「岐阜市歴史博物館」で、縄文時代からの歴史や伝統工芸に触れよう!

岐阜市
掲載日:2023.10.30
「岐阜市歴史博物館」で、縄文時代からの歴史や伝統工芸に触れよう!

岐阜公園内に建つ「岐阜市歴史博物館」。2020年〜2021年放送の大河ドラマ『麒麟がくる』 では、岐阜市が舞台ということもあり、「麒麟がくる 岐阜 大河ドラマ館」としても人気を集めました。

今回は、普段の博物館ではどんなものが展示されているのか、歴史や伝統工芸品などを中心にご紹介します。

 

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岐阜歴史博物館とは

岐阜歴史博物館は、金華山のふもとの「岐阜公園」内にある博物館です。

館内は、岐阜の歴史や伝統工芸品の紹介、体験コーナー、年に数回は特別展や企画展など、テーマに沿った内容の展示なども催されています。

駐車場は?

岐阜歴史博物館には専用の駐車場がありません。お車の場合、少し北に進んだ場所にある、「大宮町駐車場」が一番近くてわかりやすいので、こちらがオススメです。(混み具合によっては少し離れた堤外駐車場に案内されます)

入口がわかりにくく、岐阜市方面から行くとUターンをする必要があるので、長良橋南の交差点から下ると左折して入ることができます。

料金は、営業時間内だと何時間止めても1回310円です(1時間以内だと無料)。

館内はどうなっている?

玄関を入ると吹き抜けの広いロビー。チケットは玄関入って右の受付で購入します。

館内は1階の特別展・企画展のコーナーとミュージアムショップとなっています。特別展・企画展は年に数回テーマと期間が決まっているので事前に確認しましょう!

次回特別展 テーマ:「天下統一 ~信長・秀吉・家康と岐阜~」

      開催期間:2023年10月7日(土)~11月19日(日)

今回は2階の総合展示室(常設展)を中心にご紹介していきます。大きく以下の4つのエリアに分かれていて、それぞれテーマに関連したものが展示されています。見て回る際は、受付でパンフレットをもらうと、よりわかりやすいですよ!

■ 原始・古墳~古代・中世

■ 戦国ワンダーランド

■ 近世~近代・現代

■ 伝統の技と美

※尚、通常は館内では一部しか写真撮影はできません(動画はNG)。パンフレットのカメラマークのあるコーナーだけ撮影可能ですので、事前にチェックを。

~原始・古墳~古代・中世エリア~

2階入口を入ると、右手が「原始・古墳〜古代・中世」のコーナーです。

まわり方は右側から原始時代となっていて、ウィンドウに沿って進みます。

原始・古墳

原始・古墳コーナーでは、教科書で見覚えのあるような、実際に遺跡から発掘された石器類の数々の展示をはじめ、縄文時代に使われていた土器などが展示されています。

パネルで解説もされているので、説明を見ながらまわるとより理解も深まりそうです。

また、体験コーナーも設置されています。こちらは縄文土器のパズルで、ピースになった土器のかけらを壺にはめていき完成させるもの。立体的なパズルは珍しいですね!大人もこどもも楽しめそうです!

こちらは銅鐸(どうたく)の復元品。祭祀に使われていたものだそうで、鳴らすこともできるので、実際に音色を聞いてみてくださいね(まわりに注意して鳴らしましょう)

弥生~古墳

宝珠古墳(岐阜市北西部本巣市東部との堺に位置する丘陵丘)からの出土品。現在は滅失

弥生・古墳時代になると、稲作や定住する動きになっていきます。織物で使う道具や、古墳時代には金属製品などの出土品など、時代の移り変わりも遺物からも伺えます。

古代・中世

また、ひときわ目を引くのがこちらの「厚見寺五重の塔の模型(縮尺1/10)」。現在の岐阜市の瑞龍寺(ずいりょうじ)の境内には、白鳳時代(645~710年)に建てられた「厚見寺」の塔心礎(とうしんそ)が残っており、その大きさから五重の塔の大きさが推察されたもの。瓦にも「厚見」という文字が残されていることから、当時は現在の厚見地域のあたりが岐阜の中心地だったと想定されているようです。

