想いは学生の頃からあったのですが、どうして良いのかもわからず、とりあえず家業の鉄工会社の仕事を手伝うことになりました。」
ショールームは、あえて家具の数は多くせずに、レイアウトのイメージができるように配置されています。
アイテムはどれもとても状態が良いものばかり。一つひとつ丁寧にリペアされています。
そんな安井さんに、突然ある転機が訪れます。
安井さん:「イームズの椅子をはじめとする、アメリカのヴィンテージ家具が好きだったので、集めていたんです。そんな家具の魅力にはまりはじめた頃、懸賞でアメリカのツアーが当たりました。現地のフリーマーケットに行って以来一気にヴィンテージ家具の虜になってしまいましたね。
それからは給料を貯めてはアメリカで買い付けをして、ヤフーオークションで販売するということもはじめました。何度も買い付けに行くうちに、アメリカに住んでいるデンマーク人から北欧家具ばかり買うようになったんです。それなら直接デンマークに買い付けに行こう!ということになり、デンマークを中心に買い付けをするようになりました。」
えびすビルの店舗
安井さん:「家具の仕事が本格的にしたいなと思っていた矢先、会社をたたむことになったんです。「今度こそ自分のやりたいことをやるしかない!」と、伏見の長者町にあるえびすビルにお店をオープンしました。『favor(フェイバー)』という店名には、お気に入りのものを届けたい、使って欲しいという想いを込めています。」