緑豊かな大自然、おしゃれなインテリア、ゆったりと流れる時間。北欧の暮らしって憧れますよね。特集「スウェーデンの暮らし」では、現地からリアルな北欧の暮らしをお届けします。紹介してくれるのは、スウェーデン在住のライター新谷 友海さんです。
先日、雪が降り続いた日。夜がまだ明けない時間からしんしんと降り続け、ようやくやんだのはお昼過ぎ。久しぶりに沢山積もったので、どんな感じかなと家のドアを開けて外へ行ってみました。
外は真っ白、私がスウェーデンの冬で特にお気に入りなものの1つは、この雪が積もった白い木。雪が積もっていなくても、凍って真っ白になっているときもとてもきれいなんです。
こんなにたくさん雪が降り積もった日に、家の中で大人しくしているだなんて子どもたちにはできません!各々のソリを持って、森のなだらかな丘に集合です。スケート靴やソリは、スウェーデンの子どもたちが必ずもっているものの1つです。
中にはソリに子どもたちを乗せて、それを引いてお買い物へ行くお父さんやお母さんもいます。
雪が沢山降ると、日本ではあまり降らない地域ですとすぐに交通機関がマヒしてしまいますが、スウェーデンはさすが雪国。雪の対策はしっかりとされています。
雪が降っている時ときからずっと聞こえてきていたのが除雪車の音。こちらの写真は歩道ですが、車道から歩道から、はたまたマンションの出入り口から歩道に続く小道まで、除雪車がきれいに雪をどかしてくれます。ですので外出する時でも苦労はしません。
雪の多い日は、深夜に除雪車の音が聞こえてくることも。
だいたい夕方には仕事を終えるのがスウェーデンのスタイルですので、深夜に除雪車を運転する音が聞こえてくると、本当に関心してしまいます。雪がたくさん積もっていたり、道路が凍っていると大変危険なので、24時間ちゃんと整えてくれるのはありがたいですね。
こちらは夕方の空。白い雪のカラーとパステルカラーの空の色がとてもきれいに混ざり合います。
クリスマスシーズンには15時でもう暗くなっていましたが、最近では16時半頃でも明るいです。現在2月中旬の日没は、16時45分とのこと。冬は極夜、夏は白夜ですので、一日ごとの日照時間がとても早いスピードで長くなっていきます。
こちらの大きな大きな木は、寒い日に凍ると完全に真っ白になるので、とても迫力のある美しさを見せてくれる白樺です。こんなに大きいと、樹齢はどれくらいなのでしょうか。きっとずっと昔からここに生えているんでしょうね。
道端には、夏の間に実を付けたローズヒップもこんなに真っ白になって静かに佇んでいます。スウェーデンでは夏にはラズベリーやブルーベリーなどのベリーに加え、この野生のローズヒップが沢山実ります。
ローズヒップは、自然の特効薬として「Nyponsoppa(ローズヒップスープ)」として親しまれています。
Photo : Maria Strömberg Bååth https://sarabackmo.se
こちらがそのNyponsoppa。
Nyponsoppaは、スウェーデンの風邪やインフルエンザの特効薬です。スーパーでもパックに入ったものや箱入りのものなどが並び、ビタミンCがたっぷり入っていることからインフルエンザ予防をはじめ、リウマチ・発熱・風邪・腎臓の病気にも効き、オイルにしてお肌にもとても良いのです。
ここでスウェーデンの自家製Nyponsoppaのレシピをご紹介しましょう。
材料(4人分)
乾燥させたローズヒップ 100グラム
水 1リットル
片栗粉 1さじ
砂糖 40g作り方
①ローズヒップを数時間水につけておき、つけておいた水でローズヒップが柔らかくなるまで煮る。
②ミキサーでブレンドし、更に濾す。
③片栗粉をお水で溶いて、濾したローズヒップスープの中へ入れとろみをつけ暫く煮る。
④最後にお砂糖と細かく切ったローズヒップの実を入れて出来上がり。
お好みで生クリームやバナナ、アーモンドやアイスクリームを添えて。風邪のひきはじめや、インフルエンザ予防にバッチリです!
気温が下がった日の窓には、こんな結晶が。その日によってさまざまな美しい形を見せてくれるのですが、中には天使の羽根のようなものがたくさん見える日も。
外はとっても寒くても、スウェーデンの家はセントラルヒーティングで、一歩建物の中へ入ると21度以上に保たれているので冬でも快適、半袖短パンでOKです。日本のように朝昼晩の気温差もあまり無いので、私はスウェーデンへ来てから殆ど風邪をひかなくなりました。
ですので、気温だけで比較すると日本よりスウェーデンの方が寒いのですが、冬の過ごしやすさでいえばスウェーデンです。
外は寒くても、家の中はポカポカ。温かいNyponsoppaを飲んで、冬の間の風邪予防はバッチリです!