こちらは岐阜市唯一の国宝「金銅獅子唐草文鉢(こんどうじしからくさもんばち/複製)」。仏前にお供えものをのせる器として使われていたものでは……ということで、見るほどに味わいが感じられます。

続いて阿弥陀如来像(あみだにょらいぞう/複製)と、毘沙門天像(びしゃもんてんぞう/複製)の2体。奈良〜鎌倉時代のもので、仏教思想の影響でこういった仏像も一気に広がっていきます。

向かって左の阿弥陀如来は平安末期に人々のあいだに極楽浄土への思想が広まるにつれ、多数作られるようになったそう。毘沙門天は仏を守る四天王のひとつで、別名多聞天と呼ばれています。

右の掛け軸は「土岐成頼(しげより)」の像(複製)

美濃(岐阜)の武将といえば、思い浮かぶのは齋藤道三という人も多いかもしれませんが、それ以前にいた守護大名は土岐氏。その後斎藤道三が土岐氏から美濃の実権を奪います。

その後織田信長が齋藤氏を倒して岐阜入りするのですが、ここでよく知られている話が、「岐阜」という地名は信長がつけたといわれる説。

実はそれ以前にすでに「岐阜」という名前は記録にあったようです。それがこの掛け軸に書かれた文字。ただ「岐阜」という文字を積極的に使って定着させたのは信長で、実際に岐阜の名前が広く知れ渡ったのは信長の功績のようですね!

~戦国ワンダーランドエリア~

天下鳥瞰絵巻(てんかちょうかんえまき)

こちらは「天下鳥瞰絵巻(てんかちょうかんえまき)」と呼ばれるコーナーで、映像シアターとなっています。ここでは信長の生涯を描いた内容を見ることができます。

戦国立体図鑑

戦国時代好きの人には、美濃や尾張での歴史の戦いの様子を屏風や絵図で間近で体感できるエリア。

こちらはスペイン・ポルトガルの貿易船が日本に入港した際を描いた屏風。日本とは全く違う服装や動物たちも下ろされる描写から、きっと当時の人はビックリしたでしょうね!そんな当時の様子がうかがえます。

こちらは織田信長が上杉謙信に送ったとされる「洛中洛外図屏風(右隻、画像展示)」。

また、有名な「関ヶ原の戦い」の屏風(画像展示)は、壁一面のサイズで戦いの様子も迫力満点!東軍を赤、西軍を青、内王軍を緑色で色分けしてあり、武将名も示されていて臨場感あふれる様子が描かれています。

一角には書物を読んだり座れるスペースも!

楽市立体絵巻

急にタイプスリップしたような町並みは、岐阜城下町の様子を想像復元したものちゃんと2階まで作られています。

このエリアには、4つのお店が軒を連ねています。こちらは美濃和紙のお店。実際中に入って見ることができます。

こちらは魚屋さん。昔はこんな風に魚が売られていたんですね!

中に入ると、当時の信長の食事を再現したものも。あわびやお刺身をはじめ、鶏肉などもあり、その品数にもビックリです!

ここは反物やさん。写真のマントと帽子は試着OK!

美濃のやきもの

岐阜や愛知は焼き物も盛んな産業のひとつ。中でも美濃焼は、室町時代に鉄分や灰を釉薬にした陶器からはじまり、その後黄瀬戸(きぜと)や瀬戸黒(せとぐろ)、織部(おりべ)などと呼ばれる器が誕生していきます。

~近世~近代・現代エリア~

近世では、江戸時代の美濃の様子が展示されており、特に城下町を中心とした各地域で営まれた祭りや文芸などが紹介されています。

近代・現代では、明治維新から文明開化・濃尾震災・そして太平洋戦争後までの歴史について触れることができます。

近世

近世の体験コーナーでは、浮世絵の重ねずりを体験できます。1枚の絵に4回インクをのせてこすって重ねていくことで、最後はカラフルな浮世絵の完成です。

まずは一番左の黒からインクをつけてこすっていきます。

まずは黒色にすられたもの。

左から順に、黒→青→茶→赤で色を乗せていくと、約150年前に出版された絵と同じものが完成です!

