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みなさんは「LGBT」という言葉を知っていますか?。LGBTとは、レズビアン(L)・ゲイ(G)・バイセクシュアル(B)・トランスジェンダー(T)の頭文字をとったもので、セクシュアル・マイノリティ(性的少数者)の総称のひとつです。はじめて聞く方もいるかもしれませんが、LGBTは13人に1人の割合でいるといわれています。
世界各地ではLGBTの権利や文化、コミュニティーへの支持を示す、さまざまなイベントが開催されています。そして、ここ名古屋でも「名古屋レインボープライド」が、毎年行われています。昨年の動員数はなんと、4万5,000人!着実に名古屋でも大きな広がりをみせています。
そんなビッグイベントの代表を務めるのが、ドラァグクイーンとして活躍されている「Lyra-h.Grai(ライラグレイル)」さん。今回は、ライラさんにレインボープライドの魅力をたっぷりとお伺いしていきましたので、ぜひご覧ください。
※2020年のイベントは新型コロナウイルス(COVID 19)感染拡大予防の為中止
名古屋レインボープライドとは?
名古屋レインボープライドは、名古屋市東区のオアシス21にてLGBTを軸に、身体的特徴・国籍・家族のカタチなど多様性について考えるイベントです。イベント当日は、ステージでのライブや、ブースの出店など楽しい企画が満載!
そして、このイベントの目玉となるのが、「プライドパレード」。”ハッピープライド”を合言葉に、オアシス21から矢場町方面へ横断幕やフラッグ、レインボーのカラフルな傘などを持って、楽しく歩きます。性別や国籍、身体的特徴などのあらゆる違いを認め合い、お互いを祝福することを目的に、世界各地で行われています。
ダンサーからドラァグクイーンへ
名古屋レインボープライド実行委員会共同代表の※ドラァグクイーン・「Lyra-h.Grai(ライラグレイル)」ことライラさん。ライラさんは、名古屋を拠点に全国で年間200本以上のイベントに出演。他にも、ドラァグクイーンを中心としたプロデュース・衣装制作を手がける「ライラカンパニー」の代表を務めるなど、多岐に渡って活躍されています。
– はじめに、ライラさん自身についてお伺いしました。
ライラさん:「私がドラァグクイーンとして本格的に活動をするようになったのは、2007年頃のことです。それまでは、ゲイのダンスチームのメンバーとして踊っていたのですが、ドラァグクイーンのバックダンサーをやらせてもらう機会があったんです。
そこから先輩に推薦をしていただき、ドラァグクイーンの世界に飛び込むことになりました。今みたいにインターネットが盛んな時代ではなかったですから、とにかく先輩たちの見よう見まね。必死にメイクの仕方やドラァグクイーンとしての立ち居振る舞いを学んでいきましたね。」
※ドラァグクイーンとは
男性の同性愛者が派手なメイクに派手な衣裳でドレスアップすることで男性が理想像として求める「女性の性」を過剰に演出したことにあるといわれる。本来はサブカルチャーとしてのゲイ文化の一環として生まれた異性装の一つ。
今では、性別問わず世界中でドラァグクイーンを楽しむ方が多くいます。
ドラァグクイーンだからできること
ライラさん:「実はもともと、女装をすることには抵抗があったんです。私が活動をはじめた頃はドラァグクイーンという言葉はおろか、LGBTという言葉も浸透していない時代でした。でも、ドラァグクイーンであれば自由に自己表現ができる!もっと自分たちのことを社会に知ってもらうことができるんじゃないかって。
そこから、クラブイベントをはじめ、さまざまな啓蒙活動にも参加させていただくようになっていきました。」
名古屋レインボープライドを通じて
ライラさん:「名古屋では2012年から前身である「虹色どまんなかパレード」が開催されてきました。昨年の2019年からは名前を新たに、名古屋レインボープライドの共同代表という形で企画から関わらせていただいています。
ドラァグクイーンは見た目も派手ですし、一般の方にもわかりやすく興味を持っていただきやすいと思うんです。私たちをきっかけに、LGBTについて知っていただけたら嬉しいですね。」
ライラさんとともに、名古屋レインボープライドの実行委員メンバーとして活動されている原田由佳理さんにもお話を伺いました。
– 原田さんが名古屋レインボープライドに参加されたきっかけを教えてください。
原田さん:「私はもともとイベントの企画をしたりしていて、2018年からは老若男女問わず、どんな人も分け隔てなく楽しめる「CRAZYFES(クレイジーフェス)」というボーダレスなイベントを大高緑地で開催していました。
しかしLGBTという言葉は聞いたことあるけど、深くは意味を知らなかったんです。そんな中ライラさんに出会って話をしていくうちに、自分がやりたいと思っていたことと、名古屋レインボープライドは同じことだなって気付かされたんです。そこからご縁があって、名古屋レインボープライドに参加させていただくことになりました。」
原田さん:「LGBTの人だけではなく、自分自身もすごく励まされるんですよね。人と違うことって、悪いことなんじゃないかって、LGBTじゃなくても生きづらさを感じることってありますよね。でもレインボープライドに参加することで、自分は自分のままでいていいんだって思えるんです。それに、とにかくとっても楽しいんです!」
ライラさん:「楽しいってすごく大切なことなんですよね。楽しさの延長線上に興味があって、そこからもっと知ってみようってなると思うんです。パレードも「なんかあの人たち派手だな、楽しそうだから参加しちゃえ!」って気軽な気持ちで飛び入り参加してください。」
大切なのは決して他人事ではないということ
ライラさん:「「LGBT」について考えていくことは、性を通じて相手を思いやることだと思うんです。どこかで、みんな他人事のようですが、本当はみなさんの周りにもたくさんいると思います。それが友達かもしれない、自分の子どもかもしれません。
自分がLGBTの当事者じゃなくても、決して他人事ではないことを知ってほしいですね。LGBTが暮らしやすい社会は、みんなにとっても暮らしやすい社会になっていくと思います。」