名古屋市営地下鉄「大須観音」駅から徒歩8分ほどの場所に、おにぎりのテイクアウト専門店「おにぎりやさん」があります。
近年ではおにぎりブームが広がるなか、約10年ほどまえから素材にこだわったおにぎりの販売を続けている、おにぎりブームの牽引者ともいえるお店です。
目次
米、海苔、具材、一つひとつにこだわって作られたおにぎりは、一口食べるごとに幸せな気分になれるおいしさ。何年もイベントでの移動販売のみを続けてきましたが、満を持して2020年11月、大須に店舗がオープンしました。
今回は、おにぎりやさんのオーナー・杉江さんにこだわりやおにぎりの魅力を伺いました。
「お米のある暮らし」を提案するおにぎり専門店
杉江さんがお店を持とうと思ったきっかけは、コロナ禍にあったと言います。「もともとは平日に本業、週末だけおにぎりの移動販売を5年ほど続けていました。しかし、コロナ禍になると本業としていたフリーランスの仕事が一度途切れてしまって。そこから自分の働き方を考えたときに、本業よりもおにぎりの方を本格的に続けていきたいと思い、お店を持つことを決めました」と杉江さん。
そして、お店を持ったことで、お客さんとしっかりコミュニケーションを取れるようになったことが大きな変化だと話します。移動販売のときは主にイベント会場だったため、どうしても行列ができてしまったり、おにぎりの受け渡しで精一杯になってしまったりしていましたが、店舗を持つことでお客さん一人ひとりとじっくり話せるようになりました。「おにぎりのことはもちろん、生産者さんの思いや素材の良さも伝えられて、お客さまの反応がストレートに分かるのも嬉しいですね」とのこと。
インタビュー中もお客さんの対応をしていた杉江さん。常連さんや初めてきたお客さんとわきあいあいと話しながらも生産者さんのことを伝えていました。お客さんも「へぇ〜!すごい!」と感心しながらおにぎりを選んでいたことも印象的です。食べるだけでなく、おにぎりが作られるまでのストーリーも知ると、いっそうおいしく感じるかもしれません。
お店のコンセプトは、「お米のある暮らしを提案する」こと。杉江さんは「前職のときにお米農家さんや生産者さんと話す機会が多く、もっとお米の良さや生産者さんのことを伝えたいと思いました。そのときに、おにぎりなら具材やお米本来の味を伝えられると思い、おにぎりの専門店にしようと決めました」と話します。
おにぎりの具材作りから握り・ラッピングまで、基本的にすべての工程を一人で行っています。おにぎりやさんのおにぎりは、白米と玄米で炊き方を変えたり海苔を一枚ずつ焼いたり、丹精込めて作られていることが特徴。常時10〜12種類あり、白米・玄米・季節の炊き込みご飯から選べます。
細かなところまでセンスが光るおしゃれな店内
店内は、おにぎりのショーケースとレジ、食品の販売スペースがほとんどを占めており、決して広いわけではありません。しかし、一つひとつじっくり眺めたくなる小物や絵、ドライフラワーなどがたくさん置かれており、ワクワクできる空間です。
特に目を引くのが、ところどころに飾られている「おにぎりやさんのロゴマーク」。何種類かありますが、すべて画家・山口一郎さんが描いたものです。
愛らしい動物や花の絵が人気の画家で、杉江さんはずっと大ファンだったとか。お店をオープンする際にダメ元でロゴマークの作成を依頼してみると、何パターンかデザインされた原画が送られてきたとのこと。
入口の看板や店内には、かわいらしいタッチのロゴマークが飾られています。
米・海苔・味噌すべての素材にこだわり、
生産者の声を伝える
おにぎりやさんでは、お米や海苔をはじめ、すべての具材・調味料を厳選しています。「生産者さんの顔がわかるものを使いたい」という思いから、農家さんや漁師さんから直接仕入れているそうです。
お米へのこだわり
おにぎりの命とも言えるお米は、品種から炊き方、握り方まですべてにこだわりが詰まっています。お米は愛知県美浜町にある杉浦農園さんの低農薬米「にこまる」を使用。冷めても粒が大きく、ほどよいもっちり食感が特徴です。土鍋で炊き上げたご飯は一つひとつの粒が立っていてツヤツヤ、さらに透明感があり美しさを感じるほどです。冷めてもおいしくなるよう、炊きたてのご飯を土鍋からお櫃へ移します。
お櫃の調湿効果で余計な水分を取りながらも乾燥させず、一定の湿度が保てます。このひと手間を加えることが、冷めてもおいしいおにぎりの秘訣です。