近代・現代

いよいよ最後の近代・現代コーナーです。記憶に新しい出来事もいくつか展示されています。

こちらは、以前500円札のモデルにもなった「板垣退助」が岐阜公園で演説をしていたときに襲われた際の絵。「退助ハ死すとも自由は滅せざるなり」という有名な言葉が生まれた場所です。

明治24(1891)年に起きた濃尾地震の様子も。マグニチュード8.0という大規模地震で、内陸地震では現在でも日本最大といわれている地震だそう。朝の6時30分頃に起きた地震なので、朝ご飯の支度でかまどで火を使っていたこともあり、火災による被害が大きかったそう。

黒焦げになった当時のお金(銅銭)が溶けて固まったものを見ると、そのときの被害の大きさを感じられます。

~伝統の技と美エリア~

最後は岐阜市の伝統技術とその代表的な工芸品の岐阜提灯・岐阜和傘・岐阜団扇などを中心とした展示コーナーです。

和紙でつくられた「岐阜和傘」。中でも岐阜市の加納地域は日本最大の和傘の産地だそう。しかし紙製の傘で雨をどうやってしのいでいたのか……という疑問がありますが、油を塗って撥水していたようです。

和紙からほんのり灯るやわらかい光と繊細な絵が美しい「岐阜提灯」。絵柄は何枚もの絵柄の型紙を使って版画のように40〜50回もの色を提灯紙にすり込んでいく、とても手間暇がかかった工芸品。

ちなみに岐阜提灯と岐阜和傘は国の伝統的工芸品に指定されています。岐阜提灯は平成7年、岐阜和傘は令和4年、どちらも全国の提灯・和傘産地の中で初めての指定となっています。

透かしが見た目にも涼やかな「岐阜団扇」の中でも特に有名な「水うちわ」。和紙をベースに、仕上げにはニスを塗って光沢を出して美しく仕上げています。

どれも職人の技術が光るものばかりで、伝統を絶やさないで欲しいなと感じるものばかりです。※こちらのコーナーは撮影OK!

ミュージアムショップで人気の商品は?

1階受付横に併設された「ミュージアムショップ」では、お土産などが販売されています。

中でも人気のおみやげは「水うちわ」。色鮮やかなデザインとちょうどよい大きさで、自分用にもお土産用にも喜ばれそうですね!

また、お手頃なクリアファイルも人気!お城や古墳、花押などが図鑑になったファイルは、見ているだけでも楽しく勉強にもなりそう!コレクションで集めても楽しそうです。

博物館を楽しんだあとは、実際にロープウェイで岐阜城まで足を運んだり、公園を散策してみるのもオススメですよ!

スポット詳細

岐阜歴史博物館 】
住所   :岐阜県岐阜市大宮町2丁目18-1(岐阜公園内)
電話番号 :058-265-0010
営業時間 :9時〜17時(入館は16時30分まで)
休館日  :毎週月曜(祝日の際は翌日)・祝日の翌日・年末年始(12月28日~1月3日)
入館料  :一般310円(高校生以上)小中学生150円
※上記は常設展示・企画展の観覧料。特別展はそのときの価格による。
※団体は一般250円・小中学生90円 ※いずれも20名以上
アクセス :電車/JR岐阜駅および名鉄岐阜駅よりバスで「岐阜公園歴史博物館」下車、徒歩約5分
駐車場  :岐阜公園駐車場(310円/1回)※営業時間 8:30~21:00
web         :https://www.rekihaku.gifu.gifu.jp/

結婚情報誌、美容、飲食を展開する出版社に約9年勤務。結婚を機に退職後は旅行好きが高じてフリーライターへ。家の転勤で福岡・広島を経由し、現在は名古屋市在住。愛知県はもちろん、東海3県の魅力を満喫&発掘中。得意分野は神社や温泉、そのほか美味しいものも大好き。地元の人の「当たり前」にプラス「新たな発見」をお届けします。

https://www.kzm-trip.com/

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