2時間で世界一周?!「犬山・リトルワールド」で世界の建物を学ぼう!
目次
世界遺産としても登録されたとんがり帽子の屋根
「イタリア アルベロベッロの家」
こちらは、1966年(昭和41年)に世界遺産として登録されたアルベロベッロの建物です。
イタリア半島の南部の農家を復元しています。アルベロベッロの伝統的な家屋は、とんがり帽子の屋根が特徴で「トゥルッリ」と呼びます。屋根も天井も壁も床もすべて、この地方で豊富に採れる石灰岩を積み上げてつくられています。石積みの厚い壁は、きびしい熱風や寒気から人々を守ってくれます。
屋根頂上の白い部分は、「ピナーコロ」と呼ばれ、雨漏りを防ぐ石灰岩の押さえが飾りとなったものです。その下に石灰で描かれた模様は家の持ち主の願いを表すシンボルマーク。
何層にも石が積み上げられているのがわかります。
トゥルッリの壁には白い石灰が塗られています。暑さを避けるために入り口や窓が狭くなっていますが、白い壁が光を反射して明るく広く感じさせてくれます。
実際に何十年も屋根にのっていた石。トゥルッリの屋根用の平らな石を「キャンカレッレ」と呼びます。
カラフルな幾何学模様が特徴
「南アフリカ ンデベレの家」
続いてはとてもユニークなお家をご紹介します。
こちらは、南アフリカ共和国の内陸部、標高900〜1500mの高知に住むンデベレの家屋です。水性ペンキで描かれた色鮮やかな幾何学模様の壁絵が特徴で、すべてフリーハンドで描かれています。壁画を描くのは女性たちの仕事。「ここに住んでいるのはンデベレです!」という民族の自己主張を表しているそう。
壁画は、実際に南アフリカからンデベレの女性が来日し描かれています。
キッチンや寝室は壁絵はありませんが、色鮮やかなペイントで仕上げられています。インテリアも個性的です。
色鮮やかな織物が印象的
「トルコ イスタンブールの民家」
最後にご紹介するのは、イスタンブールの伝統的民家を復元した建物です。イスタンブールは古来より文明の十字路として栄えてきた世界有数の大都市で、旧市街はユネスコの世界文化遺産にも指定されています。
玄関の上にある目玉をかたどった青いガラス玉は「ナザール・ボンジュウ」というトルコのお守りです。邪視から災いをはねのけると信じられています。
織物はトルコの主要産業のひとつ。民家の中には、色鮮やかな織物が所狭しと使われていました。
階段をあがったところにある「くつろぎの間」。2階の各部屋を連結する役目を担う重要な空間です。トルコの伝統的民家には欠かせないものです。
今回ご紹介したのは、23カ国32施設のうち11施設です。まだまだ魅力的な建物や施設がたくさんあります。忠実に再現された建物は、本当にその国を訪れているような感覚になります。インテリアや色使いなどはもちろん、素材・間取り・建築様式など、参考になるポイントがたくさんありました。
そして、今回は建物という視点でご紹介しましたが、世界各国のグルメや民族衣装を楽しめ、本館展示では約6,000点もの民族資料を展示しています。子供から大人まで一日中楽しめるテーマパークです。お休みの日にふらっと立ち寄ってみるのもいいですし、家づくりの参考に行くのもいいですね。今週末はリトルワールドへ行ってみませんか。