玄米も同じ農園の「ミルキークイーン」を使用。玄米はパサついているイメージを持っている人が多いですが、この玄米は、とにかくもちもちの食感が魅力です。玄米は土鍋ではなく圧力鍋で炊くことでもっちりプチッと仕上がります。玄米が苦手な方でもおいしく食べられると好評を得ている玄米のおにぎりは、お店のオンラインショップでも購入可能です。
海苔のこだわり
おにぎりに使う海苔は、三重県鈴鹿市の漁師さんから直接仕入れている最高級海苔の「やだのり」。時間を掛けてじっくりと育てられる海苔は「海の農業」とも言われ、海の環境や作り手によって大きく味わいが異なります。全国にファンがいるほど人気の高い「やだのり」は、食べる前に焼く(炙る)ことを推奨。焼くことで黒っぽい色から鮮やかな緑色へ変化し、海苔の風味が際立つことから、杉江さんも一枚一枚焼いてからおにぎりに巻いています。
具材へのこだわり
おにぎりの具材を極力お店で手作りすることも、こだわりの一つ。例えば、「ほぐし鮭ごま風味」は、焼いた鮭にゴマペーストと甘酒で甘みをつけてバターで和えています。シンプルな素材にひと手間、ひと工夫加えることで「おにぎりやさんの味」に。季節の食材を使った炊き込みご飯、三重の農家さんの梅干しを使った梅カツオなども人気です。
「どの生産者さんも丹精込めて時間をかけて食材を作ってくれているので、そのおいしさを十分に引き出すために、私も一切手を抜けないと思っています」と杉江さん。生産者さんの代弁者ですね、との声かけに「そうなりたいです」と笑顔で頷いていました。
炊きたての玄米のおいしさを家で楽しめる!オンラインショップも
おにぎりやさんの玄米おにぎりは、オンラインショップで購入可能です。炊きたてのおにぎりを急速冷凍で一気に冷やすことで、おいしさをぎゅっと閉じ込めています。
電子レンジで温めるだけで炊きたての味が楽しめるほか、海苔を巻いたりお茶漬けにしたり焼きおにぎりにしたり、アレンジするのもおすすめ。シンプルな素にぎりや小豆入り、梅肉のせ、しそひじきなど味のバリエーションも豊富です。
一度食べたらきっとそのおいしさに驚きますよ。気になる方はこちらからチェックしてみてくださいね。
「おにぎりやさん」のおすすめおにぎり
おにぎりやさんでは、白米・玄米・炊き込みご飯のおにぎりが常時10種類以上から選べます。なかでも特におすすめのものを紹介します。
味玉ちゃんにぎり
子どもから大人まで大好きな味玉が使われています。2日ほどかけて味を染み込ませた味玉とかつおぶしをまぶしたご飯の相性は抜群!海苔、お米、玉子のしっとり具合もたまりません。
おにぎりやさんで人気No.1のメニューです。
ほぐし鮭ごま風味
鮭+お米の王道ペアを進化させた人気メニュー。焼鮭をほぐしてゴマペーストと甘酒で甘みをつけてバターで和えています。複雑で深い旨味のある具材がほんのり甘いご飯と見事に合っています。海苔の風味が引き立つおにぎりです。
おじゃこと生姜の佃煮(玄米)
玄米の香ばしさに生姜のピリッとした辛みと香りが感じられる一品です。玄米のもっちり感とジャコの食感がコントラストになり、やみつきになるおいしさ。玄米なので食べ応えも十分です!
小豆入り玄米にぎり
杉江さんが個人的にイチオシのおにぎり。玄米の甘みと小豆のほっくり感がたまりません。味付けはシンプルに塩のみなので、玄米本来のおいしさが味わえます。女性にも人気の一品です。
あさりの炊き込みおにぎり
国産の大きなアサリを贅沢に使った季節の炊き込みおにぎりです。貝出汁でお米を炊いているので、お米由来の優しい甘さと貝出汁の旨味を満喫できます。海の恵みをたっぷり味わえるぜいたくな一品。
心を込めてていねいに握る「おにぎりやさん」。
こだわりのおにぎりを食べよう!
「おにぎりやさん」は、素材選びから具材作り、米炊き、握りまで杉江さんが一人で行うこだわりのおにぎり専門店です。土鍋で炊いたご飯と手作り具材のおにぎり、圧力鍋で炊いたもっちり食感が魅力の玄米おにぎりなど10〜12種類が並びます。
もともとは移動販売のみを行っていたこともあり、現在も多くのイベントに出店している杉江さん。「移動販売はおにぎりやさんの原点なので、今後も週に1日はイベント出店して、より多くの人におにぎりを食べてもらいたいと思います」と話します。
イベントの出店情報やおにぎりのラインナップはInstagramでも発信しているので、ぜひチェックしてみてくださいね。